突然ですが、皆さんはお子さんの食についてどんなお悩みがありますか?
お母さんの食の3大お悩み(ギール調査による)は、
1 おやつばっかり食べる
2 偏食で同じものしか食べない
3 少食
これらは年間200名以上のお母さんたちとの個別相談を通して、私が聞いて感じてきたもの。今日はそのなかでも、少食について考えます。
何を基準に「少食」と感じている?
「少食」、文字どおり食べる量が少ない、ということですが、こどもがあまり食べなくて、と心配されるお母さんはとっても多いものです。
食事を食べないのならとりあえずパン、とりあえずフルーツ、とりあえずおやつ、と、何かを食べさせておかないと心配なので、子どもが好きなものばかりを手当たり次第食べさせようとしているお母さんも多いと聞きます。はたしてこれって、どうなのでしょう?
まずはその少食、なにを基準に少ないと感じているのでしょうか。
兄弟がいらっしゃる方は、もしかしたら上の子より下の子のほうが食べる量が少ないのかもしれない。学校でお友達はいつも給食をお代わりするけど、うちの子は残してくる、ということかもしれない。またもしかしたら、レシピ本や食育本で書かれている量よりも少ないから、少ないと感じるのかもしれません。
しかしこれらの量は、あくまでも基準が”他人”。つまり他の人を基準にして「うちの子は食べる量が少ない」と感じているのです。しかし、それが本当に少食ということなのかどうかはわかりません。適量は人によって違います。これは大人もこどもも同じです。だから自分が勝手にイメージしている量ほど食べないからといって、それが「少食」かどうかは決められないのです。
そうはいっても、「うちの子、絶対に食べる量が少ない!!!」と思われているお母さんもいらっしゃるでしょう。子どもが食べない!となると、お母さんも料理をしていてもハリがないし、むしろ疲れてきてしまいますよね。せっかく作っても食べないのであれば、もう冷凍食品でいいか、お惣菜を買ってくればいいか、と簡単な方に流れがち。そういうものはこどもがよく食べてくれたりもするので、なおさら自分の料理に自信を失ってしまいます。
しかし、だからと言って、冷凍食品やお惣菜ばかりを食べさせるわけにはいきません。市販のお惣菜やレトルト、冷凍食品には、大量の添加物と、砂糖、アミノ酸が使われているので食べ過ぎは要注意です。これらは正しい味覚の成長を阻害してしまうので、これらが入っているだけで「美味しい」と脳が勘違いするのです。
では一体、どうしたらいいのでしょう。
どんなものをどのぐらい食べているか観察を!
そこでまず見極めたいのはお子さんが何を食べ、何を食べないのか。例えば同じ野菜でも、ある日ある調理法では食べるけど、別の日別の調理法では食べなかったりします。また同じ野菜や果物でも、買った場所や産地が違えば、食べないこともあります。
こどもの味覚は大人よりも数段敏感です。ほんのすこしの味や食感の違いで食べないことはざらにあります。またこどもたちは、食材自体に生命力がないものは、好んで食べたがりません。食べると元気になるものを、大人以上に選んでいます。
そのため、スーパーで買った野菜は食べないけれど、有機野菜を作る農家でのとれたての野菜は美味しそうに食べる、なんてことがざらに起こります。こどもが少食と感じているなら、まずは食べているものの質を見直すところから始めましょう。
「量より質」を大切に
そしてそもそも少食なこと自体、そんなに心配することはありません。人間も動物。お腹がすいたら絶対に食べます。
大切なことは、やたらと他人やマニュアルと比較せず、自分のこどもをしっかり見ること。そして食べさせているものの質を見直すこと。そして何よりお子さんが、心から美味しそう、そして楽しそうに食べられるものとの出会いを作っていきながら、少量でも食物の生命力をたっぷりと摂り入れることができる食材を選んでいただきたいと思います。
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ギール里映

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