3歳4ヶ月の男の子のママからの相談
息子はこの春から幼稚園に入園しました。はじめての外の世界、毎日どんな風に過ごしているのかとても気になります。幼稚園から帰ってくると、「今日は何したの?」「誰と遊んだ?」「先生は何て言ってた?」とついつい質問攻めにしてしまいます。でも息子は「わからなーい」と煮え切らない返事。バス通園のため、幼稚園で過ごしている様子を見たり、担任の先生とお会いすることもなかなかありません。子供の園生活をキャッチする方法があれば教えてください。
ご相談ありがとうございます。
お子さんが楽しく保育園や幼稚園で過ごしていたのか、どんなことをして過ごしていたのか、一緒にいられないからこそ知りたい、気になるという親御さんは多いかもしれません。
でもそんな親の気持ちとは裏腹に、園の様子を教えてくれないこともある子どもたち。どうすれば園での生活を知ることができるのか。一緒に考えてみましょう。
目次
話さないからって、つまらない訳ではない
様子を知るためにどうすればいいのか考える前に、ひとつ前提として頭に置いておきたいなぁと思うことがあります。
それは、話さないからと言って、「園がつまらない」、「楽しかったことやおもしろかったことがなかった」というわけではないということ。
大人でもそうだと思いますが、子ども達のなかにも、自分の経験や気持ちを言葉にして誰かと共有するのが得意な子、好きな子もいれば、自分のなかで、大事に大事にする子もいます。
また、話をするのが好き、そうではないというだけでなく、言葉にして誰かと共有したいなと思う事柄も、きっと一人ひとり違います。
親からすると「え、今?!」と思うようなタイミングで、思い立ったように少し前の経験を話す子もいると思いますし、「今日、園でしたことで1番最初に話すことがそれなの?」と思う様な話をする子もいるかもしれません。
言葉、というカタチでどんなことをどれだけ話すのか。
それは楽しかったことがいっぱいあったか、少なかったかに、必ずしも比例するわけではないかな、と思うのです。
「聞く」ときの大事にしている5つのこと
では、その前提がある上で、子どもが「話したいな」と思ったことをより話しやすくするためには、どんなことができるでしょか。
子どもに限らず、わたしは他者の話を聞く際、できる限り大事にしたいなと思っていることが5つあります。今回はその5つについてお話させてください。
①それは自分が聞きたいこと?相手が話したいこと?
どうしても誰かの話を聞くとき、自分の聞きたいという気持ちを優先してしまいがちに。でもそれだと、話す側も気持ち良く話ができないかなと思うので、わたしはなるべく自分が聞きたいことを質問する前に、相手が話したいことが話せているかなということを気にかけるように、心がけています。
②相手のペースを大切に
これは①で心がけていることに近いのですが、相手のペースを大切にする。
まだ話す準備ができていないのに、「今日どうだった?」「楽しいことあった?」「給食何食べたの?」と質問攻めしてしまったり、相手がまだ話している途中で次の質問をしてしまったりすると、話したいこともうまく言葉にできなくなってしまいますよね。
特に子どもたちは大人に比べて、経験を思い出して言葉にしたり気持ちを言葉にするのに時間がかかることも。
待つ、ということが時に「聞く」という行為をする時にとても大事になるのではないかなと思っています。
③タイミングを考えてみる
皆さんは普段お子さんに園の様子を聞く時、いつ聞いていますか?園の帰り道、お家についてすぐ、という方も多いかなと思うのですが、子どもたちも毎日園でめいいっぱい遊んだり、いろいろな刺激の中で過ごしてきて、すぐ言葉にするのがなかなか難しいことも。
ちょっとソファに座って一休みしてから、夜ご飯の時間に、お風呂に入っている時に、寝る時に。
もしかしたらタイミングを変えるだけで話がしやすくなるということもあるのではないかなと思います。
④どんな環境で聞く?
話をする時、環境もとっても大切です。
そして、どんな環境だと話をしやすいかは、人それぞれ。
向き合って目を見て話す。
自転車に乗って顔は見えないカタチで話す。
遊びながら話す。
布団に入って、隣同士で話す。
二人で話す。家族みんなで話す。
色々な環境で話を聞いてみて、どの環境だと話がしやすいのかを探してみるのもいいかもしれません。
⑤自分も話をしてみよう
子どもと話をする際、ついつい子どもの話を聞くことばかりに意識がいってしまい、自分の話をすることを忘れてしまいがちになります。
聞くという行為が子どもの話すきっかけになったり、こんな風に自分の気持ちを話してもいいんだという気づきに繋がることもあるので、わたしにとって今日はどんな日だったのか、どんなことがあったのかということを話すことも意識してみるといいかもしれません。
言葉以外にも目を向けてみよう
ここまで、「話す」ということにスポットを当て、園の様子を知るということについてお話しましたが、言葉以外のことからも園の様子を感じ取れることって、実はたくさんあるんじゃないかなと思っています。
今日はいつもより洋服が汚れているな。(いっぱい外で遊んだのかな)
よくご飯を食べるな。(身体をめいいっぱい動かしたのかも)
帰ってからもずっとおままごとしているな。(今日園で集中して取り組んだ遊びなのかな)
持ち帰った作品がいつもより多いな。(製作が楽しかったのかな)
こんな風に、ヒントは意外と色々なところにあります。
言葉やそれ以外のことでも園の様子がちょっとだけでも分かることで、親御さんの不安な気持ちが少しでも減りますように。
お子さんが園で充実した時間が過ごせていますように。
少しでも参考になれば嬉しいです。
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