「家族を笑顔にしたい」と願っているのに、なぜか子どもとよい関係を築けていないと感じているパパ。一生懸命がんばっているのに、愛しているはずの妻との関係が徐々に悪化していると感じているパパ。そんな、悩めるパパのための本ができました。
はじめまして。編集者の酒井徹です。わたしが編集した『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(熊野英一著、小学館発売、2018年、以下本書)は、『嫌われる勇気』で知られるアドラー心理学を応用し、子育て中のパパのモヤモヤをロジカルに解消する本です。
今回は、本書の内容を引用しながら、アドラー式子育てについてご紹介します。
まず、子どもの気持ちを考えてみよう
パパのよくある悩みのひとつに、「子どもに『ママがいい』と言われる」があります。すいっちの記事(「パパだって悩んでいる!!パパの家事育児のお悩みベスト5」)でも2位に取り上げられていますが、本書では、「ママがいい」と言われたときの対処法を、アドラー心理学の理論をベースに解説しています。以下に引用してみましょう。
せっかく、前向きに育児に取り組もうと思っていたのに、「おいおい、少しはおれの気持ちもわかってくれよ!」と、へこみますね。でも、ちょっと待って。子どもも、同じふうに思っているかも。「僕(わたし)の気持ちもわかってよ!」と。
いつも一緒にいてくれて、ほっぺもツルツルしていて、いいにおいがする、ママのほうがいいに決まってるでしょ──。パパと子ども、どちらも自分の気持ちをわかってもらいたい、「共感」してもらいたいんですね。
では、パパと子ども、どちらが先に共感を示したらよいのでしょうか。子どもは、親の背中を見て育つのです。冷静に考えたら、おのずと答えが出るのでは?
では、共感とは、どういうことをさすのでしょうか?
アドラー心理学のキーワード「共感」とは
本書では、次のように説明しています。
相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じてみてください。自分から魂を幽体離脱させて、相手に憑依するようなイメージですね。これが「共感」であり、「つねに、自分から」共感を示すことを「共感ファースト」といいます
上記を参考にして、子どもに「ママがいい」と言われた際の、具体的な声かけの仕方を考えてみましょう。
子ども「ママとお風呂がいい!」
パパ「そっか。○○ちゃんはママとお風呂に入りたいんだね」
パパ「でもね、ママは今、お片付けをしてるんだ。だから、パパとお風呂に入ろう」
子ども「やーだ!」
パパ「そうだよね。ママと一緒にいたいよね。じゃあ、お風呂から出たあと、ママにギューッてしてもらったら?」
子どもの発達の段階や、そのときの機嫌によっては、どうしても聞き分けられないこともあるでしょうが、「『ママがいい』と言われたら、もう、オレにはどうしようもない」と決めつけなくても大丈夫、ということです。ちょっと希望がみえてきませんか?
共感と信頼の先に、「パパが(も)いい」がある
最後に、おさらいしてみましょう。
まず相手が「どんな気持ちでいるのか」を聴いてください。解決策はそのあと。この順番が大切です。共感により「わかってもらえた」と確認できて初めて、解決策に取り組む勇気をもてるようになるのですから
子どもとの信頼関係は、じっくりと育むもの。「パパが(も)いい」は、その先にあります。仕事で、顧客との関係構築をていねいに積み上げていくのと同じことですね!
まず、自分から共感を示す(共感ファースト)。そのあと、解決策を提示してみる。その積み重ねで、子どもとの信頼関係が育まれていく――そうすればきっと、子どもの笑顔もママの笑顔も増えて、そして、あなたの笑顔も増えていくと思いますよ!
『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』
https://www.shogakukan.co.jp/books/77803537
本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。
このライターの他の記事を読む

酒井徹

最新記事 by 酒井徹 (全て見る)
- 【自己肯定感のトリセツ】「俺は父親失格だ」「私ってダメな母親だなぁ」と感じることはありますか? - 2020年1月6日
- 【自己肯定感のトリセツ】子どもの「感情」を肯定していますか? - 2019年11月15日
- 【自己肯定感のトリセツ】子供の自己肯定感を高めるには、親はどうすればいい? - 2019年10月30日