【絵本専門士が教える】物語絵本から童話への移行を考えている親御さんに伝えたいこと

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絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。

前回は、「赤ちゃん絵本から物語絵本への移行するときのポイント」について紹介しました。今回は更にステップアップを目指し、「物語絵本から童話への移行」について紹介していこうと思います。赤ちゃん絵本から…よりハードルが高いかもしれませんね。そんなハードルの高そうな童話への移行を少しでも気軽にできるようになればと思っています。

【絵本専門士が教える】物語絵本から童話への移行

童話と言うと、絵が少なくページ数の多い「読み物」という印象が強くないですか?

そういう印象から、物語絵本から童話の移行というのは随分とハードルが上がっているような気がします。実際に、絵が少なくてページ数の多いものに移行しようと思っても、子どもが飽きてしまったり、読み手である保護者の方も負担に感じたりしていると、なかなか移行できないものです。

そこで、一気に童話へ移行するのではなく、徐々に移行していけるように段階を踏んでいくことがポイントです。

物語絵本を十分に楽しむ!

童話を楽しめるようになるには、基礎となるものが大切です。

この場合の基礎とは、「物語を十分に楽しめる」ということです。家を建てるにも、しっかりとした基礎があるからこそ、丈夫で立派な家が建つのと同じように、赤ちゃん絵本や物語絵本を十分に楽しめる基礎があってこそ、童話を楽しめるのです。焦らず、じっくりと基礎作りをしていきましょう!
まずは、物語絵本を十分に楽しむということで、シリーズものの絵本をご紹介します。

【あらしのよるに】シリーズ
木村裕一/作 あべ弘士/絵 講談社

出版社からの紹介文
あらしのよるに、たったひとり、みしらぬところでだれかにであえたら、ほっとしますよね。でも、そのだれかさんが、こわーいあいてだったら……。きみならどうするかな?

ヤギとオオカミのおはなしは以下続編として『あるはれたひに』『くものきれまに』『きりのなかで』『どしゃぶりのひに』と刊行されています。

こちらのシリーズは、映画化・歌舞伎化など様々なメディアで展開された絵本。

仲良くなるはずもない羊と狼。その2匹が織りなす不思議な友情物語。私も幾度となく読みましたが、毎回感動する絵本の1つです。
こちらの絵本は、リトル版・大型版・完全版とサイズ展開も豊富で、各ご家庭に合った楽しみ方ができるのも特徴の1つです。1話ごとにお話が展開されているので、読みやすく「もっと見たい」と次への楽しみになっていくのではないでしょうか?

 

・【チム】シリーズ
エドワード・アーディゾーニ/作 せた ていじ・なかがわ ちひろ/訳 福音館書店

出版社からの紹介文
船乗りになりたくてたまらないチムは、お父さんやお母さんに内緒で大きな汽船に乗り込みます。チムを見つけた船長さんは、チムを叱りつけ、ただで船に乗るなら、しっかりと働くようにと甲板そうじを命じます。チムは一生懸命働き、船乗りたちや船長さんにも少しずつ認められる存在となります。そんなある夜、船が岩にぶつかり座礁してしまいます。船に取り残されたチムと船長さん。ふたりが絶対絶命を覚悟したそのとき……。

船乗りに憧れるチムという少年の海洋冒険シリーズ。

ハラハラドキドキの全11巻の長編絵本です。少し手に入りにくい絵本かもしれませんが、試しに図書館などで借りたりして読んでみても良いかもしれません。
こちらの絵本も童話への移行のきっかけを与えてくれる絵本の1つです。読んでみると大人もチムの世界にのめり込んでしまうかもしれません。

絵が多い幼年童話から!

幼児期に読む童話には「幼年童話」と言われるものがあります。明確な定義はありませんが、絵が多かったり文章が少なめだったり…といったものを幼年童話と表現されたりします。私の中では「絵本と童話の移行を繋いでくれる」そんなイメージがあるのが幼年童話です。幼年童話と言われるものの中でも、読みやすいものをご紹介します!

【番ねずみのヤカちゃん】
リチャード・ウィルバー/作 松岡 享子/訳 大社 玲子/絵 福音館書店

出版社からの紹介文
ある家にすむ母さんねずみと子ねずみたちは、人に気づかれないよう静かに暮らしていました。ところが末の子ねずみヤカちゃんの声の大きいこと。きっと大変なことがおこるでしょう!

【ロボット・カミイ】
ほりうち せいいち/絵 福音館書店

出版社からの紹介文
カミイは紙のロボット。いたずらでわがままで泣き虫ですが力もち、幼稚園に入って大さわぎをおこします。集団生活での子どもの心理を巧みにとらえた作品。

どちらも絵が多く読みやすいのが特徴です。

ページ数も他の童話などに比べると少なく、子どもも飽きず、保護者としても童話の世界に入りやすいかもしれません。1日で全部読むのは、ちょっと大変、飽きてしまうなどあれば、お子さんや家庭の状況に合わせて、数日に分けて読むこともオススメします。

やはり大切なのは、無理強いをしないということです。楽しく読み続けられる工夫をしていきましょう!

 

親子で童話の世界を楽しもう!

物語絵本から童話への移行について参考になることはあったでしょうか?

就学に向けて…本を楽しめる子に育って欲しい…と保護者からすれば、願望を抱きがちですが、「どうやったら楽しい時間になるのか?」と模索していくことが大切です。子どもたちは、楽しいから読みたい、読んで欲しいとなります。結果にこだわり過ぎず、読む過程(親子の時間)を楽しんでみてください。それが結果的に「本好き」になっていくのだと思います。お子さんの性格や好みもよく見極めながら、絵本や童話を楽しんでみてくださいね。あっ!保護者の方も一緒になって楽しむことを忘れずに!

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大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士4年、公立幼稚園教諭6年の計10年の保育現場経験ののち退職。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、ライター・保育士・子育て支援イベントの主催や運営など様々な顔を持つ。 親子で絵本を読むとことは、コミュニケーションの1つ。子どもはもちろん、パパやママが楽しめる絵本に出会ってもらいたい。そのお手伝いができればと思います。 『【絵本専門士】がっちょの絵本ブログ』を運営
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