5歳の男の子のママからの相談
先日、NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」の中で、子どもがわがままで言うことを聞かないことを一人で悩み、追い詰められていく母親の姿が描かれていて、とても共感してしまいました。私も、実家は遠くて頼ることはできないし、主人は育児に積極的な方でもないので、結局子育ては自分だけでやっているようなものです。子どもの年齢が上がるにつれて新しい悩みが次々と出てくるので、誰かに相談したいけれど、誰もいません。一人で悩んでばかりの状況をどうしたら変えられるでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
わたしは「べっぴんさん」を見ていないのですが、母親が一人で悩んでいる姿、容易に想像することができました。それはきっと、それほど「弧育て」が世の中で当たり前になっているから。
少しでもその状況を変えるために、どうすればいいのか。一緒に考えてみましょう。
子育てのヒントに繋がる、お坊さんのお話
わたしはこの相談を受けたとき、以前聞いた法話を思い出しました。
そのお話は、お坊さんが介護の相談を受けた時のことだったのですが、「周りに頼る人がいなくて、自分ひとりでどうにかしなくちゃいけないけれど、もういっぱいいっぱいだ」という相談に対し、こうお応えしたんですよ、とお坊さんがおっしゃったお話で、その言葉が、子育てのヒントにも繋がるものがあるなぁと感じたんです。
その言葉はこういうものでした。
「一度立ち止まってみてください。そして、紙にどんな問題が起きているのか、ひとつずつ書き出してみて下さい。」
つまり、大変だ、どうしようもないと漠然と大きな悩みに向き合っている時には、なかなかその悩みに対する解決策や道は開けないけれど、その大きな問題をちいさく小さくして考えると、自分が取れる行動が見えてくるということです。
たとえば、「誰も頼れる人がいない」と思っているけれど本当にそうなのか。
今自分が持っているリソース(親族関係、友人)のなかにまず頼れる人はいないか、場合によってはお金を払う必要もあるかもしれないけど、自分が必要としていて受けられるサービスはないかを書き出してみることで、意外と今の状況から動き出すことができるんですよね。
最後にお坊さんのおっしゃった「自分で今のその状況にとどまろうとしてしまっている、ということもあるかもしれないですね。」という一言に、わたし自身も大きな学びと気付きがありました。
視点を変えて、書き出してみよう
先ほどのお坊さんの話を子育ての「頼る人がいない」場合に置き換えてみると、例えば周りにこんな頼れる人やサービスはないでしょうか?
・保育園や幼稚園の先生
・地域の人々
・子育てセンターの職員
・子育てホットライン
・子育て掲示板やQ&Aサイト
・友人
…他にも探してみると、それぞれの角度から助けてくれる人、共にに子育てをしてくれる人は、気付いていなかっただけで、意外といるかもしれません。
また、パートナーが「子育てに積極的ではない」場合も、子育てにはしなきゃいけないことがこれだけあって、今の自分と子どもの状況だとこれとこれをやるのが難しい、この時間帯が特に大変などと書き出すのも、いいのではないかと思います。
目に見えるかたちで状況を提示する。伝える方法をちょっと変えるだけで、相手の受け取り方が大きく変わることもあると思うのです。
子育てはひとりでしなくていい
そして、今子育て中のお母さんお父さんに伝えたいことがあります。
子育てはひとりで、家族だけで、するものじゃない。
「全部自分でやらなくちゃ」と思わないでくださいね。
子育ては、周りにいる人も、地域も、社会も、一緒になってしていくもの。ちょっと勇気がいるかもしれないけど、困っていたら、「困ってます」と声をあげてみてほしいと心の底から思います。
そしてパパママが声をあげるのを待っているだけでなく、周りにいる私たちがもっと自分から子育てを一緒にしていく姿勢をとっていかなくてはいけないと思っています。
子育てがあなたにとって苦しいだけのものにならないように。
わたしも少しでも力になれたら嬉しいです。
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