東京のような大都市でせわしなく暮らしていると、ついつい季節の行事を忘れてしまいがちです。
日本には四季があり、それぞれの季節ではかならずベンチマーク的なお祝い事や記念日がありますが、その中でもあまりよく知られていないのが、十五夜かもしれません。
今日はそのちょっと違った楽しみ方について、お伝えしたいと思います。
十五夜ってどんな行事?
そもそも十五夜は、月が満ちる時期に、農作物の豊作を祈るために月を愛でるという行事。
しかし、大都市では空が見えない、縁側のある家に住んでいる人が少ない、農業から縁遠いなど、十五夜を祝う理由がどこにもないからです。
とはいえ、季節を感じ、こどもたちと会話しながら過ごす時間は、家族にとって至福の時間ですよね。
十五夜のお供え物
十五夜は月を愛でるものですが、最も重要なのがそのお供え物と言われています。お月見で準備するお供え物は、以下の3つ。
1 月見だんご
まんまるのおだんごではなく、少し楕円形のおだんごを15個用意します。農耕儀礼に欠かさないおだんごを供え、これを食べることで、健康と幸せを祈ります。
2 ススキ
古くから神様の依り代として考えられており、切り口がするどくなることから、魔除けとして使われています。また見た目が稲穂に似ていることから、米の豊作を祈念するため、ともいわれています。
3 季節の野菜
芋、豆、栗、くだものなど、この時期にとれる農作物を備えます。また十五夜は別名、芋名月とも言われ、稲作が始まる前に、里芋を主食に食べていたころの名残だとも言われています。
こうして日本人の暮らしは、農耕文化と共に展開し、自然の理の中で感謝の気持ちをもち、楽しむことを大切にしてきました。
月の満ち欠けとカラダの関係
しかし月の満ち欠けは、十五夜のときだけではありません。月は28日の周期で満ち欠けを繰り返します。一番満ちているときが満月、一番月が見えなくなるのが新月で、これらの満ち欠けは私たちのココロとカラダに大きな影響を及ぼしています。
女性は28日周期で月経がくるし、また現代の農家さんでも月のリズムで種まきをする方もいらっしゃるほど、私たちの生活は月からの影響が大きいと考えられています。影響の大きさを噛み砕くと、新月と満月の日は特に月から受ける影響が大きすぎて、心が不安定になったり、体調を崩してしまうことが多くなります。
そういうときこそ、お供え物をガツガツ食べすぎるのではなく、ちょっと食べない日を作ってみるのはどうでしょう。
日常生活ですっかり食べすぎることに慣れている私たち。月のパワーが最大になる新月、満月の日ぐらい、少しはカラダ、それも特に消化器官を休めてあげませんか。そしてそのためには、食べないことが一番!カラダに必要最低限の食料を入れるだけで、カラダが本来もっている機能を呼び覚してあげたい。新月、満月の日は、デトックスに最適な日なのです。
十五夜の日、お月見だんごもいいけれど、ちょっと1日、暖かい甘酒をいただきながら、ココロと体のデトックスをしてみてはいかがですか?
もちろん、お子さんでもできますので、一緒に試してみるのもいいかもしれません。
月のパワーを感じながら、また移りゆく季節を愛でながら、お子さんにとって大切なことを伝えてあげられる日にしてみてくださいね。
本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。
このライターの他の記事を読む

ギール里映

最新記事 by ギール里映 (全て見る)
- もうすぐ十五夜!あなたはどのように十五夜を楽しむ? - 2017年9月28日
- なぜ秋になると、お腹がすくの? 〜秋だからこそ食べたくなる食材とその本当の理由〜 - 2017年9月14日
- 本物を食べるってどういうこと?〜なぜ本物の味を知る必要があるのか - 2017年8月17日