5歳7ヵ月の男の子のママからの相談
こどもがなかなか自分のことを自分でしようとしてくれません。朝はいつまでたってもお着替えをしないので、結局家を出る時間ギリギリになって私が着替えさせたり、歯磨きもまずは自分磨きをさせようと歯ブラシを渡すのですが自分ではほとんどやらず、結局私の仕上げ磨きだけというような感じです。もう下手でも自分でできる年齢だと思いますし、春からは年長さんです。もっと自分のことは自分でやれるようになってほしいと思っているのですが、どうしたらもっと自分でやろうとしてくれるのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
相談者さんのように、子どもが大きくなるにつれて「自分のことは自分でできるようになってほしい」と思うようになる方は多いかもしれません。
そんな時、私たち大人にできること。
わたしはきっとこんなことなんじゃないかなぁと思うのです。
ちょっと考え方を変えてみる
「自分のことを自分でやる」ということについて考える前に、ちょっと思い出したいことがあります。
それは、2歳、3歳、4歳…と子どもが成長するにつれて、私たち大人はなぜだか、できることより、できないことに目が向きがちになってしまうということ。
このできないことに視点が向いてしまうことが、「もっと自分でしようとしてくれればいいのに」という思いを、必要以上に大きくしてしまっている、という場合もあるのではないかと思うのです。
実際、子どもたちは生活の中で、遊びの中で、他者との関わりの中で、今この瞬間にも、できることが少しずつ増えたり、新しいことにチャレンジをし、「自分でやりたい!」という気持ちをそれぞれのペースで育んでいると思います。
今回の「自分のことを自分でできるようになってほしい」という願いは、身支度など、大人が子どもに“してほしい”ということに視点がありますが、そこだけでなく、遊びや暮らしに視点を当ててみると、意外とたくさん、子どもは「〇〇がしたい」という気持ちを持っていることに気がつくかもしれません。
その子どもの「〇〇がしたい」という気持ちを止めないで、子どもの好奇心のままにさせてあげることが、大人が望む自立心や行動も生むきっかけになるのではないかなぁと思うのです。
大切なのは、親が新しい距離感を見つけていくこと
その上でわたしは、「子どもが自分のことを自分でできるようになる」ために大切なのは、子どもの行動を変えることよりも、親が子どもとの新しい距離感を見つけていくことだと思います。
今まではやることを手伝っていた着替えや身支度。
今までは子どもがやりたいと言っても、止めてしまっていたこと。
このような子どもがやるべきことややりたいことを取り上げず、いい意味で距離を少しとってみるのです。
具体的には、例えば「着替えてからお外に遊びにいこうか!」と子どもに伝えたら、子どもが自分で着替えをするまではお出かけしないで待つ、など。
それには時間も忍耐も必要になることもあるので、ある意味子どもよりも大人にとって、大きな挑戦になるかもしれません。
まずは自分自身に余裕がある時でもいいので、新しい距離感を見つけようとしてみる。
それができると、子どもが自分で自分のことをやる機会や、どうやってやろうかなと考える時間が、自然と増えていくと思います。
自立するということは、自分でできることだけを指すわけじゃない
でもここで忘れたくないのは、自分でなんでもできることだけが自立ではないということ。
自分ではできない時や、どうやってやればいいか分からない時に、「手伝って。」「これ、どうやってやるの?」と助けを求められることも、とても大切な自立の一歩なのではないかなぁと思うのです。
「〇歳になっても、これができないなんて恥ずかしいよ。」ではなく、その代わりに「じゃあ一緒にやってみようか」と言ってあげる。
いい距離感のなか、大人も子どもも、お互いにとって心地良い暮らしができますように。少しでも、ヒントになれれば幸いです。
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