この時期になるとあちこちで、着物姿の子どもたちを見かけます。
七五三の季節ですね。七五三で食べるものといえば必ず思い浮かぶのは千歳飴。私が子どものころからあり、また廃れずに食べ続けられている伝統的なお菓子について、ちょっと考えて見ました。
千歳飴を食べる意味
千歳飴は、お参りの際に神社でいただくもの。直径14.5mm以内、長さ1m以内という規定があります。円筒形で中に絵が描かれていて、どこを切っても同じ絵柄が出るように作られています。
千歳=千年の意味。つまり子どもたちの健やかな成長を感謝し、長寿を願って家族みんなでいただくものなのです。
由来には諸説あります。
江戸時代の五代将軍徳川綱吉の時代、浅草で飴売りの七兵衞さんが、紅白の棒状の飴を「千年飴」、「寿命糖」という名前で売り歩いたのが始まり、という説や、17世紀に大阪の平野甚左エ門さんが江戸にでて、浅草の境内で売り始めた、という説、さらには神田明神前の天野屋さんで売り出された、という説もあり、誰がいつ始めたのかは定かではありません。
千歳飴と似たものに、金太郎飴があります。こちらも千歳飴と同じで、切っても切っても同じ絵柄がでてくるように作られているのですが、千歳飴は長いまま食べるのに対して、金太郎飴は一口サイズに切ってあるもの。発祥はこちらも江戸時代ぐらいだと言われていますが、定かではありません。
また日本だけでなく、海外にも似たようなものがあり、Rock(ロック)と呼ばれるイギリスのキャンディーは、金太郎飴のように切っても切っても同じ絵柄がでてくるもの。こちらは19世紀に遊園地などで売られ始め、今でも海岸リゾート地でお土産として売られています。
どちらにせよ、甘いものは江戸時代には超超超貴重品。お祝いやハレの日だけに、大切に食べるものでした。
しかし今の日本では、甘いものは珍しいものではありません。むしろどうやって子どもに砂糖を食べさせないようにするかで苦労している保護者さんも多くみかけます。甘いものは虫歯になったり、太ったりするだけでなく、最近ではキレやすい子どもになる原因とも言われています。
食べきれない千歳飴を使ったアイデアレシピ
せっかくのお祝い品としていただく千歳飴。普段は甘いものを召し上がらない、というご家庭でも、こんな日には少しぐらい、ありがたく食べてもいいかもしれません。ただ、あれだけの長い飴なので、余らせて持て余してしまう、という声もよく耳にします。
というわけで今日は、簡単にできる千歳飴のレシピをご紹介します。
一番簡単なのは、フライパンにお水を入れ、飴を煮溶かしてシロップにしてしまうこと。そうするとそのままお料理に使うことができます。
しかしそのままだと少し砂糖が気になる、というママには、栄養のあるお菓子に変身させるアイデアを紹介します。
千歳飴のゴマ味噌キャラメル
<材料>
- 千歳飴 2本
- 水 60cc
- 熱湯 60cc
- ココナッツオイル 20cc
- 白練りごま 30g
- 味噌 20g
<作り方>
- 千歳飴を水で煮溶かし、加熱してカラメルソース状にします。
- そこに熱湯60ccを加えて、さらに練ります。
- そこにココナッツオイルと味噌を入れて練ります。
- さらに白練りゴマを入れて練ります。
- 粘りがでてきたら、クッキングシートを敷いたバットに流し入れて冷やします。
- お好みのサイズにカットしてできあがり。
もしココナッツの風味が強すぎると感じたら、量を減らしてみてください。
白練りゴマはお好みで、ピーナッツバターやアーモンドバターに変えても大丈夫です。
このレシピでは、白ごまのミネラル分や発酵食品でもある味噌も取り入れているので、ただ甘いだけのおやつではなくなります!
千歳飴は、子どもの健やかな成長を祝って食べるもの。
その名前のとおり、元気で長生きするために、少しでもカラダにいいものにしてあげたいですね。
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ギール里映

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