日頃家族の食事作りをしているパパママたちにとって、1年のうちで一番食材の扱いに気を遣うのが梅雨の時期ではないでしょうか。
この時期に気をつけたいのは食中毒。そこで、今回は、食中毒から子どもを守るために気をつけたいことについてご紹介したいと思います。
手作りは危ない?
すでにテレビでも「手作りのおにぎりが危ない」とニュースでも話題になっています。
またある幼稚園では、子どもに毎食持たせるお弁当が全てレトルト、という方もいらっしゃるそう。これは素手で触ったお弁当より変な菌が増殖しないから安心、と思う方がいるということ。「手作りのお弁当でなくてかわいそう」とも思いますが、人によって価値判断の基準は様々なのです。
食中毒が起きる原因って?
食中毒を起こすのには、いろんな原因があります。
まずはカラダにとって毒であるものを食べた場合。ふぐやきのこなど、それ自体が毒の場合です。
また、毒ではないけど異物の場合。つまり寄生虫です。魚に潜むアニサキスが有名です。
次に細菌類。サルモネラやカンピロバクター、黄色ブドウ球菌や、病原性大腸菌、ボツリヌス菌、セレウス菌など、実に様々な種類があります。
また細菌と間違われやすいものに、ノロウイルスや肝炎ウイルスといったウイルスがあります。
細菌とウイルスは、よく「バイキン」というようにひとくくりに言われますが、実は全く異なるもの。
細菌はそれ自体が生き物ですが、ウイルスは生き物ではありませんし、それぞれのサイズも違えば、増殖する過程も異なります。
食中毒になる人とならない人の違いとは?
「食中毒が増えた」という声をよく聞きますが、厚生労働省がおこなっている食中毒統計調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/112-1.html)によると、食中毒の発生率は戦後年々減少しています。これは日本の衛生環境がよくなったことと、食の安全に対して意識の高い企業や個人が増えてきたことに関係しているのでは、と思われます。
それでもやはり、食中毒になると重症化したり、時には死にいたることもあります
そして同じものを食べていても、食中毒になる人と、ならない人がいます。
この違いを生むものは、一体何なのでしょう?
ズバリそれは、「免疫力」という力。同じ菌やウイルスに感染しても、それらを受け止め、体の奥深くに入り込むのを防いでくれる、いわゆるその人の免疫機能の違いが、食中毒にかかりやすいかどうかを決定付けているのです。
食中毒にかかりにくいカラダを手に入れるためにできること
ならばこの免疫機能を高めてあげれば、食中毒にかかりにくいカラダを手に入れることができるはず。そしてそのために食べておきたいのが、なんといっても発酵食品。
味噌、醤油といった調味料もそうですが、一番のオススメはぬか漬け。
ただ食べるだけでなく、糠床をかき混ぜるという行為で、数多くの菌に触れ、体が強くなっていきます。
また、数多くの菌に触れるということは、過剰に清潔にしすぎないことも重要です。すぐになんでもあちこち“除菌”したり、常に手をアルコールで消毒しすぎることが続いたりすると、本来、菌に触れることで身についていく自然な免疫力が育たず、却って弱いカラダになってしまいます。
結局のところ、ご飯と味噌汁とお漬物という日本古来の食事をとり、適度に自然の環境のなかで遊び育つことが、誰よりも丈夫なカラダを作ってくれる秘訣なのです。
梅雨の時期だから食中毒に気をつける、というより、日頃から悪い菌やウイルスに負けないカラダをどう作るかという視点で家族の食事や生活を考えていけるといいですね。
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ギール里映

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