【助産師が教える】ベビー用品のお買い物 利用シーンをイメージして購入を!


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『訪問助産ステーション東京』オンライン両親外来 VOL.3

 訪問助産ステーション東京は、東京で新しい家族を築いていく人たちが安心して出産育児を迎えられるように、地元の助産師による専属サポートプランを提供します。

 これは、《オンライン両親外来》として、第一子妊娠中に助産師の専属サポートを受けているカップルへの指導風景(※フィクション)です。「指導」というと一方的で、間違いを指摘されるような印象かもしれませんが、キャリアのあるベテランほど、コーチングやカウンセリングのような“聴く”技術に長けています。

登場人物

助産師ササキ(以下S):訪問助産ステーション東京に登録している助産院の院長。
妊婦マイ(以下Ⅿ):初めての妊娠中。前回の面談のときにはつわりについて相談。
夫フジイ(以下F):マイの夫。昨年流産を経験したマイの体を心配している。

 

ベビー用品の購入は優先順位をつけて

助:もう22週になったんでしたよね。体調はいかがですか?

M:あ、そうですね、妊娠20週の健診も特に問題ありませんでした!お腹もだいぶ出てきたし、胎動が感じられるようになってからは「あ~いるんだなあ」って実感しますね。

助:妊娠生活を味わっていらっしゃるようで、いいですね。

F:ありがとうございます。僕はまだちゃんと触れてなくて毎日話しかけてるんですけどダメですね(笑)避けられてるのかな。

M:夜寝ようとすると動くんですけど、彼はいつも先に夢の中なので…。

助:胎動は夜に感じやすいんですよね、よく話しかけるのはすごくいいと思いますよ。

F:気長に頑張ります!

M:今日うかがおうと思っていたことなんですけど、産院でもらったパンフレットとか、育児サイトとかにも「妊娠中期に赤ちゃん用品と出産用品の準備をしておきましょう」って書いてあるじゃないですか。そろそろ買いにいこうかって話してたんですけど、これ、全部いるの?ってなって。

F:出産用品は産院で用意してくれるものが結構あるみたいで、母親の服とか物はそんなになくてもよさそうなんですけど、赤ちゃんのベッドをどうするか?ベビーバスは何がいいのか?とかわからなくて、ですね。

助:うんうん、リスト全部そろえるのかと思ったら大変ですよね。使う順番と優先順位をつけて、必ずいるものから買って、あとは順次買い足していくのがいいと思いますね。

“妊娠中期のうちに”というのは、後期になると予期せず入院が必要になることがありうるので、それに備えておきましょう、ということなんです。

M:ということは、先に私の入院用品をそろえたほうがいいですね。

助:そうですね。産院で用意してくれるのは、出産で入院した場合に必要な物なんですよね。妊娠中の入院用品は全部自分で用意しなきゃいけないこともあるので、最低限の寝巻や下着、洗面用品などの生活必需品は先にまとめて、フジイさんにもわかるようにしておくといいですね。

F:それは今からできそうだね。赤ちゃんの物でいうと、何が優先順位が高いんでしょうか?

助:赤ちゃんが入院中に使うものはだいたい産院に用意があります。なので、退院したらすぐ使うもの、まずは着物類やおむつ、授乳用品、あとは沐浴用品ですね。服は着る前に水通ししておきたいので、最初に買っていいものですね。小さくて可愛いのを見ると生まれてくるのが待ち遠しくなりますよ。

Ⅿ:可愛いですよね~、友達のお祝い買うのも楽しいのに、わが子はやばい!

F:うちの親も絶対くれると思うよ。

助:自分があげた服を着ている孫が見たいですよね。お祝いでもらうことも想定して…でも洗濯に手が回らないような状況も考えて、肌着はある程度あっていいと思います。

F:え、出産後は洗濯もできないほど大変というか、忙しいってことですか?

助:フジイさんのように家事を周りの人がやってくれれば大丈夫ですよ。ただ産後1か月以内は、マイさんにできるのは育児と、本当に軽い家事くらいです。それに赤ちゃんの服は一日に何度も汚して換えたりするので、替えがあると安心なんです。

 

産後1ヶ月の夜は夫婦で力を合わせて

M:へ~。“産後1か月はほんと大変”ってよく言いますよね。“寝られない”とか“背中スイッチ”とか先に産んだ友達も言ってて。

助:よくご存じですね。お友達にそういうリアルなお話が聴けるのは有難いことですよ。

産後の1か月間は夜も2,3時間おきに起こされて1時間くらいお世話をして、寝たと思ったら起きて…のくり返しです。体もきついですが、寝てないことで精神的にかなりこたえます。ホルモンの変動も重なるので、お母さんたちに聞くと「普通の精神状態じゃなかった」と、よく言いますからね。

F:それは避けられないものなんですか?

