「すみませんは嫌」 ~パパとなっちゃん 兼業主夫とバレエガールの子育て記~ その6

LINEで送る
Pocket

LINEで送る
このエントリーをはてなブックマークに追加

nacchan6

兼業主夫放送作家の杉山ジョージです。1976年生まれ。不惑のはずが惑いまくっている40歳。服飾デザイナーの妻、アヤコとはいつの間にか結婚16年目に突入。子どもは二人。いずれも女子。この連載では主に、中学校1年生の長女なっちゃんとの経験と、そこで得たもの、失った(?)ものなど、一般的に難しいと言われる“父と娘”の関わりを綴っていきます。父と娘だから良かったこと、父と娘だから困ったこと、特に娘を持つパパさんや、習い事を頑張るお子さんがいる方に、もしかしたら参考になるかもしれないいけど…、ウチの娘、かなり個性的なので参考にはならないかも…(苦笑)まあ、気軽にお付き合いくださいませ。

子どもの言葉の発達というのは目覚ましいものだ。話す言葉もそうだけど、聞いて理解する力も本当にあっという間に上達する。今回は子どもってそんなことまで考えてるの!とびっくりした言葉のお話。

二人のおばあちゃん

なっちゃんには二人のおばあちゃんがいる。

一人は自分の母親、通称「市川のおばあちゃん」、もう一人は嫁さんの母親、通称「馬込のおばあちゃん」二人ともなっちゃんが大好きだし、なっちゃんも二人のことが大好き。それは中学生になった今でも変わらない。共働き生活の中では、どうしてもおばあちゃんにヘルプをお願いすることも出てくるのだが、特に自宅からの距離が近い馬込のおばあちゃんにお願いをすることの方が圧倒的に多くなる。とはいえ、僕としてはやっぱり市川のおばあちゃんが来てくれた方が、気が楽だ。自分の母親だからこそ、言いたいことも言えるし、感覚もわかる、何より気を遣わない。もちろん、馬込のおばあちゃんもそんなに気を遣う存在ではないが。

市川のおばあちゃんがいい!

なっちゃんが保育園の年中くらいの頃からだったろうか。

4歳くらいになってくるとコミュニケーション能力も上がり、ほとんどの言葉がニュアンス通り伝わり、会話がスムーズになる。なっちゃんは、発音が苦手だったのか「さしすせそ」が「たちつてと」になるタイプで「おいちい」とか「どうちて!」となってしまうところがあったけど、多分言葉の発達は早生まれにしてはわりと順調で、難しい言葉のニュアンスもかなり理解できていた。

それについては、幼いころから赤ちゃん言葉を使わないで接していたことや、テレビや音楽でたくさん言葉を聞いていた効果、なのかもしれないが。ちょうどその頃、二人のおばあちゃんは仕事や介護のペースが落ちていて、平日などでもヘルプに応じてくれるようになっていた。共働き家庭には恐怖でしかないインフルエンザをはじめとした体調不良、それから僕の出張など、僕らは安心して頼っていた。

ところが、ある日、やっぱりなっちゃんが体調を崩しおばあちゃんのヘルプを呼ぼうとなった時になっちゃんが言った「市川のおばあちゃんがいい!」

パパが謝らなくちゃいけない

なっちゃんに理由を聞いても、スッとは出てこない。まあよくあることだ。こういう時はニュアンスを想像するしかない。

最初の分析はこうだ。

一つ目「馬込のおばあちゃんはよく会えるから、たまには市川のおばあちゃんがいい」

二つ目「市川のおばあちゃんは遊び方が豪快だからそっちがいい」

三つ目「単純に馬込のおばあちゃんが苦手だ」

四つ目「単純に市川のおばあちゃんが好きだ」

これまでの経緯を振り返りつつ四つの可能性を考えてみると、まず三つ目はない。見てとれるほど、なっちゃんは馬込のおばあちゃんが好きだった。四つ目も間違っているわけではないけど、それだけで馬込のおばあちゃんじゃない方がいいというわけでもないだろう。二つ目は実際に遊び方が豪快、というか雑(笑)なので子どもは盛り上がるが、なんか腑に落ちない。となると、やっぱり一つ目なのか。

結局、その日は市川のおばあちゃんは予定があって来られなかったので、馬込のおばあちゃんにお願いすることになった。

そして、その日の夜、本当の理由を嫁さんが聞きだしてくれたのだ。

「パパがおばあちゃんに謝らないといけないから、なっちゃんは嫌なんだって」

…ん?

なんのことだろう?

嫁さんの説明によると、なっちゃんは馬込のおばあちゃんが帰る時に、僕と二人で見送るのだが、その時に言う「お母さん、すみません。」が嫌だったというのだ。

つまりは、自分が迷惑をかけていて、そのせいでパパが謝らなければいけないのが嫌なんだと。

えー!そんなことまで感じてるの!子どもなのに!とびっくり。

と同時に、自分自身が義理の母親に対して、それほど引け目に感じていたんだな、ということがわかった。確かに、馬込のおばあちゃんには反射的に「すみません」ということが多いけど、自分の母親である市川のおばあちゃんを見送る時には「母ちゃん、ありがとうね~!」って言ってる。うわー、全然気が付いてなかった。もちろん、それからは馬込のおばあちゃんも「ありがとうございました」と送り出すようになって、なっちゃんも「今日はどっちのおばあちゃん?」と体調を崩した時はどっちのおばあちゃんが来るのかを楽しみにするようになったとさ。

「すみません」と謝るんじゃなくて「ありがとう」と感謝。これは子育て以外でも、今もなお大切にする心掛けになった

本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。

すいっち無料会員登録
The following two tabs change content below.
杉山ジョージ

杉山ジョージ

兼業主夫放送作家。フルタイムで働く服飾デザイナーの妻と共働きしながら中1と年中の娘二人を子育て中。NPO法人ファザーリングジャパン秘密結社”主夫の友”広報担当。NPO法人イクメンクラブ所属。他にも日本パパ料理協会、しながわオヤジホールディングスなどなど数々のパパ活動に携わりまくっています。

関連記事

コメントをどうぞ