4歳10ヵ月の女の子のママからの相談
毎朝、子供に対して「早く早く!」とか「ママ先に行っちゃうよ!」などと言いながら急かしているのですが、いつも保育園に遅刻気味で、結局私も会社に遅刻気味で、バタバタとした朝を迎えるのが憂鬱です・・・。子供に対して急かしたり、脅したりする言い方はあまり良くないと聞いたことがありますが、優しい言い方をしても言うことを聞いてくれるとは思えません。毎朝のイライラを少しでも解消したいのですが、他に何か良い言い方はないでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
起床、トイレ、着替え、朝ご飯、片付け、靴を履いて、ようやく登園…かと思いきや、なかなか歩いてくれない。
保育園や幼稚園に行くまでの間だけでも、何度も「早くして!」「何度言わせるの!!」と、思わずお子さんに言いたくなるようなシチュエーションの数々に、困ってしまう親御さんは多いのではないでしょうか。
子どものペースに合わせてあげたいけど、時間は待ってくれない。きっとそんな葛藤もありますよね。
今回は、そんな時の子どもへの声掛けについて、一緒に考えていきたいと思います。
「言葉」が子どもに与える影響
子どもの行動を制限する、「ダメ」「やめて」という否定の言葉。
子どもの行動を決定する、「◯◯しなさい」という命令の言葉。
子どもの行動を抑圧する、「◯◯しなきゃ、△△しちゃうからね!」という脅しの言葉。
これらの言葉は、とても威力のある言葉だと思います。
だからこそ、一度使い始めると、大人が無意識のうちに多用してしまいがちな言葉でもありますね。
「あぶない!だめ!やめなさい!」
とっさに子どもの行動をとめたい時。
確かに、これらの言葉は有効だと思います。
予測がつかない行動をする子どもとの生活の中で、これらの言葉を一切使ってはいけない、というのはなかなか難しいことでもあると思いますし、時に使うことで子どもの安全を守れることもあるでしょう。
でもわたしは、基本的に、これらの言葉を使うことを自分自身なるべくしたくないなと思いますし、あまりオススメしていません。
それは、否定語や命令語は、子どもたちが「自分で考える余白」を奪ってしまいかねないから。
他者が自分の行動を決めるということに慣れていくと、それ(指示)がないと動けなくなってしまう。
「◯◯ちゃんはどうしたいの?」「好きなようにしていいよ」と自由に好きなように遊んで欲しい、自分で考えてほしいという場面でもそれが難しくなってしまうことがあるのです。
それは、私たち大人としても望んでいることではないですよね。
ちょっとしたことで大きく変わる
でも、そんなこと言っても子育てをしていると、子どもに「だめ!」、「◯◯しなさい!」と言いたくなるようなシチュエーションってたくさんある。
そんな時、どうすればいいのか。
わたしがオススメしている方法は3つあります。
自分の行動を変える
他者の行動を変えることって、思っているより大変です。
だから、まず自分の行動を変えてみる、ということをしてみませんか。
いつもここで10分くらい遅れちゃうから、もう少し早い段階で声かけてみよう。
朝、子どもの寝起きが少しでも良くなるように、今晩は1時間早く寝室に行ってみよう。
いつもは夕食の前にお風呂に入っているけど、お腹がすいているようだから今日は先に夕食にしよう。
必死になって子どもの行動を変えよう変えようとするのではなく、自分自身が変わるほうが、実はうーんと楽だったりするのです。
いつのまにか変わった親御さんの行動に連動して、少しずつお子さんの行動も変わってくるはずです。
言葉を言い換える
相談者さんが教えてほしいと言って下さった、ポジティブな声掛けをするというものです。
例えば、
・走らないで → 歩こうね
・スプーンは投げないで → 代わりにこれ(ボール)投げたらどう?
・早くしなさい → あと5分ででるよ/ママ何かお手伝いしようか?
こんな風に、ネガティブな言葉をちょっと言い換えてみる。
具体的な言葉に言い換えることで、子ども自身も今どうした方がいいのか分かりやすいですし、提案のかたちに換えることで、子どもが「じゃあどうしようかな」と自分で考える余白をきちんと確保することもできると思います。
いいな・嬉しいなと思った行動に目をむける
どうしてもできないことや、もっとこうしてほしいということに目がいきがちになりますが、目を向ける先をちょっと変えてみるんです。
「今、お片づけ早かったね。嬉しかったよ!」
「手伝ってくれてありがとう!すごく助かったよ。」
そんな風に、いいなと思う方に目を向けて、声をかえていく。
こうすると、周りの人は嬉しいんだな。
こうすると、自分にとってもいいことがあるんだな。
そう思えると、その行動をまた別のシチュエーションでも積極的にしてくれるようになります。
親御さんにとっても、子どもの良い所を伸ばせること、ありがとう、嬉しいと声を掛けられること、そして子どもとの関係性をそのような声掛けの中で築いていけることは、嬉しいことなのではないでしょうか。
良い循環を、生活に
いかがでしたか?
使う言葉、行動は自然と周りの人間に移っていきます。
あなたが温かな言葉を使えば、周りも温かな言葉を使うようになる。模倣するのがとても上手な子どもたちと生活していると、特にそう感じる場面も多いのではないでしょうか。
良い循環があなたの周りに訪れますように。
この記事が少しでも皆さんのヒントになれば嬉しいです。
本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。
このライターの他の記事を読む


最新記事 by 三輪ひかり (全て見る)
- クリスマスに子どもと一緒に読みたい絵本 - 2017年12月20日
- 【保育士が教える】子どもとの「限りある時間」を少しでも有意義に過ごすには? - 2017年11月14日
- 【保育士が教える】行事いっぱいの日々で疲れ気味の子ども。どうしてあげればいい? - 2017年10月18日