「あなたにとってはちいさなこと。 あのこにとってはだいじなこと」
このサブタイトルに、子どもと、大人の意識の違いが如実に表れていると思う。
先日、見ていたドラマで、「大人は勝手なのよ、そんな、わかりきったきったこと言わないで!」というセリフを、確かにな~と思ったことを思い出した。
子どもには、衣食住の自由すらない。すべては親に、ゆだねられている。着るものは親が決め、食べるものも親の考えている範囲で決め、住む場所もすべて親が決める。親が引っ越すとなれば、子供は嫌でも、選択肢はなく、仲良しの友達とも突然引き離され、ついていくしかない。
これが、大人と大人の関係なら?
例えば夫婦。
夫が、妻の着る物を決めて、食べるものも夫が決めて、住む場所も夫の意思のみで決めて、それを何年も続けていったら、妻の気持ち、ストレスはどれだけ溜まっていくことだろう?
大人は勝手で、子供は無条件で大人の勝手に振り回されてしまう存在である。そして、大人はそれを「当たり前」のことだと思っている。
そして、ほとんどの場合、子どもの勝手な振る舞いは、非常に狭い範囲で小さなことばかりだけど、その中に、子供の気持ちの中で重要なこと、譲れないこともあるのではないでしょうか。
約束は、簡単に破ってもいいの?
父親から「仕事が入ったから遊べない」と告げられた時、悠太にとっては「絶望」しかないですよね。
友達に誇らしく話していた、すっごく楽しみにしていたパパとの時間。それが、父親の一言ですべてが崩れ去ってしまったんですから。
悠太の中では、「自分より、仕事の方が大切なんだ」と思わせるには充分大きな出来事で、それを、父親は感じもせずに、すぐに持ち帰った仕事に取り掛かる。
この出来事で、悠太が感じることって何だろう?
自分の存在が、仕事よりも軽いんだと思い、約束は守らなくてもいいんだ、ということが幼い心の中に刻まれたと思います。
親が、約束を守りなさい、規則を守りなさい、ルールを守りなさい、と言っても、そこに説得力はなく、どこか違和感があるまま、子供は受け入れていくようになるのではないでしょうか。
だって、一番尊敬する、一番大好きな、親が、自分との約束を、守ってくれないんだから。
状況が変わっても、自分の行動を変えることができない父親でいいの?
第1話を見ると、わかるんだけど、共働きの家庭で、父親は仕事ばかりを目いっぱいやっていて、家事も育児もすべて奥さん任せになっている。もちろん、奥さんも仕事をやっているのに。
こういう状況の共働き家庭は多いようですが、今、自分が置かれている状況を冷静に見ることができているのかなと感じることがあります。
独身の時と、結婚してからでは、生活が変わりますから、夫婦ともに、独身の時のままの意識、行動のままでは、色々な部分にひずみが出てきて当然です。
独身から結婚への段階では、まだひずみは非常に小さなもので気づきにくい部分がありますが、その次の段階、子供ができてからは、どうでしょうか?
生活が、大きく変わります。 大きく変わる=大変ということです。
生活が大きく変わるので、父親母親共に意識、行動が変わるのが当然なのですが、なぜか、日本では母親の意識、行動が変わるだけで、父親はそのままという家庭が多いですよね。
その根底には、母親が家事育児を担うという、決して良いとは言えない社会意識があるわけですが、それが、共働き家庭でも当然のようにされているのが現実です。
母親はやりがいがあって働きたいと思っても、時短勤務など、仕事をセーブしなくては、育児家事ができませんから、自然と意識も行動も変わるわけです。
父親は?
なぜか、仕事の残業ペースも変わらず、会社の飲み会にもフル出場、結局、平日は遅くに帰ってくる、休日はごろごろしているなんて言う父親がいまだに多いのも事実です。
今変わらないと、自分が思い描く未来が変わってしまう?
このままでいいのか?
このままだと、どうなるのか?
働きたい母親は、働きたい気持ちを抑えて、育児家事を一生懸命こなしている。
父親は、育児も家事もせず、ただ、働いて、お金を運んでくるだけ。
そうなると、夫婦間の気持ちにもギャップが見られ、会話もかみ合わなくなってきます。
意識も行動も変えて、生活も大きく変わった母親と、何も変わらない父親、話も合うはずがありません。
父親が家事も育児も協力してくれないという、ごく一般的なママの話ですが、
「子供が大きくなったら絶対に離婚する、あんな男だと思わなかった」と公言しています。
その、パートナー、旦那さんと話をしてみると「うちは家のことは妻に全部任せているし、しっかりしてるから心配ない」といったように、何も気づいていない、何も意識していないパパがほとんどという悲しい状況です。
せめて、子供ができたら、子供としっかり向き合える、妻と家族の未来を語り合える男、父親になりましょう、と心から思います。
そのためには、今までの働き方のままでいいのか?少しずつでもいいから、行動に移していってもいいのではと思います。
子どもが、パパと遊びたい、と泣いてくれるのは、本当に小さなうちだけです。
子どもから父親を求められているときに、父親にならないと、一生、子供に父親とは思ってもらえないままになってしまうかもしれませんよ。
本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。
このライターの他の記事を読む

坪井 博一

最新記事 by 坪井 博一 (全て見る)
- 男性国会議員の育休取得に対する反応を見ると、今の日本を窮屈にしている原因がわかる!? - 2015年12月29日
- サイボウズワークスタイルドラマ声 第2話「悠太」を見て~父親って何だろう?~ - 2015年12月16日
- 資生堂ショックは、子供がいる共働き家庭にとっては絶好のチャンス? - 2015年11月27日