兼業主夫放送作家の杉山ジョージです。1976年生まれ。不惑のはずが惑いまくっている40歳。服飾デザイナーの妻、アヤコとはいつの間にか結婚16年目に突入。子どもは二人。いずれも女子。この連載では主に、中学校1年生の長女なっちゃんとの経験と、そこで得たもの、失った(?)ものなど、一般的に難しいと言われる“父と娘”の関わりを綴っていきます。
父と娘だから良かったこと、父と娘だから困ったこと、特に娘を持つパパさんや、習い事を頑張るお子さんがいる方に、もしかしたら参考になるかもしれないいけど…、ウチの娘、かなり個性的なので参考にはならないかも…(苦笑)まあ、気軽にお付き合いくださいませ。
先日、次女のたまちゃんを連れて、水泳教室の体験に行って来た。友達もいないところなのにすんなり打ち解ける辺りは次女の強さなのか?性格か?習い事と言えば、なっちゃんは今でこそ、365日休みなくバレエ漬けの毎日なのだが、実は最初からそういう風にはいかなかった…というわけで最初の習い事のお話。
なっちゃんも最初は水泳だった
今のたまちゃんと同じ、なっちゃんが年中さんだった時に初めて習い事をさせようという気になった。ともに20代だった僕ら夫婦にもようやくそういう余裕が出てきたということかもしれない。
選んだのは「水泳」。
もちろん習い事としては定番でもあるが、一番の理由は水難事故に遭った時に泳げることで助かる可能性があがるのではないか?という極めてシリアスなものが大きかった。その辺は心配性の亜矢子らしい考え方でもある。もともと保育園でも泳いでいたし、水を怖がる方でもなかったので、まあ大丈夫かなと。体験に行った時は明らかに緊張していたけど、そこまで嫌がる感じでもなかったので、入会自体に支障はなかった。
このまま順調に行くと思っていた…
親バカ目線ではなく運動神経は悪い方ではない。足も速かったし、跳び箱も縄跳びもクラスでできる方だった。もちろん水泳に至ってもかなり順調に進んでいった。同じスクールにクラスの友達が数人いたこともあったし、何より、練習終わりにワゴンで売られる駄菓子、特に「ヨーグル」が大好きだったので、しばらくは何事もなく通い、順調に進級する姿を見てきた。
しかし、ある時、きっかけはよく分からないがどうにもプールに行こうとすると、それとなく嫌がるような感じになってきた。なっちゃんはそれほど「イヤイヤイヤ!」と叫ぶタイプではないので「今日はちょっと行きたくないなー」とか言いつつなんとか逃げようという浅はかな作戦を仕掛けてきたのだが、毎回、なんとか捕まえてプールまで連行していた。
そして、プールまで行ってしまうと、最終的にはご機嫌で「ヨーグル」に興じて帰って来たのだった。
実は、僕自身もそうだった
思えばその頃、進級テストに一発合格できなくなっていた。きっと幼いながらに壁を感じていたのだろう。
実は、そういう思いには心当たりがある。僕の一番上の兄は市の大会で記録を出すほど水泳が得意だった。それを見ていた僕は、自分もそのくらいできるものだと思っていた。でも、実際はそういうわけにはいかない。今思えば当たり前なのだが。うちの両親はそんなことで比較するタイプではないので、両親に否はないと思う。でも、自分自身、納得がいかなかった。そして次第に水泳をサボるようになり、近くの神社で友達と遊んで水着だけ濡らして帰っていた。
ま、すぐにバレましたが(汗)ついでに言うと、これでこっぴどく叱られるならまだしも、母ちゃんは「お前は本当によく思いつくな。」と変に感心されたものだ。
さて、話は戻って水泳に行かないなっちゃん。こちらの作戦は、買ってあげる駄菓子の数を増やしたり、終わった後に友達とちょっと遠くの公園に行ってあげたり、最終的には、それまであまり行かなかったマクドナルトへ、スクールが始まる前に連れていくという、基本的には「ニンジンをぶら下げる」タイプのものでなんとかしていた。しかし、効果は長続きしない。マクドナルドからプールまでのわずか5分の間で車の中で爆睡(のふり)をしてなんとかやり過ごそうとしたり、どちらかというと貝に閉じこもるような方向に向かってしまったのだった。
ニンジン作戦を経て、話し合いに
その頃になると、もうすぐ小学生というくらいになって、かなり話せる内容が深くなってきていたので、行きたくない理由こそ明確に聞き出せないものの、行きたくないということだけはハッキリ言うようになっていた(もしかしたら、自分でもはっきりと言葉にできるほど理由が明確ではなかったのかもしれない)。
そこでちょっと考え方を切り替えた。行きたくないという気持ちをそらしたり、否定するのではなく「とりあえず行くだけ行ってみよう。やってみて嫌だったらその時は反対しないから帰ってきていいよ。」と言って連れていくようになった。
なっちゃんの中で少しだけ納得してくれたのかもしれない。
それからは毎回必ずプールまでは行けるようになった。もちろん毎回最後までレッスンを受けることができるわけではなく、プールの前で「帰る」と言い出すこともあれば、レッスンの途中でギブアップしたこともあった。でも、その割合は前よりも減った。
最終的には、目標にしていた平泳ぎまでの習得と、バレエで選抜クラスに入ったこともあって、なんとかプールバトルは幕を閉じた訳だが、正直なところ、その時のなっちゃんを見ていた僕としては「バレエもいつまでもつかな…」と懐疑的だった。
それが今となってはケガをしていても見学に行くほどに。
「嫌だ」という時に頭ごなしに否定しない方がうまくいくときがあること。それから、一つの習い事がいまひとつでも他に向いているものがあれば、結構大丈夫なこと。親として学ばせてもらったなと感じている。もしかしたら、他の子にも言えることかもしれないので、習い事をやらせてうまくいかなくても将来までは悲観しないでいいと思う。
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杉山ジョージ

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