3歳の子どもを持つ働くママより 「毎日、仕事が忙しくてなかなか子どもと接する時間をたくさん作れません。せっかくの限られた時間も、ついついガミガミと怒ったり、小言を言ったりしてしまい。言ったあとに自己嫌悪になってしまいます。もっと楽しい時間を過ごせるようにするにはどうしたらいいでしょうか?」
ご相談ありがとうございます。
お仕事と子育ていつもお疲れさまです。忙しい中でも、お子さんと過ごす時間を持とうとする意識、とてもステキですね。
相談者さんもおっしゃっていましたが、せっかく時間を作ったのにイライラしてしまうと悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
今回は、どうしてそうなってしまうのかに目を向けながら、いい時間の過ごし方を一緒に考えていきたいと思います。
なぜイライラしてしまうのか?
感情の中でも、特にコントロールが難しいと言われているのが「怒り」の感情。
なぜか分からないけどイライラしてしまう…と、思っている人も多いのではないかと思います。
しかし、実は怒りの感情には必ず“理由”があるということをご存知でしたか?
ここでは、まずは怒りの感情の“元”となっていることに目を向けてみます。
先ほども言いましたが、人間は何もない場面で、イライラしたり怒ったりはしません。
そこには必ず、「◯◯であるべき」や「◯◯しなければならない」というその人固有の考えがあり、そこから外れる出来事を誰か(他者はもちろん、自分自身も含まれます)が引き起こすことで、「なんで、そんなことするの!」と怒りの気持ちが湧いてくると言われています。
つまり、今回の相談者さんのケースでは、
「忙しい中でせっかく作った時間なのだから、楽しい時間にしなければならない」
という想いがあったのに、何か原因があって(もしかしたら、お子さんが泣いてお母さんのことを困らせたのかもしれないですし、やって欲しくないと思うおふざけをしたのかもしれません)、その想いを達成出来ないことが根底にあったのかもしれないと推測出来ます。
また、アドラー心理学では、怒りは「二次感情」であり、一次感情にある、悲しい・さみしい・苦しい・悔しいなどの感情が満たされない時に怒りという二次感情が出てくるとされています。
「あぁ、せっかく楽しい時間を過ごしたかったのに、それが出来ないのが“悲しい”」
「疲れているのに、頑張っているのに空回りばかりの自分が“悔しい”」
そんな感情が必ず怒りの下には隠れているはずです。
私は、パパママも人間なので、喜怒哀楽はあるのが普通だと思います。いつでも喜と楽だけの人なんていないと思うんです。
しかし、怒りの感情をそのまま子どもにぶつけるのではなく、上手に怒りの感情と向き合うことが出来れば、子どもとよりよい関係性を築けたり、豊かな時間を過ごせたりするようになるとも、考えています。
子どもと向き合う上で大切にして欲しい3つのこと
忙しいパパママだからこそ、子どもと過ごす一分一秒を大事にしたいと思っている方が多い印象を持ちます。そして、そんな想いを強く持っているからこそ、空回りしてしまうこともあるようです。
そこで、お子さんとの時間を過ごす上で、パパママにぜひ大切にしてほしい3つのことがあります。
量より質を大切に
なかなか一緒に過ごせないから、子どもにさみしい思いをさせているのではないかと考える方が多いのではないかと思いますが、私は、長い時間一緒にいられるという「量」よりも、どういう時間を一緒に過ごすかという「質」が大切だと思います。
そして、その質は、何をやったか、どこに行ったかということで担保されるのではなく、パパママが子どもとどういう姿勢で向き合ったかの一点につきると考えています。
目を見て話を聞いていますか?
ぎゅっと抱きしめたり、手を繋いだり、スキンシップを取っていますか?
一緒にいるのにケータイばかりいじっていませんか?
とてもシンプルなことですが、パパママの気持ちが自分に向いているということを感じられることが、何よりも子どもたちの心を満たしてくれます。
手放す勇気を持とう
あれもこれも欲張ると、心がいっぱいいっぱいになって余裕がなくなってきますね。
それは子どもにも伝わります。
この10分は、仕事も家事もしないで、子どもとのんびり過ごそう。
この10分は、電話がかかってきても出ないで、後で折り返そう。
そんな風に手放す勇気を持てると、そこに余裕が生まれ、豊かな時間を子どもと過ごせるきっかけになるはずです。
また、誰かに頼るという、手放し方もいいと思います。
旦那さん、奥さん、おじいちゃんおばあちゃん、ベビーシッターさん。
一人で全てをやろうとするのではなく、誰かに頼ることで、自分が抱えているものを手放し余裕が生まれる、ということもあると思うのです。
二次感情ではなく、一次感情を伝えよう
もし、仮に子どもと時間を過ごす中でイライラしてしまうことがあれば、一度とまって、そのイライラの理由に目を向けてみましょう。
そして、二次感情である怒りの感情ではなく、一次感情を子どもに伝えてみてください。
「なんでいつもママの話聞かないの!いい加減にして!!」ではなく、「◯◯と過ごせる時間とっても楽しみにしていたの。だからママお話を聞いてもらえなくて悲しい。お話聞いてくれる?」
そんな風に伝えられるといいですよね。
また、怒ってしまったら素直に「ごめんね」を子どもに伝えてみてください。
子どもはきちんと受け取めてくれるはずです。
まとめ
ここでは、まず怒りという感情に目を向けてみました。イライラの原因は実は外にあるのではなく、自分の内側にあることが分かったのではないでしょうか?
そして、その上で、お子さんと過ごす中で大切にして欲しい3つのことをお伝えさせてもらいました。
1.量より質を大切に
2.手放す勇気を持とう
3.二次感情ではなく、一次感情を伝えよう
とてもシンプルなことばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
一人でも多くの親子が豊かでステキな時間が過ごせますように。
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