5歳と3歳の男の子のママからの相談
わが家には男の子が2人います。お菓子やオモチャの取り合いだったり、作ったものを壊されただったり、何かにつけてケンカになってしまい、ケンカの仕方も力で奪い取る、叩く、投げるなど激しくなってきました。なるべく「お兄ちゃんなんだから」という理由でお兄ちゃんが我慢ばかりすることのないように気をつけてはいるのですが、悪気のない弟に対してお兄ちゃんの方が過剰に反応していることが多く、つい口から出てしまいそうになるのをなんとか堪えています。もうすぐ連休ですが、一緒にいる時間が長くなるとケンカが多くなってしまいそうで心配です。なんとなく言わないようにしている「お兄ちゃんなんだから」は、やっぱり言わない方がいいんですよね?
ご相談ありがとうございます。
きょうだい児がいると一緒に遊んだり、ふざけ合ったり楽しいことがある一方、ぶつかり合いや言い合い、ケンカをすることもありますよね。
そんなきょうだいの間で起こるケンカは、お互いが信頼しきっているからこそ、より一層激しいものになることが多く、毎回毎回その仲裁をしなくてはいけない親御さんは、ぐったりしてしまうかもしれません。
今日はそんなケンカやきょうだい同士の関わり合いのなかで、大人がつい言ってしまいがちになる「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」という言葉について考えたいと思います。
「お兄ちゃんだから」我慢する必要がある?
「お兄ちゃんなんだから、我慢しなさい!」
「お姉ちゃんなんだから、ごめんねは?」
大人になっても、子どもの頃そんな言葉で親に怒られたり、我慢させられていたことを覚えている人は多いのではないでしょうか。
なぜそう言われたことを覚えているのか。
わたしはやはりそこに、当時、子どもだったその人が「お兄ちゃん、お姉ちゃんだから」という理由に納得できないまま、怒られたり、我慢させられていたという思いがあったり、自分の主張は全然聞いてもらえなかったという気持ちなどがあるからではないかなぁと思うのです。
もちろん、
・順番という概念を理解しているから、先に下の子に貸してあげられるだろう
・下の子みたいにイヤなことがあっても泣きわめくことはないから、ひとまず上の子は我慢できるだろう
・ふたりとも叩いていたけど、叩いたら痛いってお兄ちゃんは分かっているはずだ
…そんな風に、年が上だからできるでしょう、と思うこともあるかもしれません。
でもそれを理由に、結果だけを見て、我慢させたり、悪いと決めつけるのは、なんだか違いますよね。
わたしはきょうだい児と関わるとき、「お兄ちゃんなんだから」という言葉は使わないようにしています。また逆もしかりだなと考えているので、「弟なんだから」という言葉も使いません。
子どもに限らず、大人もそうですが、先に生まれたから、後に生まれたからということが理由になることは、ほとんどないのではないかと思っています。
別の言葉を使って話ができないか、考えてみよう
では、「お兄ちゃんだから」という言葉を言う前に、わたしたちができることはないでしょうか。
もうすぐゴールデンウィークなので、お休みの時に起こりそうなシチュエーションを事例にして考えてみましょう。
■事例①:
旅行先の宿で、色違いのおもちゃをお土産にもらったが、弟が「お兄ちゃんがもらったほうの色の方が良い」と言い出し、ケンカに発展。
この場合、わたしだったら、弟くんにどうしたかったのか、まず話を聞くと思います。
その上で、「じゃあお兄ちゃんに、そっちがいいんだけど交換してくれない?とお願いしてみたら」と、提案してみるかもしれません。
ここでも、お兄ちゃんだから、弟だからという年のことは関係ないですよね。
もし、お兄ちゃんが「やだ」と言ったら、もうそれは仕方ないことかなぁと思い、残念だねと弟の気持ちに共感するかもしれないし、「交換はダメなら、一緒に使うのはどう?」とか、「じゃあどんな使い方だったら弟くんもそれ使ってもいいかな?」と、弟くんと一緒にお兄ちゃんに聞いてみたりするかなと思います。
■事例②:
テーマパークにて、妹だけがベビーカーに乗っている状況をずるいと言って姉が不機嫌になり、妹に「降りて、どいて」などと言う。
お姉ちゃんが「ずるいと」言った理由はなんだろう。そこがとても大切だと思います。
歩くのに疲れちゃった?
ちょっと休みたい?
それとも、本当にベビーカーに乗りたい?
まずは、お姉ちゃんに聞いてみるといいかもしれませんね。
また、「ちょっと休憩しようか?」とこちらから提案してみるのもいいかなと思います。
事例①、②どちらの場合も、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」という言葉を使わなくても、話をしたり、子どもの気持ちを聞くことで解決することができそうですね。
もし、言ってしまったら…
もちろん、つい「お兄ちゃんなんだから…」と言ってしまったということもあるかもしれません。
そんな時は、「さっきはごめんね」とお子さんに素直に謝り、そこから違う言葉で子どもに伝えることができないか考えてみたり、次から気をつけようとしてみればいいと思います。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、弟も妹も。
そして、お父さん、お母さんも、気持ちよい時間が過ごせますように。
ひとつのヒントにしていただけると嬉しいです。
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