2歳5ヵ月の男の子のママからの質問
息子がおばけの絵本が大好きで、寝る前に「読んで~」と言って持ってきます。怖い存在だとおばけやオニ、怖くない存在だと妖精やサンタクロースなど、子育てをしていると実在しないものや見えないものが登場する絵本や歌などが本当に多いなと思います。先日、息子に「おばけいる?どこにいる?」と聞かれたのですが、「いるよ」と嘘をついて付き合えばよいか、「実際はいないよ」と本当のことを言った方がいいのか、困ってしまいました。どうしたらよいのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
たしかに、相談者さんがおっしゃるように、絵本や歌にはおばけやサンタクロースなど、実在しない・目に見えない存在がでてくるものが多くありますよね。
また、そういうものが、子どもたちの生きる世界の中には存在していると思える場面も、多々あるように思います。
その世界を、大人である私たちはどういうものとして捉えるか。
どのように接してあげるか。
あなたならどうするか考えながら、ぜひ読んでいただければと思います。
子どもたちは「妖精がいる」と嘘をついている?
「妖精さん、一緒に遊びましょ!」
…お子さんが急にこんなことを言い出したという経験をしたことのあるパパママは多いのではないでしょうか。
先ほども言いましたが、このように、子どもたちの生きる世界の中では、おばけや妖精といった実在しない、目には見えないものが存在する、ということが多々起こります。
では、それは子どもたちがそのような存在がいると、嘘をついているということなのでしょうか?
わたしは、違うと思っています。
残念ながらわたしには見えないので(笑)、確認することはできませんが、子どもたちが生きる世界の中には、間違いなくそういうものが“存在している”のだと思うのです。
これをよく、「ファンタジー」と言いますよね。
この子どもたちが作り出すファンタジーの世界は、ないものを存在させるだけではありません。
例えば、彼らの世界のなかでは、犬や猫がしゃべることもあるし、自由自在に空を飛べることもある。
泥だんごがとんでもないご馳走になることもあるし、見えない新しい友だちができることもある。
子どもたちは、自由な発想を持てる「ファンタジーの世界」で生きているのです。
子どもの世界を豊かにしてくれるファンタジー
わたしはこのファンタジーの世界を子どもたちにも、そして周りにいる大人たちにもぜひ大切にしてほしいなぁと思っています。
自由な発想を持つことができ、可能性を広げられる世界。
それはきっと、子どもたちの生活やあそびをより豊かにしてくれると思うのです。
実際、シュタイナー教育という教育メソッドのなかでも、「7歳以下の子どもたちはファンタジーの世界で生きている。そしてそのファンタジーの世界が、子どもの生きる力(意思の力)を育む」と言われています。
否定しないで見守ってあげたい
もちろん、無理して子どもの世界に付き合わなくてもいいと思います。
でも「そんなのいないよ」と、わざわざその世界を壊す必要もないのではないか、と思うのです。
大人が否定せずに、その世界を肯定してあげたり、その世界にちょっと参加してあげることによって、子どもの楽しさや喜びが増し、世界が更に広がることがあるのではないでしょうか。
ぜひ今しかない子どものファンタジーの世界を、パパママも一緒に楽しんだり覗いたりしてみてください。
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