4歳1ヵ月の女の子のママからの相談
イヤイヤ期も終わり、意味のわからないことでぐずったりすることが減ってきた最近の娘。成長を感じる反面、口も達者になってきて、なかなかこちらの言うことを聞かないこともしばしば。少しの注意では聞かないので、ついつい「鬼を呼んでくるよ!」や「お母さん、もう知らない」など、脅しのような言い方で叱ってしまうこともあります。いけないと思っていても、ついつい出てしまうのです。保育園などで叱る場面ではどのように叱っているのでしょうか。子どもにきちんと伝わる上手な叱り方があれば教えてください。
ご相談ありがとうございます。
子どもの叱り方、難しいですよね。お子さんが何歳になっても、叱り方については悩み、試行錯誤している親御さんが多いように感じています。また正直、わたし自身も、子どもと向かい合った時、悩むことが多い一人でもあります。
今日はそんな「叱り方」について、一緒に考えていきたいと思います。
大人に気持ちがあるように、子どもにも気持ちがある
叱るときに限らず、わたしは子どもと関わる時に心に留めていることがあります。それは、「こちら(大人)に思いや気持ちがあるように、子どもにも思いや気持ちがある」ということ。
子どもたちと関わるとき、つい、子どもが起こした行動にばかりに目がいってしまったり、こちらの思い(こうするべき、こうしてほしい)ばかりを正しいものとして伝えようと、どうすれば子どもにそれがきちんと届くのかということばかりを考えてしまいがちになります。
ですが、そもそも子どもたちにも、思っていることや感じていることがある、ということを忘れずにいたいと思っています。
こちらが叱った(叱ろうとしている)その行動も、子どもは何か理由があってやっているはず。まずは、その彼らの気持ちに向き合ってみること、気持ちを汲み取ることができるといいなぁと。
それは、別に子どもが言っていることをすべて受け入れないと、とかそういうことではなくて、繰り返しになりますが、大切だと思っているのは、子どもにも思いがあるということを、心のなかに置いておくこと。
受け入れなくていいから、受け止める。
そこで初めて、こちらの思いも伝えていいと思うのです。
もし、脅すような関わりかたをしてしまったら
今回、相談者さんは、「鬼を呼んでくるよ」「お母さん、もう知らない」など、脅すような言葉をお子さんに言ってしまう、それをいけない、と思っているとのことでした。
そう思えること、とても大事だと思います。
さっき言ったことと、少し矛盾するかもしれませんが、大人にだって気持ちがありますから、カッとしてしまったり、子どもを怒ってしまうことがあると思うのです。
毎回冷静に、叱ることができる人がいたら、それはすごいこと。だからこそ、あぁこういう叱り方は良くなかったかもと思えることが、「さっきはごめんね」と謝ることができることが、子どもとの関わりかたを改めたり、より良い関係を築くために大切だと思うのです。
ちなみに、相談者さんと同じように、わたしも脅すことで子どもたちの行動や思いを制限することはしたくないなぁと思っています。
理由はいくつかあるのですが、まず前提として脅されるってこわいですよね。子どもを一人の人として尊重した時、そのような関わり方はしたくない、と思います。
また、脅されて制限された子どもたちは、なぜ大人がその行動を注意したのか、どうしてやめなくちゃいけないのか、理由が分からないままになってしまうことが多いです。
そうすると、行動をやめる動機が「怖いから」「怒られたくないから」になってしまいますから、相手によってどんな行動を取るか変えるようになってしまったり、他者に何かをやめてほしいと思った時に、同じように脅すような関わりかたをしてしまうこともでてくるかもしれません。
子どもたちは、自分の経験のなかで、他者との関わりかたを学んでいきます。自分に思いや気持ちがあるように、相手にも相手の思いや気持ちがある、ということを、自分との関わりのなかでも子どもに感じてもらえると嬉しいなと思っています。
第一感情を伝えよう。
以前別の記事でも書きましたが、怒りは二次感情であり、その下には、悲しい、さみしい、苦しい、悔しいなどの第一感情があると言われています。
こちらの思いを伝えるときは、この第一感情を伝えるということを、意識してみるといいなと思っています。
詳しくはこちらをお読み下さい:
「【保育士が教える】子育てでイライラしないために大切にして欲しい3つのこと」
そうすることで、子どもの行動の裏に隠された本当の思いを子ども自身も伝えやすくなることもあると思いますし、より気持ちのよいコミュニケーションが取れるようになるのではないかなぁと思います。
気持ちや時間に余裕のある時だけでも、ぜひ試してみてください。少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
<同じテーマの記事紹介>
心理学を学ぶ筆者が子どもを叱るときのコツをまとめています。
ぜひこちらも併せてお読みください。
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