「◯◯がやったんじゃない!」
明らかにやったと分かる状況でも、子どもは嘘をつくことがありますよね。時に泣き喚いたりしながら。
「◯◯って褒めらたんだよね〜」
と作り話をすることもあるかもしれません。
こんなに小さいのに嘘をつくなんて…。
すぐバレるのになぜ?
子どもの嘘に怒りや不安を感じたことがある方は、ご一読くだされば幸いです。
嘘は何歳から?
次のような実験があります。
3歳児の前に、蓋が付いて中身が見えない箱を用意します。
「箱の中を見てはいけないよ」と伝えてから退室し、部屋に子どもが一人きりとなる状況を作ります。
誘惑に負けて箱の中を見てしまった子どものうち「見ていない」と嘘をついたのは38%でした。つまり3歳頃には嘘をつけると考えられます。
ですが、嘘をついた子どもに「箱の中身は何だった?」と質問すると「くまのぬいぐるみ」と正直に答えてしまいます。
「箱を見ていないから中身は分からないはずだ」と考え、嘘がバレないためにつじつま合わせが出来るようになるのは7歳頃だといわれています。
あざむいている自覚はない?嘘と「心の理論」
わが子に嘘をつかれた時、怒りや不安を感じてしまいますよね。
「なぜ親をあざむこうとするの?」
純粋であるはずの子どもにズルさを感じ、ショックを受けるかもしれません。
ですが、本人は「あざむいてやろう」と悪意を持っていないケースが多いのです。
信念操作(相手の行動をコントロールする目的で嘘をつくこと)をするためには「心の理論」を身につけている必要があります。
「心の理論」とは、相手がどうしたいのか、何を知っていて何を知らないか、など相手の心を推測する力のことで4、5歳頃から身につけ始めます。
ですから5歳頃までの嘘は、親をあざむくためではなく「怒られたくない」「構ってほしい」などの理由がほとんどでしょうか。
この場合、きつく叱ることは好ましくありません。
嘘のタイプ別対応
●空想を話す
「ぬいぐるみが歩いた」
「テレビの中の人とお話できた」
時々、幼い子がこのようなことを話すことがありますよね。
これは空想と現実の区別が上手くつけられず、心の中でふくらんだイメージを言葉にしている状態です。
嘘をついている自覚がなく、幼児であれば心の発達上自然なことのようです。「そんなわけないじゃない」とシャットアウトせずに、気長に見守ってあげても良さそうですね。
●愛情がほしいための嘘
「先生に褒められた」
「かけっこで一番だった」
このようなタイプの嘘は、親に褒められたい、もっと僕・私を見て!という気持ちが隠れていますよね。また「こんなに怖い目に遭った」のような嘘は「かわいそうに…大丈夫?」と心配し、優しい言葉を引き出したいのでしょうね。
お恥ずかしい話ですが、私も幼い頃、こんな嘘を時々つきました。
「保育園でワニに噛まれちゃった。痛かったよ〜う!」
幼いなりに具体的な設定まで考えます。
母に「大丈夫だった!?腕、痛かったね。」
こう言われ撫でてもらえると、もう満足でした。
子どもを抱きしめる・話を聴いてあげる・「どんなあなたも大好き」と言葉にするなど、「愛してる」のメッセージを3割増で伝えると良いかもしれませんね。
●自己防衛のための嘘
本当はしていないのに「ちゃんと手洗い・うがいしたよ」
自分から先に手を出したのに「◯◯ちゃんから先に叩いてきた!」
このように叱られないための嘘、きょうだい間で有利に立ちたいための嘘など、自分を守るための嘘が一番親を悩ませますよね。
このような嘘に対して「嘘をついたから◯◯はダメ!」と罰を与えたり「謝りなさい!」と詰め寄ることは逆効果です。厳格な教育が、子どもの嘘を生みやすく、また嘘を巧みにすることが研究でも明らかにされています。
今回はいけなかったね、という追い詰めすぎない姿勢であれば、子どもも嘘をつく必要がなくなります。
「うがいしたのにガラガラ〜って音が聞こえなかったよ」
「◯◯ちゃんにも話を聞いたけど、あなたと言い分が違うよ?きちんと話そうよ」
などの切り返しを重ねていくことで、いつか「嘘はバレる」と気づかせることが出来るかもしれません。
「嘘はいけない。だってね…」と言い聞かせることができる年齢までは、時に騙されたふりをしたり、上手い切り返しで矛盾に気づかせたりしながら、根気強く「嘘」につきあわなければならないのだなと感じました。子育ては試行錯誤の連続ですが、上手に子どもと向き合っていきたいものですね。
<同じテーマの記事紹介>
保育士が子どもの嘘についてまとめています。
ぜひこちらも併せてお読みください。
本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。
このライターの他の記事を読む

野田みや

最新記事 by 野田みや (全て見る)
- 1歳育児のイライラ。乗り切る鍵は…? - 2018年5月31日
- 入園・入学…頑張る子どもたちに寄り添うために - 2018年4月27日
- 就学前の遊びが学力と自己肯定感を育てる! - 2018年4月3日