お正月に食べるもの、それはお雑煮とおせち料理。私も子どものころから毎年かかさず食べていますが、さて、おせち料理のことについて書こう、と思った時に、何を書いていいのか、さっぱりわかりません!(笑)
おせちの歴史?作り方?最近ではアマゾンやコンビニでも買えたり、高級料亭のものが買えたり、和風のものだけではなく、洋風や中華があったり、お一人様用や大家族用なんかもあり、バリエーションが豊富で、それは楽しくて便利なことではあるのですが、正直「なんだか、わけがわからないことになっている」ということに気がつきました。私たちは、何のためにおせち料理を食べているのでしょうか。
おせち料理って、何だろう?
おせに料理にある「おかず」は、それぞれ謂れがありますよね。紀文のおせち料理大事典(https://www.kibun.co.jp/knowledge/shogatsu/osechi/iware.html)によると、紅白のかまぼこは、かまぼこが「日の出」を象徴し、紅はめでたさと慶びを、白は神聖を表してるそう。また栗きんとんは、黄金色に輝く財宝、「勝ち栗」といわれ、縁起を担いでいます。このように、すべての「おかず」には、心身ともに健康で、豊かに、喜び溢れる年にしよう、そのために縁起を担ぎましょう、という気持ちが表されています。家族みんなが集まり、新しい年をよい年にしようという想いがいっぱい詰まった、希望の重箱なんですね。
しかしおせち料理は、もともとお正月に食べられていたのではありません。節句や節会の時に食べるものとして作られていた料理全般のこと。その節日のうちで最も重要なのがお正月であることから、正月料理をおせちと呼ぶようになりました。
日本料理の文化や歴史を紐解くと、私たち日本人の食事には、本当にいろんな想いが詰まっていることがわかります。例えば茶道の始祖である千利休が創った懐石料理は、お客様を最高にもてなすため、またお茶を最高に楽しむために、素材選びから調理法まで隅々に至ってこだわり抜いたお料理で、「旬の食材を使う」「素材の持ち味を活かす」「親切心や心配りをもって調理する」という三つの大原則があります。ここには、人を最高におもてなししよう、という、千利休の心が反映されています。
お腹を満たすためだけの「食事」にするのってもったいない?
私が常々思っていることでもあるのですが、食べること=栄養を摂ること、ではありません。それももちろん大事なのですが、本当に大切で、価値があるのは、その食べ物に宿る歴史や文化、想いを頂くこと。ただお腹を満たすだけに食べるのでは、私たち人間は心から満たされないのです。どんな人が、どんな想いでその料理を作ったのか。そこに想いを馳せることで、食事は2倍も3倍も美味しくなり、またカラダだけでなく、ココロを満たすものになります。昔から日本人は、そのことをよくわかっていたのだと思います。
お正月は、大切な家族が集まり、想いのこもった料理を食べ、一年の健康と幸せを願う大切な時間です。その場で供されるおせち料理は、子どもたちにこういった気持ちのことを考えてもらうことができる絶好のチャンス。
決して高価なものや、豪華なものを頂く必要はありませんが、どうかココロのこもったおせち料理を、子どもたちに食べていただきたいなと思います。
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ギール里映

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