3歳の息子を持つママからの相談
息子が先日、わざとアリを踏みつぶしてしまいました。私は「そんなことしたらアリさんがかわいそうだよ」と言ったのですが、帰宅後、部屋の中に蚊が飛んでいたので駆除したところ、息子に「虫さん、かわいそう?」と言われてしまいました。殺していい虫、いけない虫は大人の勝手な判断だと思うのですが、子供にはどのように説明したらよいのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
「命」の大切さ。
親として子どもに伝えておきたい大切なことですよね。
どのように向き合っていけばいいのか、一緒に考えていきましょう。
「命」は殺してはいけない?
みなさんは、お子さんにどのように生き物の命の大切さを伝えていますか?
命は尊いもの。殺してはいけない。と、伝えているのでしょうか。
しかし、私たちは命をいただいて生きているし、相談者さんが言っていたように、時として命を駆除することがあります。
植物、昆虫、動物…
どの命は生かし、どの命は殺すのか。
その基準はきっと、国や文化によって違いますし、今この文章を読んでいる人ひとりひとりでも違うと思うのです。
そうすると、命の大切さを教えることってすごく難しいですよね。
だからわたしは思うんです。
教える必要はない、と。
ここでポイントだと思うのは、みんなそれぞれに「基準」を持っているということ。
例えば今回の場合は、蟻は殺しちゃいけないけど、蚊は駆除するという基準。
わたしはそこに、命に向き合うきっかけがあると思うのです。
命と向き合う“経験”が育む「基準」
その“基準”はどのように育まれていくのか。
以前、「子どもに虫は殺してはいけないと言うか?」というテーマについて書かれた記事を読み、なるほどなぁと、すとんと心に響いた考え方があります。
一部引用し、ご紹介します。
「捕まえたバッタの首をちぎること」に熱心だった時期があります。
恐らく小学3年~4年生の頃ではなかったかと思います。
そこに悪意はなく、純粋に「やってみたい」という気持ちがあっただけで、草を抜いたり、紙をビリビリと破くことと何ら変わらぬ感覚でした。
何の躊躇いもなく捕まえたそばから千切っては次のバッタを捕まえる、ということを繰り返していたのですが、ある時ふと千切ったバッタと目が合って、「あ、自分はバッタを殺しているんだな…。」という気持ちが、心にモクモクと湧いてきたことを鮮明に覚えています。そして、それきり私は捕まえた虫を殺めるということができなくなりました。
引用元:コノビー https://conobie.jp/article/7920
「虫を殺してはいけない」と子どもに言いますか?大人が困る子どもの遊びとの向き合い方
つまり、その人自身が何らかのかたちで、命と向き合うことを経験し、自分なりの基準を育んでいくのだと思うのです。
私たち大人にできることはなんだろう?
今回の相談内容や、タイトルにつけた「「命の大切さ」ってどうやって子どもに教えればいい? 」ということへの、わたしなりの結論を言うならば、『私たち大人が、教えることはできない。』です。
ごめんなさい。役にたたなくて。
でもその代わりに、経験を積む時間や、環境を用意すること、その経験を見守ることはできるかなと思うんですよね。
その「経験」は、この記事のように命を殺してしまったという経験かもしれないし、動物や植物を育てるとか、パパやママと「どうして命を大切にしないといけないのか?」と今の自分の基準(考え)を伝え合う、という経験かもしれません。
もし、お子さんが命と向き合うタイミングに今いるならば、存分に向き合わせてあげてください。
そして、ぜひ一緒に向き合ってみてください。
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