4歳2ヵ月の男の子のママからの相談
うちの子は、朝が苦手です。何とか時間通りに起こしても、そこから出発までの準備にものすごく時間がかかります。だらだらご飯を食べ、歯磨きもお着替えも何をするにも「早く!」と言わないと動きません。朝から怒るのも嫌だし、「早く!」ばかり言っているこちらも気持ちのいいものではありません。どうにか「早く!」と言わなくてもよい朝の時間を過ごしたいのですが、何かアドバイスがあればお願いします。
ご相談ありがとうございます。
朝は、1日のなかで特にバタバタする時間。
相談者さんのように、イライラしてしまったり、お子さんに「早くして」と言ってしまうことに悩んでいるかたも多いかもしれません。
大人も子どもも気持ちよく1日を始めるためにはどうすればいいでしょうか?
一緒に考えてみたいと思います。
目次
子どもも大人も葛藤している
着替える。
トイレに行く。
顔を洗う。
朝ごはんを食べる。
歯を磨く。
荷物を持つ。
靴を履く。
…保育園や幼稚園に行くまでの朝の支度は、本当にたくさんあります。
特に、まだそれらの行為を自分一人でやることが難しかったり、時間のかかる時期にいる子どもたちとその親御さんにとっては、朝から本当に大仕事だと思います。
子どもは、自分でやりたい気持ちと、うまくできないもどかしさを感じ、そんな気持ちのときにママやパパから「早くして!」、「もう何度言ったらわかるの」という声がかかり、泣き叫び、さらに時間がかかってしまう。
親御さんは、子どものやりたいを見守ってあげたい、自分でやる力をつけてほしいという気持ちもある反面、家をでないといけない時間は決まっているので、どうしても子どもを急かしてしまう。
でもこの時忘れないでほしいのは、どちらも相手を困らせたい、悲しい気持ちにさせたいという思いはない、ということ。
どちらもそれぞれの立場で葛藤していることを、まずは認めてあげてほしいなぁと思います。
「具体的」がポイント!
その上で、少しでもそんな葛藤が減るには、どうすればいいのか。
色々な方法があると思いますが、ここではふたつの「具体的がポイントになる方法」をお伝えします。
①やるべきことを可視化する
先ほども言いましたが、朝の支度はやることがたくさんあります。子どもたちの中には、どんな順番で何をするべきなのかを把握することや、今自分がすべきことを理解することが難しくて、なかなか支度が進まないという状況が起きやすくなることも。
そんな時は、子どもが自分が何をするべきなのか、何がもう終わったのかが目で見て確認できるようなボードがあると、とても有効だと思います。
文字だけでなく、イラストや写真が添えられているとより分かりやすいかもしれません。
②遠くから声をかけるのではなく、そばで具体的に。
親御さんもやらなくてはいけないことがたくさんあるからこそ、どうしても遠くから声だけで子どもをコントロールしようとしてしまうこともあるかもしれませんが、その言葉では、あなたの意図や思いがきちんと子どもに届かないかもしれません。
何をどうしてほしいのか。子どものそばまで行き、具体的に伝えてあげたほうが、子どもは理解しやすいと思います。
またその時に、一方通行でこちらの気持ちを届けるだけでなく、子どもの気持ちも聞いてみることをオススメします。
「これは今からやるよ」、「ここからは手伝ってほしい」、そんな子どもの気持ちを知ることもできると、介入の仕方も変わってくるかもしれません。
大人も子どもも完璧にしようとしなくたっていい
他にも、
・寝る時間、起きる時間を調整する
・前日の間に着る服を一緒に決めておく
・大人が早起きをしてみる
・食べやすい朝御飯に変更する
・夫婦で役割を決め、子どもを手伝える環境をつくる
など、方法はあると思います。
でも、大人にも子どもにも気持ちがあるし、どうしたって眠たいとき、できないとき、イライラしてしまうとき、ぶつかってしまうときがある。
だから、わたしは思うんです。
できない日があったっていい。完璧にしようとしなくていい。
ちょっと屁理屈に聞こえるかもしれませんが、朝ごはんが食べられない日があったら、お昼までちょっとお腹が空くこともあるかもしれないけれど、その経験が子ども自身が朝ごはんは食べたほうがいいなと気付くきっかけになるかもしれないし、パジャマのまま保育園に行ってしまったとしても、誰かが困るわけではないです。
肩の力を抜いて、今日はもうこれはできないと手放す日があってもいいんじゃないかなぁと。
その分、お休みの日や、気持ちに余裕がある日に、子ども時間に合わせて動いてみたり、子どもを勇気づけるような声かけしてみる。
それができると、平日の朝の支度がスムーズにできる日や、お互いが気持ちよく過ごせる朝が自然と増えていくと思います。
みなさんが気持ちよく1日を始められますように。少しでもヒントになれば幸いです。
本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。
このライターの他の記事を読む


最新記事 by 三輪ひかり (全て見る)
- クリスマスに子どもと一緒に読みたい絵本 - 2017年12月20日
- 【保育士が教える】子どもとの「限りある時間」を少しでも有意義に過ごすには? - 2017年11月14日
- 【保育士が教える】行事いっぱいの日々で疲れ気味の子ども。どうしてあげればいい? - 2017年10月18日