「思いやりのあるやさしい子どもに育ってほしい」
そう願わない親はいないのではないでしょうか。
少なくとも私は、娘にそう願っています。
まだ言葉も話せない0歳の娘ですが、いつか家族や友達にやさしい言葉をかけ、思いやりのある行動をとってくれるとしたら、そんな幸福なことはありません。
反対に、相手を傷つけるような意地悪な言動をとったとしたらショックを受けるでしょう。
今回は、子どもの意地悪な言動への対応と、思いやりの育み方について、母親の目線で考えを記したいと思います。
「相手の気持ち」の存在に気づいていないだけ
娘の首がすわった頃から児童館に通いはじめ、ハイハイが活発な今、児童館にいない日はない娘と私。
広いホールでいろんな子どもやママ・パパとの一期一会を楽しんでいます。
さまざな子ども達との出会いの中、こんな経験もありました。
・ボールプールで娘を遊ばせていると、娘に何度もボールをぶつけてくる(3歳位の男の子)。
その子のママは「ダメ!」「コラツ!」と口だけで制止されていたけれど、ママが離れるとまた同じことをする。(結局、私が注意しました。)
・娘が共用のおもちゃを手に取ると「◯◯ちゃんの!だめ!」と言って貸してくれない(3歳位の女の子)。
その子のママは「みんなのよ」と一度なだめた後、他の子の相手へ。
(私が「ひとつ貸してくれない?」と女の子に聞いたところ、やはり「◯◯ちゃんの!」と返ってきたので、あきらめて別の遊び場へ。)
親御さんはいずれも「ダメ」「みんなの」と一言ずつ注意をされていましたが「なぜだめなの?」「みんなのおもちゃだから、どうすればいい?」という部分が伝わらず、子ども達の言動は変わりませんでした。
この子ども達、私から見て、悪意はあまり感じませんでした。
ちょっといたずらしてみたい、好きなおもちゃをひとりじめしたい…と「自分の欲求」にしたがって動くのが子どもですよね。
けれども、同時に「相手の気持ち」も存在すること。
そこを気づかせるような言葉かけが必要だなと学んだ出来事です。
「やさしい子」の親御さんの対応には共通点がある
実際に遭遇した「やさしいな」と感じた子どもの言動は次のようなものでした。
・ボールプールで遊ぶ娘に「どうぞ」とボールをひとつずつ渡してくれた。特定の色のボールを選んで渡してくれる子も。
・共用のおもちゃをゆずってくれたり、一緒に遊んでくれたりした。
・娘の頭をなでてくれたり、ぬいぐるみであやそうとしてくれたりした。
こういった場面に遭遇するとうれしくなります。
このようなお子さんには、近くに親御さんがいらっしゃって
「小さい子がいるから、そーっと動こうね」
「『どうぞ』しましょう。みんなで遊べばいいよね」
など細やかな言葉かけをされていることに気づかされます。
「うしろを見て。赤ちゃんがいるよ。どうすればいい?」
と子どもに考えさせる言葉かけをされている達人ママも!
いずれは
「うしろを見てごらん」
の一言で、うしろに赤ちゃんがいる→ぶつからないように動かなければ、と気づけるようになるのかもしれません。
やさしい子の親御さんは、こうした言葉かけが豊富だと感じます。
意地悪をやめさせることに意識を注がず、思いやりを育てるというふうにとらえた方が建設的な気がします。
親自身がモデルになる
児童精神科医の佐々木正美さんが著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)の中でこう述べられています。
『たとえば、親がわが子を思いやりのある親切な子に育ってほしい、心のあたたかい子になってほしいと願えば、こんな子になってほしいと思う様子が、子どもにたくさん、そして、よくみえるように生活していればそれでいいのです。』
親自身が、子どもの行動のモデルになることを提唱されています。
「パパ、風邪ひいてつらいんだって。果物切ってあげると喜ぶね」
などとあえて言葉にして、折にふれて子どもに聞かせるのも良いなと思いました。
以前、保育園の園長先生にインタビューした時のこと。
「何十年も保育の仕事に携わっていると、時々はっとする程思いやりがあってやさしい子どもに出会うんですよ。
親御さんに、どうやったらこんなふうに育つのですか?といつも聞いてみるのですが、特に何もしていないと必ずおっしゃいます。
思いやりを育むために特別なことはいらないと思います。
日頃からやさしい言葉をたくさんかけてあげれば十分ですよ。」
育児中は余裕がなくなることも多く、なかなか「やさしいお母さん」にはなれません。
ですが、まずは家族にひと言から、思いやりを伝えていきたいと思いました(^^)
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野田みや

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