2016年にライオンが行った調査によると、男性が家事に前向きになれない理由について1位は「やっても文句を言われる」(わかる・・・という声が聞こえてくる気がします汗)続く第2位は「やり方がわからない」でした。
いずれも、パパたちからの「わかる・・・」という声が聞こえてきそうなもの。そして、この二つの理由は一見、まったく別物に見えますが「やり方がわからないから、なんとなく考えてやる」⇒「どうやら妻とはやり方が違う」⇒「やったのに妻から文句を言われる」というフローがあるように感じます。
そう考えると、まずは家事のやりかたをちゃんと知る事が、両方の解決に繋がるのではないでしょうか??
そんな中、主夫の認知拡大&男性の家事育児参画の推進を目的に活動する「秘密結社主夫の友」が行ったのが「パパ家事サイエンス講座」
公益財団法人「1moreBaby応援団」の助成事業として行われたこちらは、かつて家事のウラ技などがテーマのテレビ番組で監修を務めたこともあるエフシージー総合研究所の研究員を迎えて、文字通り「サイエンス=科学」的な見地から家事について学べるセミナーです。
平日の夜、スーツ姿のパパたちが40名近く集結。会場にはなかなか貴重な光景が広がります。今回のテーマは二つ。「水回り掃除」と「寝室の環境対策」です。それぞれ50分という講義にはもう様々な知識が満載でしたが、今回はその中でもそれぞれカギとなるワンポイントをピックアップします!
「弱酸性」「中性」「弱アルカリ性」を使い分ける!~水回りのコツ~
エフシージー総合研究所・生活科学研究室の山田雄太先生によると、汚れを落とすための要素は3つ。「汚れを浮かせる“界面活性剤の力”」「こすり落とす“物理的な力”」そして「化学的な作用で汚れを分解する“酸・アルカリの力”」。
酸性、アルカリ性。久しぶりに聞くパパも多かったのではないでしょうか。
家のお風呂やキッチンといった水回りを思い出したときに、果たしてそこに何種類の洗剤が用意されているでしょうか?もしかしたら1つか2つくらいと言う人も結構いるんじゃないでしょうか?
ところが、そこがポイント。汚れによって効果的な洗剤は違うのです。つまり洗剤を使い分ける事が重要なのです。
例えばお風呂の場合。
■普段のお手入れ的な掃除 ⇒ ある程度万能な中性洗剤
■水垢などの頑固な汚れやカビ ⇒ 弱アルカリ性の洗剤
■壁や床の白い汚れ ⇒ 弱酸性の洗剤
弱酸性はあまり使わないことが多いのですが、石けんかすには効果的だそうです。お風呂のイスは石けんかすが残りやすいからこちらですね。ただし、洗剤が混ざってしまったときに出る塩素ガスには注意しましょう。
続いて、キッチンの場合。
■普段のお手入れ的な掃除 ⇒ 万能な中性洗剤
■なかなか落ちない汚れ ⇒ 弱酸性の洗剤
■カビなどが生えてしまった場合 ⇒ 弱アルカリ性の洗剤
キッチンの汚れは炭酸カルシウムなどの無機物系が主成分となるので弱酸性の洗剤が有効だそうです。
ついでに覚えておきたい事として一つ。
お風呂の鏡、キッチンのシンク、この二つについては水垢も含めて汚れがついてしまうと落とすのが大変なので、とにかく使ったら拭き上げる事で予防をすることが大事だということです。
さあ、続いては「寝室」
エフシージー総合研究所・暮らしの科学部長の川上裕司先生によると、寝室は放っておくとアレルギーの原因となる物質「アレルゲン」の温床になってしまう危険な場所。しかも、鼻呼吸よりも口呼吸になりがちなので、そのアレルゲンをダイレクトに取り込んでしまうというのです。
川上先生は次から次へとそのアレルゲンに関するスライドを映し出し、参加者を驚かせます。ちなみにこの日はその物質を実際に見る事ができるようにと、会場には顕微鏡が設置されました。
室内における5大吸入性アレルゲンとして「ダニ」「カビ」「犬や猫のフケ」「虫」「花粉」が挙げられますが、寝室に置いて重要になるのはダニ・カビ。
まず、今すぐ出来るダニ対策は・・・ローテーション。
寝具に繁殖しやすいダニは、当然、こまめな掃除が効果的。
加えてオススメなのが、ベッドのマットレスを表裏、上下を入れ替えるローテーション。これを2週間に1度くらい行う事で、ダニの繁殖具合はかなり変わってくると言います。
ちなみにダニは春から秋の暖かい季節にかけて活動が活発になるので、冬は大丈夫!と思っている皆さん!最近は家が寒くなりにくい高気密・高断熱になっているので、冬も気が抜けないそうです。
続いて、カビ対策のポイントは・・・加湿器を使いすぎない事。
こちらもこまめな掃除は大前提。加えて、空気が乾燥する冬。喉のケアを考えたり、ウィルスの繁殖を抑えるためには加湿が重要。それはもちろん間違っていないのですが、先ほども書いたようにいい間の家は、密度も高いので、そこまで神経質になって加湿しないでも大丈夫。むしろ、加湿しすぎてしまっている家が多いそうです。
例えばインフルエンザのウイルスが活発になるのが湿度40%以下に対してカビが活発になるのは80%以上。(実はダニも70%以上になると活発になるそうです)つまり、寝室の湿度のベストは40%から70%なのです。密閉度の高い部屋で寝るときから起きるまで加湿器をつけっぱなしにすると湿度もかなり上がるので、要注意。
結露がするほどの加湿は、むしろカビの温床を作っているようなものだそうです。風邪を防げてもアレルギーになっては意味がないですよね・・・。
まとめます。
★水回りについては、お風呂とキッチン、それぞれの汚れを理解して、対応した洗剤を使う事。
★寝室については、ベッドのマットレスをローテーションする事と、加湿器を使いすぎない事。
働き方改革などが行われても男性の家事育児参画がなかなか進まないと言われる中、ほんの少しでも動き出すための知識を持つ事は重要ですよね。こういったことをきっかけにして、前向きに望めるようになれたら、また家庭の雰囲気もクリーン(?)になっていくのかもしれませんね。
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杉山ジョージ

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