助:とにかく寝ることを最優先に、それを本人と周りの人の共通認識にするのが大事です。お母さん自身が気を張り過ぎて興奮状態になっていて、周りに言われて初めて休めるってこともありますから。

F:じゃあ哺乳瓶も多めにして、僕も交代で授乳できるようにした方がいいですね?

助:哺乳瓶やミルクに関しては、ご意向や状況にもよるので、物が多ければ安心、というものでもないんですよね。フジイさんとマイさんは母乳育児についてはどうしたいと思っていますか?

M:あ~、できれば母乳…の方がいいんですよね?

助:まだはっきり考えたことないですよね。イメージとしては何かありますか?ご自分はどう育ったか、とか。

M:私は母乳だったみたいです。姉が一人いるんですが、姉の時は出なくて、ほとんどミルクだったみたいなんですけど。なんか私は吸うのが上手かったからって(笑)…だから私もできれば母乳はあげたいですね。

F:僕も兄弟3人母乳だったらしいです。もし出るなら母乳がいいとは思っていますけど、マイに負担が偏らないようにしたいとも思います。ミルクなら僕も手伝えるので。

助:すると、お二人ともまずは母乳、必要に応じて混合、という方向は同じですね。でしたら哺乳瓶は1、2本用意するか、産院を退院する頃に授乳状況に合ったものを買う方がいいと思います。ミルクも消毒も同じく最低限で。サンプルがもらえちゃうこともありますし。

 

ベビー用品は利用シーンをイメージして

M:授乳クッションはあった方がいいですか?友達がお祝いにくれるって言ってくれていて。

助:ありがたいですねぇ。多くの産院で授乳クッションを使って授乳の練習をしますし、帰ってからも最初はあると何かと便利です。

M:良かった。あと私の服なんですが、授乳用になっている物を買おうと思っているんですね。で、入院用品に「前開きのパジャマ」って書いてあるものは授乳のために胸が出せるもの、って意味ですか?

助:退院後の服なら授乳服でいいと思いますが、入院用品だと出産直後に点滴したり寝たまま着替えたりすることを想定しているのかもしれません。かぶりの服だとすごく着替えにくいんですよ。「前開きのショーツ」も同じく、こちらの都合ですね(笑)

M:納得です。じゃあ自分では前開きにこだわらなくていいですね。

助:ただ、初めての授乳では赤ちゃんもお母さんも慣れてないので、充分に胸元を開けないと赤ちゃんがおっぱいを見つけられず混乱するので、その点でも最初は「前開き」が便利です。ブラジャーも柔らかくて胸が開けやすいものがいいですよ。最近はカップ付き肌着を活用している人も多いです。

M:それは何枚か持ってます。でも妊娠前のものなのでちょっときついんだ…。

助:買い足すなら大きいのを選んで下さいね。お腹も胸もまだまだ大きくなりますから。

M:はい!そうします。

F:授乳関係はそんなとこですかね。退院の時の話なんですが、ベビーカーと抱っこ紐、どっちがいいんですか?どっちもまだ買ってないんですけど、先に買うとしたら。

助:産院からご自宅までの交通機関は何を使いますか?その後、どちらが使い勝手がいいかは退院後のおうちの環境や使い方にもよりますね。

F:退院するときはタクシーかな…多分。

助:タクシー使われる方も多いですね。本来はチャイルドシートがいるので、もしおうちに車があって、よく乗せるならシートが外せてチャイルドシートになるタイプのベビーカーを買ってもいいと思います。

M:うちは車がないんですよね。うちはマンションの2階なんですけど、エレベーターが遠回りになるのでいつも階段を使っちゃうんですよ。だからベビーカーだと面倒かも、って今思いました。

助:それならまず抱っこ紐やスリングがいいかもしれませんね。とはいえ、お出かけは生後1か月以内はほとんどしないので、産後に買っても大丈夫。1か月以降に抱っこ紐持参で使い方を習いに来るお母さんも結構いますよ。

F:確かに、赤ちゃんいないと練習できないですしね。じゃあ、それは買い物の時に見ておこうか。生まれた後にまた教えて下さい。

今度は沐浴について訊きたいんですが、ベビーバスの種類が意外に多くて…何がいいんですかね?

助:どれでもいいと思います。

F:えっ、めんどくさくなってます?

