3歳6ヵ月の男の子のママからの相談
うちの子は、ご飯を食べている時や塗り絵など椅子に座って遊んでいる時に、他に気になることができるとすぐにその興味があるほうにいってしまいます。「終わるまで座っていようね」などと注意するのですが、そのときそのまま座っていられることもありますが、なかなか難しいときが多いです。保育園でもそうなのではと気になります。少しでもひとつのことに集中して過ごせる時間も作れればと思うのですが、何かできることがあれば教えてください。
ご相談ありがとうございます。
日々すごい早さで成長をしていく子どもたち。
「ついこの前までこんなことできなかったのに…!」と、お子さんの成長にびっくりする親御さんも多いのではないでしょうか。
しかしその反面、「あれ?どうしてこんなことができないんだろう」と、できないことに目がいってしまうことも。
「ひとつのことに集中できない」というのも、そんな風に親御さんが思ってしまうことの代表的なものかもしれません。
今日は、そんな子どもの集中について、一緒に考えてみたいと思います。
子どもの集中力ってすごい!
子どもたちは、集中力が続かない、すぐ飽きてしまうと思われがちかもしれません。しかし、実はそんなことないんです。
実際、わたしが保育園で働いていた時、子どもたちのひとつのことに熱中する姿を毎日目にしてきました。
特に遊びを楽しむときの子どもたちの集中力、熱中力は大人のわたしも圧倒されるほど。
何時間も(時には何日も!)砂場で山や川を作ったり、積み木で黙々と何かを作り続ける。絵を描いたり、本を読んだり、鬼ごっこに命をかけているような子もいました。
どうしても「集中」という言葉は、イスに座り続けるとか先生の話を聞くとか、そういうことと結びつけやすいですが、遊びのなかにも生活のなかにも、子どもたちが集中する姿ってたくさん隠されているのではないかなぁと思うのです。
ひとり一人違う、集中できること
そして、これは子どもだけでなく大人にも言えることですが、ひとり一人集中できることは違います。
じっと座りながら行うことに集中できる子もいれば、身体を動かしながら行うことのほうが集中できる子もいるでしょうし、ひとりでやるのか、複数人でやるのか、大人数でやるのか、どんな環境のなか、そのコトに取り組むのかで集中具合が変わることもあるかもしれません。
今目の前にいるお子さんは、どんなことに、どんな場面だと集中するでしょうか?
目を向けてみることで、お子さんが集中しやすい物事が分かってくるかもしれないですし、どんなことに興味があるのか、どんなことが得意なのかなど、他にも面白い発見や気付きがあるかもしれません。
心が満たされているかが、ポイント!
そもそも「集中する」ということは自発的な行為なので、周りがなかなかコントロールできないことですし、するべきことでもないと思います。
しかし、そうは言っても、食事の場面や集団生活のなかで、今はこれに集中してほしいと思うような場面もあるかもしれません。
そんな時は、さっきお伝えした「どんなコトに、どんな場面で集中するのか」ということに目を向けるなかで分かったことを、取り入れてみるといいと思います。
そしてもう1つ大きなポイントだなと思うのが、子どもの「心が満たされているかどうか」ということ。
大人が集中してほしいと思っている時間の前に、子どもがやりたいことがめいいっぱいやれる時間をきちんと確保してあげるだけで、子どもたちの姿は大きく変わってきます。
考えてみるととてもシンプルなことですが、やらされていることばかりだと、やっぱり人間疲れてしまって、そのコトに取り組もうという気持ちも薄れてしまいますが、気持ちが満たされていたり、やりたいこともできている状態だと、これもちょっとやってみようかな、頑張ってみようかなという気持ちになりやすいんですよね。
ちょっと視点を変えて、子どもの姿に目を向けたり、集中するということについて考えてみると、「うちの子は集中力がない」から「うちの子も集中力がある」に見え方が変わってきます。
少しでも皆さんの参考になれば、嬉しいです。
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