“パパは家事も子育ても率先して行いましょう“いろんな場面で目にするフレーズだと思います。皿洗いや洗濯、子供のオムツ替えに入浴など、家事や子育ての具体的なタスクは沢山あげることが出来きて説明もしやすく内容が明確です。
しかし、パパに「ママの産後の複雑な気持ちの変化を理解しましょう」と言われたらどうでしょうか?
具体的にどのような事を理解すれば良いのかわかりづらい人も多いはずです。当然です。それを経験した私ですら上手く説明出来ません。
出産が十人十色であるとするならば、この産前産後に起こりうる様々な感情の変化も十人十色だと思います。
これは、私が産後体験した感情の変化やその時の夫とのやりとりです。
世の中にはこんなママやパパもいたりします、というような一例として読んでいただけたら幸いです。
それは突然やってきた!
それは3人目を出産して2ヶ月ほど経った頃です。それまで何も思わなかったような些細な事にイライラしたり、涙が出たりするようになりました。上の子を出産した時も産後イライラした時期はありましたが、今回はその感情が勢いを増しているようでした。常にそのような精神状態なので、近くにいる夫には私が放つイライラオーラやシクシクオーラを間近で感じていた事でしょう。
「何で泣くの?」「何をそんなに怒っているの?」と夫に聞かれた事もありましたが、自分でも分かりません(泣)
とにかく急に悲しくて急に怒りたくなるのです。そもそも、そのような事を聞かれる事自体にモヤモヤするのです。何で分かってくれないのかと。
例えば、ある日、上の子の学校の懇談会で「お子さんの様子を一言ずつどうぞ〜」と言われた場面がありました。私は開口一番「○○の母です」と言った瞬間、何故か涙が止まらなくなりました。別に感動するような場面でもなく非常に和やかな雰囲気だったのに、感情が抑えられなくなったんです。周りの保護者からしたら完全に「何故そこで泣く?」と感じたことでしょう。
また、ある時は休日、夫の行動全てが目につき許せなくなった事がありました。子供のオムツを変えようものなら「何でそんなに沢山お尻拭き使うの?」夕飯を作ってくれているのに「何でそのお皿使うの?!」といちいち何か言わずにはいられないのです。
分かってます。
何て理不尽なんだと(泣)
私も後から考えると何てひどい事を言っているんだと思うのですが、その瞬間はもう全てが目に付き、言わずにはいられないのです。つまり、自分の感情をコントロールすることができなかったんです。
それでも、急にやってくる私のイライラモードに夫も最初は柔軟に対応してくれていました。夫も言いたいことは山ほどあったはずです。実際、今改めてその時どう思ったか聞いてみたら「あの時は凄く嫌だった」と言っていました。
もしあの時、夫も同じように感情をぶつけてきたら我が家の場合は出口の見えない夫婦喧嘩に発展していたかもしれません。
なので、夫が冷静に受け止めてくれた事は本当に感謝しています。
実録!感情の大爆発事件!
日常のイライラやモヤモヤシクシクも日常化してきたある日のこと。夜テレビを見ていた夫がふと「あぁ〜眠い」と言いました。一瞬で私の押してはいけないスイッチがONされたような気がした時にはもう夫に浴びせる浴びせる、今までの不満の嵐。
「眠いって何?!こっちは夜中何度も起きてるって!そっちはぐっすり寝てるよね?!」
「毎週飲み会!いいよね〜いつでも好きな時に飲めて!」
「友達と遊びに行けていいよねー!」
もう言えば言うほどブレーキが利きません。1番高い山から一気に転がり落ちるように今まで思っていた事を勢いに任せて怒鳴り散らしました。言ってるうちに何で私はこんな思いをしなきゃいけないの?って悲しくなり涙が出ます。あまりの鬼気迫った私の言動に子供達はポカーンです。そして、いよいよ今まで黙って聞いていた夫は言ったのです。
「俺は君のサンドバックになれば良いのか?」と。
正直に言うと「そうだよ」とここまで言いかけたのをグッと我慢したのはここだけの話です(笑)
ごめんなさい。
さすがの夫もあらゆる不満を浴びせられ続け我慢の限界がきたのだと思いました。いくら産後の妻に理解をしようとしても、全てを飲み込むなんて無理ですよね。夫も人間です。嫌な時は嫌だと言う権利はあります。
そこで、私はこれはもう良い方向に進む気がしないと思ったので一旦子供達を連れて実家で過ごしてみる、という事を提案しました。
結婚してから今までどんなに意見がぶつかっても家出なんて考えた事もなかったのですが、日々襲ってくるイライラモヤモヤシクシクモードに夫も私も疲れて果てていたので止むを得ず苦肉の策でした。
雨降って地固まる?!
私からの提案に夫はしばらく考え込みました。そして、夫からはこんな提案をされたのです。「こんな風に感情が爆発した時は、次の日に話し合うのはどうかな?」と。
目から鱗だったというか、この状況で今までの私たちだったらお互い言いたい事を言うだけ言ってなかなか素直に話し合う事が出来なかったので(笑)夫からの提案は私にとって意外であり、この産後の複雑な感情の変化に戸惑っている私を受け入れてくれたような気がして嬉しかったです。
それからは、イライラモードになってしまった時は、次の日に話し合うようになりました。そうしているうちに以前のような無性にイライラしたりモヤモヤする事も次第に少なくなっていきました。
それは私が“夫の理解”を実感出来たことが大きかったのだと思います。
今思い返すと、私は コロコロ変わる感情の変化に何でこんなになってしまったのか、こんな自分が嫌だと自分自身に大変戸惑っていたように思います。
そしてそんな自分の話を聞いたり一番理解してほしかったのは両親でもママ友でもなく、夫だったのです。
この一件以来、夫婦で話し合う事が多くなりました。そして、話し合う事で相手が今何を思って何を考えているのかを伝え合ったり、それを受け止め合う事は私達家族にとって、とても大切な事だったのだと思います。
産後の不安定な時期は本当に辛かったのですが、それを乗り越える事が出来た今は前よりもっと夫婦の絆が強くなったような気がします。
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金子はるか

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