先日、子どもが口を触りながら、「ここはくち!くち・・・くちびる?“びる”ってなあに?」と聞いてきました。「なんだろうねぇ」と答えたのですが、聞かれてもわからない場合はいつも「なんだろうねぇ」で片づけてしまっていて少し申し訳なく思います。一応、“びる”について調べてみたのですが由来が難しく、子どもに説明したところで理解できそうにありませんでした。調べるなんて真面目すぎでしょうか?「なあに?」「なんで?」ばかりの子どもにどう対応していけばよいのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
「これなぁに?」
「なんで?」
「どうして?」
エンドレスに続く、子どもからの「?」の連続。
相談者さんのように、お子さんの質問に対して、どう答えればいいのかを悩む方もいれば、お子さんのなんでなんで攻撃(笑)に、「もういいかげんにして!」と困っている方もいるかもしれませんね。
今回は、そんな子どもから次々うまれてくる「なんで」について、一緒に向き合い、対応の仕方について考えてみましょう。
目次
「なんで?」が溢れる、子供の質問期
口をあければ「なに?」「なんで?」と聞いてくる。そんな子どもたちに、わたしもたくさん出会ってきました。
それもそのはず。
実は、2歳から6歳くらいまでの子どもたちは「質問期」と呼ばれ、発達段階から見ても、「なんで?」という想いに溢れている時期にいるのです。
あぁ、子どもの成長のひとつなんだ。
そう思うと、もう聞きすぎてイヤになっていた「なんで?」という言葉も、ちょっと嬉しいものに変わってきますよね。
そんな「?」に溢れる、質問期。実は、2つの時期に分けられます。
第一質問期
目にするものを次々と指差しながら、「これは?」「これなぁに?」と質問をする時期。同じものの名前を繰り返し聞いてくるのも特徴のひとつと言われています。
語彙が飛躍的に増える時期でもあるので、「命名期」とも呼ばれ、個人差はありますが2〜3歳頃にかけて現れることが多いです。
第二質問期
「なんで?」「どうして?」などのように、物事の意味や、原因、結果を知りたくて、質問をする時期。主に、4〜6歳頃にかけて現れます。
様々なものに興味を持ち、知りたい!と思う気持ちが、「なんで?」という言葉になって出てくる。この質問期は、子どもの知的好奇心が最も伸びる時期だとも言われています。
子どもが質問する理由に目を向けてみよう
そんな「なんで?」に溢れる子どもたちの質問に、どのように答えればいいか。悩むことってありますよね。
そんな時、わたしはまず、なぜその子がその質問をしたのか?という理由に、目を向けるようにしています。そうすると、自然とその「なんで?」に対して自分はどのように対応したいかが、見えてくるんです。
理由①:その物事に興味・疑問を持った
子どもたちが、その物事に興味や疑問を持って、「なんで」と聞く。そんな場合は、子どものその知りたい、という想いに寄り添った対応ができるといいですよね。
寄り添いかたは、本当にさまざま。
例えば、その物事についての知識があれば、自分の知っている限りで答えてあげてもいいと思いますし、「なんでだと思う?」と質問をしかえすのも、知るという“過程”を子ども自身が楽しむことができるので、いいかもしれません。
また、「百科事典や図鑑に載っているかな?」と、自分で調べることに目を向けられるような声掛けをするような対応もできるかもしれませんね。
理由②:「なんで?」という言葉を、楽しんでいる
歩き始めた子がただひたすら歩くことを楽しんだり、自転車に乗れた子が何時間も自転車に乗ることを楽しんだりするように、「なんで」という言葉が使えることが楽しくて、繰り返し質問する、という場合もあります。
この②が理由になることは、第一質問期の子どもたちに多いかもしれませんね。
上でも述べたように、この子どもたちの「なんで?」は、その“答え”を聞きたいというわけではない場合もあります。「なんで?」と質問したときに「答えてくれる」というやり取りを楽しんでいるんですよね。
その視点を持つだけで、子どもへ掛け返す言葉や、コミュニケーションの仕方も変わってくるような気がします。
理由③:パパママの気を惹きたい
何らかの理由で、パパママの気を惹きたくて「なんで?」を繰り返す。
答えを求めているというよりは、コミュニケーションをはかりたい場合に、質問攻めをする場合もあります。そんな時は、ぎゅっと抱きしめてあげたり、一度立ち止まって子どもの声に耳を傾けてあげたりするといいかもしれませんね。
皆さんのお子さんの「なんで?」の理由は、なんだろう?
次「なんで?」と聞かれた時に、ぜひ考えてみてください。
きっと、どれも「良い」と思います
「子どもに「なんで?」と聞かれたら、どういう風に答えていますか?」
そんな質問をしてみると、あるママは、子どもには難しいかな・・・と思って易しい説明をするのではなく、子どもがまだ知らないだろう単語も使いながら、普通に大人に説明するようにしています、と言っていました。
あるパパは、子どもの想像力がかき立てられるような答えを言ってあげたい、と言っていました。
全然違う2つの対応の仕方。
でもどちらかが正解でどちらかが間違いということはなく、きっとどちらも、(そしてこの2つ以外の対応も)、良しなんだと思うんです。
子どもたちの「なんで?」に出会ったとき。ぜひ「なんで?」の理由に目を向けてみてください。
そして、その世界を一緒に楽しんでみてくださいね。
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