食事中に子どもが遊ぶということは、よくありますね。
親としては、遊んだりしないできれいに食べてほしいと思ってしまうものかもしれません。
今回は、そんな「遊び食べ」について考えてみたいと思います。
「遊び食べ」のタイプ別の対応
子どもの遊び食べには、2つのタイプがあります。
1つは、食べ物で遊ぶこと。手づかみしたり、テーブルになすりつけたり、手でこね回したり、食べ物をおもちゃのようにして遊んでしまうこと。これは離乳食期から1、2歳ぐらいの子どもたちによくみられます。
そしてもう1つは、食べている最中に他のことに気を取られ、テーブルを離れてしまうこと。これはもう少し大きくなって、3〜5歳ぐらいの子どもにみられます。
どちらの遊び食べかによって、対応は変わります。
まず、1つめの食べ物をおもちゃにする場合を考えてみましょう。
これは食べ物に興味を持ち出した子どもたちが、好奇心にかられて遊ぶのですが、まずはむやみに止めることはしないで、子どものやりたいようにやらせてあげてみてください。なぜなら、「これ、なんだろう???触ってみたい!」と芽生えた気持ちに水をさしてしまうことになるから。
お母さんにとっては汚されて後片付けが大変ではあるのですが、まずは一度、思いっきり遊ばせてあげていただきたい。そしてできればお母さんも一緒に遊びながら、徐々に「食べ物で遊んではいけない」ということを教えていくのが望ましいと思います。
そして遊ぶときにはストレスにならないように、汚れてもいい服を着せるか、エプロンをつけさせて、テーブルクロスや椅子の下にも新聞紙を引いたりして後の祭りに備えましょう。最初の周到な準備があとからのストレスを軽減してくれます。
そして2つめの、食べている途中で席をたってしまう場合を考えてみましょう。
この場合は、明確なルールを決めておくと、悩まなくてすみます。例えば、「食事にかける時間は30分」「食べなさい、と声をかけるのは3回まで」「テレビはご飯を食べ終わってから」などなど。これらのルールをはっきり決めて家族で共有しておくことで、子どもは“家族のルール”を学び身につけていきます。
「もし食べなくて、あとでお腹がすいたらかわいそう」と思ってしまいますが、これは実は心配無用。「食べないとお腹がすく」ということを、しっかりと学ぶチャンスと考えてください。
「食べないこと」は親にとっては不安
確かに、子どもがちゃんと食べてくれないと、親としては心配ですよね。それで体重が増えなかったり、身長が伸び悩んだりすると、保育園や幼稚園の先生から何か言われるかもしれない、祖父母からも「ちゃんと食べさせてるの??」なんて聞かれるかもしれない。そう思うと、お母さんのストレスはさらに増大します。
しかし、考えてみてください。
お母さんが子どもにご飯を食べさせるのは、保育園の先生のためでも、祖父母のためでもありません。他でもない、お子さんのため。
だったら、お子さんにとって一番得るものが多く、学びと実りの多い食べ方をさせるべき。
食べ物を見て触れて学ぶ、口にいれて学ぶ、食事のルールを学ぶ、家族のルールを学ぶ。実に食べることは、さまざまな学びとコミュニケーションの場です。ただただ作ったもの全部食べさせるためだけでなく、子どものココロとアタマを育てる場としてとらえてみたら、遊び食べなどそんなに重要な問題ではないことに気づくはず。
それでもどうしても食べさせたい場合は?
それでもどうしてもちゃんと食べさせたい!というのであれば、食べるものの質をとにかくよいものにしてあげてください。量が食べられないのであれば、質で勝負です。
ご飯しか食べない!というのであれば、それを無農薬のお米にしてみるとか、栄養の豊富な玄米や雑穀米にしてみるとか、食べられるもののなかで、質がよくなる工夫をしてあげてください。大切なことは厳密にカロリーや栄養素が摂れるかではなく、どれだけ生命力溢れる食材が、お母さんの手によって供されているかなのです。
9歳までの味覚は、一生ついてまわります。その間にどれだけお母さんが本物の味を伝えてあげられるかが、遊び食いをどうにかすることよりも大事なことだと思いませんか?
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ギール里映

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