「すいっち」では、先月よりチャイルドカウンセラー斎藤の「子育てのお悩み相談」を開設しております。ここでは、ご相談いただいた内容と回答を紹介しながら、同じお悩みを持つパパママのお役に立てればと思いますので、ぜひ、ご覧ください。
今回は、5歳の男のお母さんからのご相談です。
保育園や近所の子どもグループのおともだちと遊ぶときにどうしても、おともだちが嫌がることをしてしまうようです。
たとえば、・ストライダーで激突する
・自分であげたお菓子のカスを道端に捨てる
・おともだちの洋服を引っ張ったり、叩く などなど。また、英語の習い事もしていたのですが、興奮してお友達を叩いてしまっ
たりすることが頻繁にあったので
結局、習い事をやめました。どのようにしたら、その迷惑行為をやらなくなるでしょうか?
目次
子どもがお友達がいやがることをしてしまう
今回のご相談に関して、アドラー心理学の観点からお答えしたいと思います。
アドラー心理学では、行動を「適切な行動」と「不適切な行動」に分けます。
「お友達が嫌がることをする」という行動は、「不適切な行動」ですよね。「不適切な行動」をとるとき、子どもが、その行為が「不適切な行動」とわかっているかどうかを見極める必要があります。
ひょっとしたら、どのように行動すればいいのかわからないだけかもしれませんね。そのような場合、言葉で「ダメだよ」と言うだけでなく、どうすれば良かったかを自分で考えるトレーニングをする必要があります。
英語教室でお友達を叩いたときを例にしましょう。
まず、どうして叩いてしまったのかを聞きましょう。叩いた前後の文脈をおさえるのも大切です。
そして、「それは、いいやり方だったと思う?」と尋ねてみてください。
もし、「うん」と答えたら、「わたしは、いいやり方だと思わない」と
伝えて、どうすれば良かったかを話しましょう。
5歳であれば、きっと何かしらの回答が出てくると思います。
そして、「ううん」と否定したら、「不適切」だとわかってやってしまったということですよね。そういう場合は、いたずら行為を止めるには少し時間がかかってしまうでしょう。
「不適切な行動」だとわかった上でやっている場合の3つの対処法
「適切な行動」がわからないのであれば、一緒に寄り添いながら考えてあげればいいですよね。では、「不適切」だと理解していて、そのような行為をしている場合は、どうすればいいでしょうか?
まず、お子さんの気持ちを聞いてみてください。
お友達が嫌がることをしたと聞くと、反射的に怒りたくなる気持ちが沸いてくるかもしれませんが、まず「なぜ、このような行動をとろうと思ったのか?」を聞いて、その気持ちに寄り添いながらその行動に評価をくだすのではなく、ご自身の気持ちを伝えてください。
「わざといたずらしていると聞いて、お母さんは悲しかったよ」と。
不適切な行動の前後関係を確認してください
・子どもは、どんな状況で、意地悪をするのか?
・意地悪をするときは、どんな気持ちでいるときか?
・その時の周囲の対応は、お子さんの気持ちを汲んでいたか?
少し冷静になった時に、なぜ、意地悪なことをするのか考えてみてください。
ただ、誰かに注目をして欲しかっただけなのかもしれません。忙しく働いている方で、子どもへの愛情を注ぐ時間が足りないと感じている方もいるかもしれませんが、短時間でも子どもの行為ではなく気持ちに寄り添うことを心がけてください。
その為にも、不適切な行動の前後の文脈を把握することは大切です。
「適切な行動」をとった時の気持ちにも注目
「適切な行動」をとった時に、「やればできるじゃん」と思いスルーしないようにしてください。
当たり前のことだと思わずに。
「適切な行動」をとった時にも、その時の気持ちを確認してください。
「不適切な行動」をとった時にしか反応しないと、関心を得る方法として「不適切な行動」をとりがちです。
「適切な行動」をとった時にも、しっかりと、その気持ちを受け止め、「おかあさんは嬉しかったよ」と伝えてあげてください。
いたずら行為をやめさせるというよりは、「適切な行動」を増やすという観点で子どもと対話をするのが良いと思います。
子どもはコントール不能だと気付くべき
赤ちゃんの時は、まだまだ何もできず、全てのことに親が手助けをしていましたよね。そのうち、子どもにイヤイヤ期が訪れ、子どもの行動に手を焼き始めるというステップを踏んできていると思います。
本来、イヤイヤ期は自立のスタートであり、「自立期」と言ってもいいと思います。そこで、親は、もう子どもの気持ちを尊重しコントロールを手放す時期にきていると思った方がよいでしょう。
どうしても、まだまだサポートが必要なことが多いと思いますし、自立して欲しい部分はなかなか自立しないと感じる部分もあるかもしれませんが、子どもは自分なりのスピードで自立しています。それに、大人同様、得意なことと苦手なことがあると思います。
その時に、「こうあるべき」という理屈に子どもを当てはめることだけは避けて欲しいと思います。
「こうあるべき」にあてはめ、過度に子どもの行動をコントロールしようとすると、子どもは自分の判断に疑問を抱いたり、親の顔色を伺いながら行動するようになってしまいます。
また、意志が強い子であれば、親と衝突することも多くなり、互いがストレスを溜めることになるでしょう。
子どもの行動をコントロールすることはできません。目の前ではいい子にしていても、行動範囲が広がれば、そこでの行動までは目が届きませんよね。ですから、常に子どもの気持ちに寄り添い、いつでも応援しているよという意識で接していくことが大切です。
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斎藤 哲

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