5分も一緒にいれば親友が出来ちゃうコミュニケーション上手なママたちと違ってなかなか子育て友達ができないと言われるパパたち。しかし!そんなパパたちの中でもコミュニティを作って、互いに楽しみながら育児をしている人たちもいます。
「パパコミュニティ紹介」では、全国にある様々なパパコミュニティの情報、さらには、そんなコミュニティを支えている様々な先輩パパたちの声を届けていきます。
今回は山形県を中心に活動する「やまがたイグメン共和国」で大統領を務める五十嵐健裕さんにお話を聞きました!
<やまがたイグメン共和国 基本情報>
■建国(結成) 2013年3月20日
■人口(メンバー) 約140人(コアメンバー約15人)
■入国(参加)資格 特になし パスポートもいりません
■主な活動内容 父親の「学びの講座」、親子での「遊びの講座」、子供を寝かしつけてから集まる「飲まない飲み会」、各家庭の教育に関する持論を話し合う「オヤジガタリ」など
スタートは遅れたけど、できることはある
現在、10歳の男の子、8歳と4歳の女の子という3人の子育てをしている五十嵐大統領。その上で地域の仲間を集めたコミュニティを作り運営していくのはそうそう簡単なことではないはずです。果たして、イグメン共和国建国の裏にはどんな思いがあったのでしょうか?
「実は、2012年に3人目の子どもが産まれるまでは、子育てをほぼ奥さんに任せてしまっていました。父親としての変化は段階的でした。まず、宮城県に単身赴任していた時に東日本大震災が起こり、山形で暮らす家族とすぐに連絡が取れなかったことから、家族で一緒に暮らしたいという思いが強くなり、山形に戻って3人目が産まれた後、奥さん一人ではなかなか回らない姿を目の当たりにして、少しずつ家事や育児を始めた感じです。その中で、スタートは遅れたけど、父親としてもっとできることがあるんじゃないか?と動き始めて、父親も父親ならではの子育ての悩みや思いを話し合える場を作ろうと、仲間と建国しました」
家事や育児に積極的なパパというと、最初からそういう感覚を持っているように思われることもありますが、こういった五十嵐大統領のようなケースもよく聞きます。子どもが産まれてから、奥さんの大変な姿を目の当たりにしたとき、スイッチが入る。五十嵐大統領もまさにそのパターンだったそうです。
劇薬ではなく漢方薬
いわゆる「イクメン」に山形の訛りを加えて「イグメン」にすることで山形ならではの子育てを楽しもうというメッセージを込めて、さらに「共和国」というキャッチーなユーモアも交えたこちらの基本方針とは?
「基本方針は“やまがたイグメン5か条”にまとめました。
〇子どもの笑顔を作ろう
〇妻との会話をふやしてツボを知ろう
〇職場でもっと家族の話をしよう
〇勇気を出して地域に一歩ふみ出してみよう
〇子育ては期間限定の育自時間
父親同士で話し合うことで、自分にない視点や考え方に触れ、他の家庭の子育てを知ることで多くの気づきがあります。
イグメン共和国では、外部講師を招き父親の子育てへの関わりを聞き、それをテーマに話し合う“学びの講座”、バルーンアートなどの“遊びの講座”、県内で水揚げされた魚を使った料理教室をはじめ子どもと一緒に参加できてコミュニケーションを深める場を作っています。
もちろん父親だけで集まる飲み会や、子供を寝かしつけてからアルコールをなしで語る“飲まない飲み会”、子育ての持論について語り合う“オヤジガタリ”など、遊びから勉強までいろいろな情報交換をしています。
さらにはこういった活動や思いを多くの人に広げるために、地元FMラジオ番組『子育て応援ラジオSmile box』に出演したり、ホームページでの活動紹介などもしていますが、まだまだ広がりは足りないと感じています。山形は三世代同居率が日本一で、子育てを祖父母に手伝ってもらえる環境がある人も多いですが、それでも徐々に核家族化が進んでいます。一方で女性の就業率は以前から変わらず全国トップクラスなので、父親の家事育児参画は重要なんです。ただ、今まで長く続いてきた意識や生活スタイルを変えるのは簡単なことじゃない。だから劇薬を使って一気に変えるのではなく、漢方薬のように、ゆっくり徐々に浸透させていく必要があると思っています」
早起きして作る育児時間
積極的な活動をしている一方、公務員として働く五十嵐大統領。忙しい中ではどのように時間を作っているのでしょうか?
「とにかく早起きをしますね。まだ誰も起きていないうちに起きて、家事をやったり、イグメン共和国のことをやったり、それから自分の時間に充てています。早朝のランニングはストレス解消にもなるので欠かせません。公務員というと時間がある、というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際はそうでもないですよ(笑)まずは自分の職場から働き方改革が必要かな。実際に子育てと仕事を両立するのは大変です。でも、子どもの成長で気づかされることも多いし、他の家庭や地域との関わりの中で広がる世界もあります。いつまでも子どもの目線に近くて本気で楽しめる男性ならではの“わくわく”や“やんちゃ”な精神を持っていたいですね。」
世間ではだいぶ破天荒な大統領が良くも悪くも話題を振りまいているご時世ですが、穏やかに、それでいて芯の強い思いを持って改革を進めようとしている五十嵐大統領。地域よって抱える課題はいろいろあると思いますが、まずは自分が暮らすところから一歩踏み出していくというのはどうでしょうか?
やまがたイグメン共和国(「やまがたイクメン応援サイト」)
http://ymsc-ikumen.net/
FJ東北ブログ(東北6県の各県理事がローテーションで掲載)
http://ameblo.jp/fathering-jp-tohoku/
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杉山ジョージ

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