みなさんは子どもの頃、誰かに叱られた記憶は残っているでしょうか。
私が叱られた一番古い記憶は、4、5歳頃、家族で食卓を囲んでいた時のことです。ふだんは優しい父が、私の食事マナーについてきつく叱りました。その時の父の声、怒った顔は今でもよく覚えています。
このように、叱ることは大なり小なり子どもの心に(場合によっては何年も)インパクトを残します。子どもの心に届く叱り方について考えてみましょう。
目次
「叱る」と「怒る」の違い
まずは「叱る」と「怒る」この二つの違いを記したいと思います。
「叱る」は子どものための行為に他なりません。社会で生きていくためのルールを、子どもの中に根付かせるために、子どもが納得できるように教えることです。
一方「怒る」はどうでしょうか。こちらは親自身の感情処理のための行為です。イライラした気持ちをぶつけると、一瞬気が晴れたように感じられるのです。
今、子どもを叱っているのか。怒っているのか。
頭の片隅で少し意識していただくと良いかもしれません。
つい言っていませんか?こんな脅し文句!
「そんなに言うことが聞けないなら、ママどっか行くよ!」
「◯◯ができないなら△△してあげない!」
育児は「時間がない」「思いどおりにいかない」など葛藤の連続であり、このような脅しを含んだ怒り方をしてしまいがちですね。子どもの恐怖心を刺激して、何とか子どもに動いてもらうための苦肉の策かもしれません。
ですが「いったん怒られ慣れたら、どんな言い方をしても響かなくなるのよね…。」と先輩ママも話していましたが、子どもが納得するように導かなければ堂々巡りになってしまいます。
誤った怒り方が子どもに与える影響とは?
脅す・けなす、などの怒り方を続けると、子どもの自尊感情が育ちにくくなります。
自尊感情とは「自分は大切で、愛されてよい存在だ」と自分を尊重する気持ちです。この感情がしっかり根づいた子どもは、自信を持つことができ、集団に入ったり、新しい物事に挑戦したりすることができます。
逆に自尊感情が乏しい子どもは、心の健康面や、他者との関わりにおいて問題を抱えやすくなります。
幼児期後半から、いつも世話をしてくれる親を「重要な他者」とみなし、親がかける言葉によって自尊感情を形成していきます。
この時期に子どものプライドを傷つける言葉をかけるのは好ましくありません。
子どもに伝わる!叱るときのポイント
ポイント①目を見る・繰り返す・ブレない
では、どのように叱ると子どもの心に届くのでしょうか。
長年多くの子ども達と接して来られ、現在は保育園長を務める方にお話を伺いました。
「叱る時、子どもとしっかり目を合わせているでしょうか。まずは子どもの目を見ることです。
そして繰り返し言って聞かせることです。一度で理解できる子は少ないですから、今は頭から抜けてしまってもいいと気楽に構えて、根気づよく、繰り返し言い続けることです。
また親自身がブレないことも大切です。その時の感情でゆるす・ゆるさないを決めず、ここからはいけない、という基準を持つことです。」
ポイント②叱る回数を減らす工夫を
また上手く叱るよりも、叱る回数を減らすことが重要だとおっしゃいます。
「事前に言って聞かせておくことが大切です。そうすれば叱る場面は必ず減ります。
危険なこと・やってはいけないことについて、あらかじめ何度も言って聞かせておくことです。そういった丁寧な関わりを続けている家庭では、自分で判断できる子どもが育っています。必然的に叱る回数も減りますね。」
登園時、急いでいても「先生の目を見てご挨拶しようね」などの言葉かけがある家庭の子どもは、しっかり育っていく印象があるとのことでした。
最近、改めて思うのですが、私は母に似ています。
雰囲気・話し方・物事のとらえ方など、笑ってしまうくらい母にそっくりです。
子どもは身近にいる大人(主に母でしょうか)を観察して、些細なところまで行動様式を学ぶのだなと肌で感じます。
子どもに怒りをぶつけてしまうと「怒ったら相手に何を言ってもいいんだな」「思いどおりにいかなければ脅せばいいんだ」と子どもは素直に学んでしまいます。
怒りを感じても、まずは深呼吸です。どんな時も落ち着いて話してみせることが、子どもにとって最高の行動モデルになります。私も娘に対してそうしていこうと思います。
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野田みや

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