4歳の男の子のママからの相談
今年から息子が年中さんになったのですが、同じクラスのお友だちとケンカになって泣いてしまったといった報告が幼稚園の先生から度々あります。ケガをしたわけではないし、子供同士ではよくあることだとは思うし、集団生活の中ではある程度のケンカは仕方ないと思うのですが、どちらかというとやられ気味の息子のことが心配で仕方ありません。子供の気持ちにどう寄り添ったらいいのか、ケンカした時はどのようにしなさいと子供に伝えたらいいのか、アドバイスをお願いします。
ご相談ありがとうございます
子ども同士のケンカやトラブル。
保育園や幼稚園で起こる場合、親御さんご自身がその場にいることができないからこそ、余計悩ましく、心配になることかと思います。
そんな時、親として何をしてあげられるのでしょうか。
ぜひ一緒に考えられればと思います。
ケンカするほど、仲がいい?
わたしも保育園で働いていた頃、何度も子どものケンカを目にすることがありました。
このおもちゃわたしが使っていたのに!
ぼくも一緒に遊びたかった。
なんでそんなこと言うの。
約束してたじゃん!
どうして分かってくれないの。…どんっ。
あげればキリがないほど、子どもたちの間でケンカやトラブルが起きる理由は本当に様々で、誰が悪い、どっちがいけなかったという話で片付けられないものばかり。ケンカが起きる度に、自分自身の人間性を試されているような気持ちになったこともあります。
ただ、そんな子どもたちの姿と向き合うなかで気がついたことがあります。それは、仲が良いほどよくケンカをする、ということ。
この相手なら100%自分の思いをぶつけても大丈夫、そう思えるからこそ口も出るし、手もでる。相手のことを信頼しているからこそ、本気でぶつかることが初めてできるんですよね。
これは子どもに限らず、大人もきっとそうなのではないでしょうか。
「点」ではなく“線”で見てみる
つまり、他者に興味を持ち、関わり合いが生まれてきたからこそ、ケンカやトラブルが起きるようになるということでもあります。
そう考えると「それだけ周りとの関わりがでてきたんだ」「外にも目が向くようになったんだ」と嬉しい成長のひとつとして捉えることもできますよね。
しかしそれでも親としては、誰かを傷つけてしまっていないか、お子さん自身が傷ついていないか、心配になる気持ちもあるかと思います。
特に保育園や幼稚園で起きたケンカやトラブルは、その様子を直接見れないからこそ、先生から「今日お友だちとケンカをして、擦り傷ができてしまいました。すみません」と言われると、不安になることもあるのではないでしょうか。
そんな時は、ぜひ保育士さんにこう聞いてみてほしいなぁと思います。
「もう少し詳しくお話聞きたいです。」
どっちが悪かったのか、きちんとごめんねできたのかをはっきりさせてほしいという意味ではなく、ケンカで何かが起きたその瞬間だけではない部分の話に大切なものがあると思うんです。
そのケンカが起きる前後の様子や、普段のふたり(場合によっては複数人)の関係に目を向けるからこそ、見えてくるものがある。
点を見ただけでは分からないケンカが起きた背景や、子どもたちの気持ちの変化や関係性に気付く事ができると、そのケンカの見え方もきっと変わってくるのではないでしょうか。
置き去りにしたくない、本人の気持ち
もちろん、その上で忘れたくないのが、子ども本人の気持ち。
「今日ね…」とお子さんから話をしてきたら、途中で「謝ったの?」「イヤだって、ちゃんと言った?」と口を挟まずに、まずは最後まで話を聞いてあげてほしいなぁと思いますし、もし子どもから話が出てこなかったら、「今日先生がこんなこと言っていたけど、何かあったの?」と聞いてみるのもいいかもしれませんね。
ケンカの中で泣いたり、イヤな気持ちになっていたとしても、もうすでにやりとりの中できちんと相手と向き合えたことで、本人は意外とすっきりしていることもあるでしょうし、逆にまだ何かにもやもやしていることもあるかもしれない。
でもここで大切にしたいのは、そのケンカはあくまでも子どものものということ。こちらが「こうするべきだ」と提案する前に、子ども自身が「どうしたいか」を、まずは大切にしてあげられるといいなと思います。
もちろんその中で、お子さんがどうすればいいのか困っていたら、一緒に考えてみたり、「ママだったら、こうするかなぁ」とお話してみるのもいいですよね。
どこまで大人が立ち入っていいのか。
何をしてあげられるのか。
子どもの気持ちや、ケンカによって変わるからこそ難しいですが、少しでもヒントになれば嬉しいです。
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