4歳の男の子のママからの相談
先日、こどもがこの1年間楽しんできた戦隊ヒーローの放送が終了してしまいました。こどもにとっては初めて好きになった戦隊ヒーローで、変身ポーズや主題歌を覚えたり、さまざまなオモチャで毎日のように遊んできたので、放送が終了してしまったことがショックなようです。「なんで終わっちゃったの?」「もっと見たいよ・・・」と悲しんでいるこどもに対し、同調したらよいでしょうか?それとも新しく始まる戦隊ヒーローに気を向かせたらよいでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
好きな人。
好きなもの。
好きなこと。
好きな時間。
子どもたちは日々暮らす中で、自分にとって“大切”な何かを少しずつ増やしていきます。
そしてその分、それとお別れをする瞬間もまた、経験する時がやってくる…。
そんな時、周りの大人がしてあげられることはあるのでしょうか。
別れの悲しみは、推し量れない。
別れと一概に言っても、実に様々な種類の別れがあると思います。
相談者さんのお子さんのように、好きな戦隊ものの番組が終わってしまうこともあるでしょうし、引っ越しで友だちと離ればなれにならなくちゃいけない、大好きな家族やペットを失う、大切にしていたものを落としてなくしてしまったり、一生懸命つくったブロックが壊れてしまった、それもまたその子にとっては“別れ”のひとつになることもあるでしょう。
そんな別れの数々が、果たして本人にとってどれだけ悲しいものなのか。その別れの寂しさや悲しみの深さは、周りの人が測れるものではないなぁと思うのです。
わたし自身も経験したことがありますが、 他人から見たら大したことのない別れが、本人にとってはどうしようもなく悲しいものであることって、あるんですよね。
それはきっと、子どもも同じ。
代わりに新しいものを買えばいいでしょ。
代わりに新しい出会いが待っているんだから大丈夫でしょ。
と出来ない時が、彼らにだってあるんじゃないかなぁと思うのです。
気持ちは変えられない。
わたしは、悲しみの中にいる人(子ども)に対して、周りの人がしてあげられることは、そんなにたくさんないのではないかなぁと思っています。
そのかわり、“してあげないほうがいいな”と思うことがひとつあります。
それは、「その人の気持ちを変えてあげなくちゃ!元気にしてあげなくちゃ!」とすること。
悲しみでも喜びでも、周りの人が“気持ち”をコントロールすることって、とても不自然なことだと思うのです。
自分自身に置き換えて考えると分かりやすいと思いますが、良かれと思ってしてくれたとしても、心のなかを掻き乱されたような、ちょっと嫌な気持ちになることもある。
だからこそ、変えようとするアプローチをとったり、どうにかしてあげなくてはと思うのではなく、その人自身が自分でその気持ちとどう向き合うのか決める「時間」を、きちんと確保してあげることを大切にしてあげたいなぁと、思うのです。
否定するでもなく、同調するのでもなく。
気持ちを変えようとする代わりに、周りの人にできること。
それは、共感することなのではないかとわたしは考えています。
否定するでもなく、同調するでもなく、「そっか、悲しいんだね。」とその気持ちに共感する。
受け入れるのではなく、受け止める。
その関わりかたが、その人自身がその気持ちと向き合ったり、その気持ちを癒したりするきっかけになると思います。
また、子どもの場合、まだ寂しさや悲しみとの向き合いかたをたくさん知っているわけではないこともあります。
そんな場合は、共感した後に、「ママは大切なものをなくして悲しいなと思った時、こうしているんだ。」、「また、お休みの時に会いにくることもできそうだよね。」と、ご自身の体験や考えをお話ししてあげることもいいかしれません。
悲しみや寂しい気持ちも大切な感情のひとつ。
子どもたちが、その感情を隠したりするのでなく、ちゃんと表現し続けられるように…。周りの人たちで認めてあげられるといいですね。
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