この記事を書いている今、近所の子ども達の元気なはしゃぎ声が聞こえています!
田んぼに棲む生き物を探すことが、最近の彼らの日課となっているようです。あぜ道に集まり、田んぼをのぞき込んでは歓声をあげる姿が、わが家の窓からよく見えます。
「ごはんできてるよ~!帰ってきなさい!」
誰かのお母さんの声が聞こえてきたこともありました。
好奇心旺盛な子ども達にとっては、田んぼも、魅力的で帰りたくない遊び場の一つなのでしょうね。
まして、最近の公園は遊具も充実し、子ども達が様々な遊びを通して成長する大切な場所であることは間違いありません。
「帰りたくない」気持ちにも共感すること
親「そろそろ帰ろうか」
子「え~!まだ遊ぶ!」
親「もう帰る時間だよ」
子「やだ!まだ帰りたくない!」
公園などで、毎回のようにこんなやりとりをして、うんざりしているパパ・ママもいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもへの対応も、ご家庭によって様々でしょう。
「何言ってるの!帰るよ!」と強引に連れて帰ったり、「じゃあ、あと5分だけね」と仕方なく付き合ってあげたり、「勝手にしなさい」と先に歩きだしたり…といった対応が思いつきますよね。
仕事で多くの子ども達と関わった経験から、主張を通したい時の子どもは、相手にコントロールされたくないという思いから、かたくなに聞く耳を持ちません。
まずは「かたくなにならなくてもいいよ」というメッセージを伝えましょう。
「そっか。まだ遊びたいんだね」
「その遊びが好きなんだね。もっとしたいんだね」
このように、子どもの気持ちを代弁して、共感してあげます。「あなたの気持ちはわかっているよ」と受容して、安心させてあげましょう。
この言葉かけがあるか、ないかで、その後のやりとりも違ったものになっていきます。
ただ、注意すべきことは、子どもの気持ちに共感することと、子どもの言い分を聞くこととは違います。主導権は大人がしっかりと取り、ゆずることはできないけれど「遊びたい気持ちはわかるよ」と寄り添うことがポイントです。
子どもに伝わらないのには理由があった…『あなたメッセージ』とは?
育児の場面に限らず、自分の気持ちを相手に伝えたい時、ちょっとしたコツをおさえると、より相手に伝わりやすくなります。
以前、アサーション(適切な自己表現)の勉強会に参加した時に学んだことですが、そのコツとは『言葉の主語』を工夫することなのです。これをするだけで、ずっと話を聞いてもらいやすくなるので不思議ですよ。
冒頭の、子どもが公園から帰ってくれず、困り果てている状況で言ってしまいがちな言葉をあげてみましょう。
「いつまで遊ぶつもりなの!」
「どうして言うことが聞けないの?」
「わがままなんだから!」
これらの言葉に主語をつけるとすれば、何でしょうか?
…すべて「あなた」なのですね。
このような『あなたメッセージ』はとても強い印象で子どもに届きます。矛先が自分に向いているので「責められている」と感じ、子どもが素直に受け取りにくい表現ではないでしょうか。
『わたしメッセージ』で伝える
一方、このような言い方はいかがですか。
「この後、夕食を作りたいから急いでいるの」
「わかってくれるとうれしいな」
「○○ちゃんが約束を守ってくれないから、困ってるよ」
これらの主語はすべて「わたし」ですね。このような『わたしメッセージ』は、こちらの気持ちを伝える形をとっているので、子どもにとって受け取りやすい表現と言えます。
ぜひ、この『わたしメッセージ』をどんどん使って話をしてあげて下さい。
もしパパ・ママがイライラしているのであれば、それも伝えてしまっても良いかもしれません。
「そりゃママだって怒るよ!○○ちゃんにわかってもらえなくて、悲しいよ」
このように表現すれば、子どもを傷つけることなく、こちらの気持ちを伝えることができます。
冒頭の子ども達のように、子どもは時間を忘れて夢中で遊びたいものなのですよね。
最終的にこちらの希望を(渋々かもしれませんが)聞いてくれて、遊びを切り上げてくれた時は、心を込めて「ありがとう」を伝えなければなりませんね。
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野田みや

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