「夏野菜」と聞くと、どんな野菜を思い浮かべますか?トマトやきゅうり、ナスなどでしょうか?
本題に入る前にまずは、「夏野菜」とはどんなものなのかご紹介しますね。
夏野菜ってどんなもの?
夏野菜とは、一般的には春に種まきをし、夏に収穫されるものを言い、上記3つの野菜に加えて、オクラ、とうもろこし、ニラ、ズッキーニ、枝豆、ミョウガなどを言います。
しかし、これだけではありません。
実は冬至に食べると言われるかぼちゃや、冬の瓜とかく冬瓜、一年中あるような気がしているにんにくも、実は夏に旬を迎えます。
旬のものを食べるということ
身土不二、という言葉があります。これは、身(人)と土(環境)は不二(二つではない)、つまりひとつだよ、という意味ですが、ここには「その土地のものを食べること」そして「その季節のものを食べること」という意味合いがあります。そうすることで人は自然と調和して、本来持っているカラダの力を存分に引き出してあげることができ、それが真の健康へと結びつく、という考え方です。
つまり旬の野菜を食べることは、その季節を健康に乗り切るために必要な栄養素や性質をもっているので、食べれば食べるほど元気になる、と食養、食育の世界では考えています。
これは、間違いではありません。暑い場所に暮らす人は、たとえばインドだったらカレーを食べるし、タイだったら辛いものを食べる。彼らのメニューでは、ナスやトマト、にんにくなど、カラダを冷やす食材がたくさん取り入れられています。そうすることでカラダの熱をとり、暑い気候で暮らしやすくなる工夫をしているのです。また寒いヨーロッパなどでは反対に、がっつりお肉やオーブン料理でカラダの熱を作ろうとします。季節に寄り添い、また住む場所に寄り添って食べることが、一番人にとって”自然”なことなのです。
取りすぎには要注意!
だから日本でも、この暑い夏を乗り切るために、たくさん夏野菜を食べたい!ところですが、日本の場合若干注意が必要です。
なぜなら日本人は、どんどんと肉食化が進んでいます。1960年には1人1年あたりの食肉供給量はわずか3.5キロでしたが、2013年にはその10倍の30キロとなりました。(*1)そのおかげで体温があがり、暑さを感じやすい人が増えているのか、とくに都心部ではどこも冷房が効きすぎています。熱中症になるといけない、ということで、保育園や幼稚園、学校をはじめ、電車のなか、カフェやレストラン、公共施設、どこをとっても寒い、と感じるぐらいエアコンが効いています。
しかし一歩外に出ると暑いので、冷たい飲み物をふんだんに飲み、こどもたちもついついアイスクリームを食べる。食欲がないからとさっぱりするフルーツを食べる。このような環境で、大人もこどもも体温を調節する機能(自律神経)がうまく働かず、またそのせいで熱中症患者が増える一方、低体温や貧血のこどもたちも増えているという、なんだかとっても悪循環な状態が起こっているのです。
では、どうしたらいいのでしょう。
アイスクリームを我慢する?お肉を食べるのをやめる?エアコンをつけずに過ごす?そして夏野菜を食べてしのぐ?これがもし簡単にできるだったら苦労はいりませんよね。
私たちは「だめだよね」とわかっていても、本気で食べ物を変えたり、食生活、食習慣を変えることをすごく難しいと感じるし、それを実践できる人は決して多くはありません。だけど、これだけは覚えておいてください。小手先の食材でなんとかしようとしても、根本的なところが抑えられていなかったら、せっかく一生懸命食べてもあまり意味がないのです。
もしみなさんが「どうしても、毎日のアイスだけは譲れない!」と思うのであれば、それ以上カラダを冷やす夏野菜はいらないかもしれません。選んでいるのは常に自分であることをお忘れなく!
*1 農畜産業振興機構HPよりhttps://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000814.html
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ギール里映

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