5分も一緒にいれば親友が出来ちゃうコミュニケーション上手なママたちと違ってなかなか子育て友達ができないと言われるパパたち。しかし!そんなパパたちの中でもコミュニティを作って、互いに楽しみながら育児をしている人たちもいます。
「パパコミュニティ紹介」では、全国にある様々なパパコミュニティの情報、さらには、そんなコミュニティを支えている様々な先輩パパたちの声を届けていきます。
今回は三重県四日市市で活動するパパサークル「パパスマイル四日市」で会計を務める、岸田諭祀さんにお話を聞きました!
<パパスマイル四日市 基本情報>
■設立年月 2014年
■現在のメンバー数 約30人
■参加入会資格 四日市市子育て父親のマイスター養成講座修了者及び申込者
※イベントによっては一般参加も可能
■主な活動内容 子育て支援センターで「よかパパ相談員」としての活動、やきいも、花見、いちご狩り、ハイキングなどのイベント
講座受講生の同期会から生まれた“全体会”
最近では自治体が主催する子育て講座を見かける機会が増えているように感じますが、岸田さんが暮らす三重県四日市市では「父親の子育てマイスター養成講座」が行われているそうです。ここから生まれたという「パパスマイル四日市」その経緯はどのようなものだったのでしょうか?
「父親の子育てマイスター養成講座」は、来月、8歳になる二男が生まれたころにスタートして、僕は1期生です。子育てや夫婦のパートナーシップ、遊び方、料理などいろいろなことを教えてくれて、修了した後は子育て支援センターで“よかパパ相談員”として読み聞かせなどをしています。現在8期生を募集中なので、結構続いていますね。
一方で、同じ時間帯にはママ講座もあったり、子どもたちも託児で一緒に遊んだり、結果的に家族ぐるみで仲良くなれる取り組みです。その結果、同じ講座で学んだ仲間たちと同期会的なパパサークルが生まれたんです。それが歴代続いてきたのですが、2014年にせっかくなら全部をまとめた会を作ろうということになって、今のパパスマイル四日市になりました」
転勤族にとって渡りに船だった
本当に理想的な流れで成立しているように感じますが、その背景には、四日市市の特徴も一つの要因になっているようです。
「四日市は、工場が多くて、転勤で住むという方が非常に多いんです。そうすると慣れない街で、頼れるおじいちゃんおばあちゃんも、ママ友やパパ友もいないという方が結構いるんですね。そういう人たちにとっては本当にちょうどいい存在になっているんだと思います。
転勤というと、いつかはその街を離れてしまうので地域にとっては悩ましいところのように思われがちですが、転勤で来た方たちがその地域を好きになってくれると、次に来る同じ会社の後輩や同僚にもどんどん受け継がれていくんです。そういう流れができることはすごくいいことだと感じています。転勤って家族にとってはとても大変だと思いますが、それが少しでも軽減できれば、私のように地元出身のものとしてもうれしいです。
こういう活動を通じて自分が育った街に少しでも恩返しをしたいと思っていますし、住んでいる街がいい街になればいいというのは自分の人生のポリシーでもあるので」
知らないことだらけだった子育てを救ってくれたパパ友ママ友たち
2度の育休を取り、現在小学校5年生と2年生の男の子を子育て中の岸田さんの仕事は公務員。長男が生まれ、最初に育休を取ったときの経験をこう振り返ります。
「育休を取った理由はいくつかありました。一つは自分が子育てをしていないのに、保育園の入園の相談などをするのはどうかな?と思っていたこと。そしてもう一つは育休後に辞める人を何人も見てきて、働こうと思えば働けるはずなのに、なんで辞めちゃうんだろう?と思ったことです。
もともと子どもが好き、というわけではなかったですが、子育てに興味がわいていた時で、仕事の経験上、一人くらい部署から減ってもなんとか回るという感覚もあったので、自分も取ってみようと思ったんです。
そして、育休初日にもう洗礼を浴びました。朝、妻を見送った後、子どもが泣き始めたのですが、そこから3時間、何をやっても泣き止まない。途方に暮れていたところに昼休みのために妻が帰っていたらピタッと泣き止んだんです。もう(妻が)神に見えましたね(笑)同時に子育てってなんて大変なんだろう!ということを実感しました。
特に料理は苦戦した思い出が強いですね。毎日メニューを考えるのも大変だし、わからないことだらけ。しかもわからないことがあってもどこに聞いたらいいのかすらわからない。今、パパ友やママ友がいて情報交換できることは本当にありがたい限り。一人でやっていたからこそありがたみがわかります。また、ちょっと時代が変わったようにも感じます。一人目の時に子育て支援センターに行ったときは、他にパパもいないし、ママたちの反応も含めて場違いな感じがしましたけど、今はそれがない。ありがたいことです」
“イクメン”という言葉が浸透していなかった10年前に育休を取り、子育てを現場で体験したからこそ深く実感できる仲間の存在。こういうパパの存在が環境を変えていく原動力になると感じます。
最後に、もう一つ。岸田さんが印象的なことを語ってくれました。
「育休が明けて、仕事に行ったときに、なんとも言葉ではうまく表せない感覚がありました。
それまで24時間一緒にいた息子と離れたわけですが、忘れ物をしてきたような、ふと寂しくなるような。
なんでしょう、本当に言葉ではうまく表現できないのですが。
育休を取る前に気になっていた育休を終えた人がなぜ辞めるのか?というところが少しわかった気がしました。ここでうまく切り替えができないと子どものところに戻っていくんでしょうね」
これもまた経験した人にしかわからない感情だと思います。貴重なお話を聞かせていただき本当にありがとうございました!
パパスマイル四日市 公式Facebook
https://www.facebook.com/yokkaichipapa/
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杉山ジョージ

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