5歳8ヵ月の男の子のママからの相談
もうすぐ、保育園の運動会。園では、毎日のように運動会の練習をしているようです。運動があまり得意でない、我が子はかけっこでいつもビリみたいです。別にビリでも構わないのですが、本人が全く競争心がないようで、全然気にしていない様子。親としては少しは「くやしい」とか「負けたくない」という気持ちも見せて欲しいなというのが本音。最近の子どもは競争心がないとも聞くし、このまま大きくなって大丈夫なのか少し不安です。
ご相談ありがとうございます。
ご相談者さんのように、お子さんが「負けたくないという気持ちを持っていなさそう」、「順位を全然気にしない」と、「競争心がないのではないか」と心配されている親御さんは少なくないと思います。
今回はそんな、競争心について一緒に考えてみたいと思います。
競争心って、大事?
そもそも「競争心」って、大事でしょうか。
確かに、競争心を持つことが、その子にとってモチベーションに繋がったり、競争することで、成長することもあると思います。単純に「勝つ」という行為を嬉しい、と感じることだってありますよね。
ただ、競争心について考える時に、わたしが忘れたくないなぁと思うのは、自分がやりたいことを見つけたときや、自分の好きなことに出会ったときに、「もっとこうなりたい」、「負けたくない」という気持ちは芽生えるものである、ということです。
今回相談者さんが、お子さんの競争心について考えた出来事は、運動会のかけっこでしたが、お子さんにとって、そのかけっこは「もっとこうなりたい」、「もっとうまくなりたい」と思う出来事だったのでしょうか?
もしそうではないのなら、そこに競争心を持てなくても、それは自然なことだと思うのです。
競争は全てではない
もちろん、競争心は、自分のなかの向上心を育むチカラとして有効に働くと、自分の気持ちや行動を後押ししてくれる、強い味方になってくれるものだと思います。
ただ、それを周りから強要されたり、「○○ちゃんみたいにがんばらなくちゃ」と周りと比べるものとして捉えるようになると、そのチカラは向上心ではなく対抗心として働くようになってしまうと思います。
また、子どもの劣等感や嫉妬心に繋がってしまったり、優劣でしか自分や他者のことを評価できなくなってしまうきっかけになることもあるかもしれません。
「競争が全てではない」と、まずは大人が思えることが、競争心がその子にとって良い効果をもたらすものとして作用するために、大切なのではないでしょうか。
「こうなりたい」に目を向ける
もうひとつ、わたしが子どもたちと関わるときに大切にしていることがあります。
それは、子どもたち一人ひとりのなかで起こる、「こうなりたい」、「これがもっとできるようになりたい」という気持ちに気がつくこと。
他者よりも優れていることよりも、自分自身のなかで起きた「こうなりたい」に向きあって取り組むことや、それができるようになったこと喜びを感じたり、そういう経験のなかで、成長することを楽しんでいってほしい、と心から思うのです。
お子さんの人生も、皆さんの人生も、より豊かなものになりますように。
少しでも参考になれば幸いです。
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