1歳6ヵ月の女の子のママからの相談
娘が初めて上手にできたことがあったり、初めての食べ物を食べてくれたりした時などに、「できたね」「食べられたね」など褒めているのですが、保育園にお迎えに行った時に先生が「今日はこんなこともできたよね~!〇〇ちゃんすごいね~!」などかなりハイテンションで子供に伝えていて、私ももう少しそういう風に伝えた方が子供に伝わりやすいのかなと思ったりするのですが、わざとらしくなるのもなんだか違うかなと思います。どうしたら上手な褒め方ができるでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
相談者さんのように、「子どものことを褒めてあげたい」と思いながらも、「どう褒めてあげたらいいのか分からない」、「わたしはちゃんと子どもを褒めてあげられているのかな」と、悩んだり不安になっていたりする方も多いのではないでしょうか。
ぜひ一緒に、子どもの褒め方について考えてみましょう。
気持ちが動かされた時に、褒めてあげたい
「褒める」ことは「叱る」ことと同じくらい、子育てのなかでどのようにすればよいか悩んでいる親御さんが多いように感じます。
きっとそれは、子どものことを肯定したり、認めたりすることは大切なことだけど、なんでもかんでも褒めてしまうと、甘やかしていると思われてしまうかも、自意識過剰の子になってしまうかも…というような不安な気持ちがあるからかもしれません。
でも、わたしは「褒める」という行為に“しすぎ”というものはないのではないかなぁと思うんです。
誰かの行動や発言、考え方や表現したものに出会って、心が動かされたときに、それを伝える方法のひとつである「褒める」という行為。
「すごいね」、「素敵」、「いいね」、「尊敬する」などの言葉のなかに。
ぎゅっと抱きしめたり、笑顔で見守ったりする行為のなかに。
きちんとあなたの心が動かされたという“気持ち”があるのなら、そのポジティブな気持ちを伝える行為は、何回あったって、どんな方法だって、どれもすごくステキなのではないでしょうか。どんどん伝えてほしいですし、どんどん受け取ってほしいなぁと思います。
でも逆に、思ってもいないのに無理に褒めることは、しなくてもいいなとも思います。
そういう時って、別のことをやりながら心ここに在らずで褒めてしまったり、何がどうすごいのか、何をどう素敵だと思ったのかを具体的に伝えられません。なんとなく相手にも、あなたのその気持ちが伝わってしまうし、お互いにとってハッピーなものは生まれないですよね。
何回褒めているのかよりも大切なのは、そこにあなたの気持ちがきちんとあるか、ということだと思うのです。
自然なかたちで伝えて
これは、“褒め方”にも同様に言えることだと考えていて、ハイテンションで気持ちを伝えるのも、淡々と気持ちを伝えるのも、そこに気持ちがあるならば、どちらも良いと思うのです。
今回の相談者さんが例にあげてくださった保育士さんの場合は、お子さんの月年齢がまだ低いこともあり、オーバーリアクションで伝えたほうが子どもに伝わりやすいと考えてそういう方法を取られたのだと思いますが、別に親御さんまでその方法を、無理に取る必要はないと思います。わざとらしいなと思いながらやるのでは、伝える側も疲れてしまいますよね。
また、言葉で伝えるのが苦手かもという方は、スキンシップを取ることで伝えたり、その行為をし続けることを止めない(見守る)ということで伝えたりすることもできると思います。
ぜひ、あなたが1番腑に落ちる、自然なかたちで伝えてくださいね。
その子に目をむけよう
最後に、わたしが普段気をつけていることをお伝えします。
それは「その子(人)自身に目をむける」ということ。
例えば、「◯◯ちゃんより、上手だね」「クラスであなたしかこれできないよ、すごい!」というような他者と比較するようなことはしたくないなぁと。
子どもたちにも、他者よりも自分のほうがよくできるということに、優越感を感じてほしいわけでもないですし、こういう視点で褒めてしまいそうになる時には、「あ、いけない。今この子のことまっすぐ見れていなかった」と思うように気をつけています。
また、「◯◯できてすごい!」ということを伝える時には、その結果を得るまでの過程の部分にも目を向けるようにしています。
結果だけにフォーカスし、褒め続けていると、褒めること=評価になってしまうと思うからです。ついつい分かりやすい結果の部分に目がいきがちになりますが、大切にしたいなと思っています。
少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
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