助:いえ違います(笑)どれでも沐浴の目的は果たせます、という意味です。沐浴するのも1ヶ月だけですし。

あとは機能を重視するか、ですね。洗いやすさとか、赤ちゃんの快適さとか、別の用途に使える、とか。

M:へ~。まだ沐浴の方法を勉強していないので、想像できない…。

助:まず誰が、いつ、どこでするかを想像してみましょうか。

F:できるだけ僕がやろう、と思っています。時間帯は夜になっても大丈夫なものですか?

助:いつも同じなら夜でもいいですよ。あんまり夜遅いのは生活リズム的に考えものですが。

F:ま、夕飯前くらいですかね。だと、お風呂場かな。キッチンだと片付け大変だよね。

M:そうだね。脱衣場なら赤ちゃん寝かせられるし、使った物は洗濯機に入れられるね。

助:お風呂場だと屈むので、固いベビーバスの方が肘が置けて楽ですよ。それか、柔らかいバスならマットがわりに寝かせて洗う、という使い方もできます。泡で全身洗って、シャワーで流した後にお湯を張る、という方法です。

F:あ〜その方が落とす心配はないね。赤ちゃんもシャワーで洗っていいんですね。

助:それは産院で習うのとは違うかもしれないので、産後の最初の訪問の時にやって見せますね。それには底が冷やっとしない、排水栓があるベビーバスだとやりやすいですね。

F:なるほど。で、従来のやり方がよければ固いベビーバスの方が楽、と。

M:あとは置き場所とかも考えなきゃいけないもんね。ちょっと調べて考えます。

F:あ、最後にいいですか?赤ちゃんの布団は用意するんですが、ベビーベッドはあった方がいいですか?
というのも、寝室がベッドがあって狭いので、置くとしたらリビングなんです。でもリビングに僕が布団を敷いて寝るとなるといつ使うかな?って。

助:もしあれば昼間家事とかしながらお世話するのに便利だとは思います。でも、なくてもリビングには赤ちゃん布団を敷いておけばいいですし、夜も生まれてしばらくは離れると泣くので、ベビーベッドに寝かそうとせず、そばで寝る方が楽かもしれません。

M:じゃあ私がリビングに寝た方がいいかもね。

助:出産の経過によってはしゃがんだり、床で寝起きするのが大変なこともあるので、どちらがどこに寝てもいいようにしておいたらどうでしょうか?

F:そうだね、フレキシブルでいいか。とりあえずベビーベッドはなしでやってみます!

助:はい。あとは訪問のときに使いやすいレイアウトを一緒に考えましょう。

M:宜しくお願いします。なんか、だいぶイメージできました。ありがとうございました。

助:それは良かったです。準備、無理せず楽しんで進めて下さいね〜。

 

〈まとめ〉ベビー用品のお買い物

・お買い物は優先順位の高いものから

・妊娠後期になったら妊娠中の入院に備えて、最低限の生活必需品をまとめておく

・入院に必要なものは家族もわかるようにしておく

・大きいものは使う状況を想像して選ぶと無駄にならない

 

■お買い物のポイント

・赤ちゃんの衣類、リネン類は水通ししておくゆとりを持って

・服やおむつは赤ちゃんが大きくなってサイズアウトするので適宜買い足すつもりで

・ウィッシュリストを作って友達や親たちのお祝いにお願いするのも◎

 

■まず買うものリスト

―赤ちゃん―

・ベビー服(短肌着4,5枚、長肌着またはカバーオール3,4枚)※春夏産まれの場合

・おくるみに使う布(ガーゼケット、バスタオルなど)

・ガーゼハンカチ10枚くらい

・おむつ(紙なら1、2パック、布なら10枚くらいとカバー2,3枚)とおむつ用ゴミ箱

・おしりふき

・綿棒(大人用でOK)

・泡で出るベビー石鹸

・保湿剤

・沐浴槽または代わりになるもの

・哺乳瓶 ※混合~ミルク希望の場合(母乳希望の人は退院前に助産師に相談を)

・赤ちゃん用爪切り

 

―お母さんー

・前が開くパジャマやルームウェア

・産褥ショーツまたは大きめの生理用ショーツ

・生理用ナプキン

・授乳クッション(大判バスタオルや抱き枕などで代用可)

・前開きのブラジャーや肌着

 

出産育児の準備をする時間は、赤ちゃんが生まれたあとの生活を想像するいい機会

 “自分のセンスで物を揃えたい!”という気持ちもあるかもしれませんが、「誰が、いつ、どう使う」という視点を持って選ぶことが大切です。自分の選んだものには思い入れが生まれます。一緒に使う人と、相談しながらお買い物できるといいですね。

 このように、妊娠出産育児にまつわる生活面での相談も助産師の指導内容に含まれます。親たちや経験者の話もとても役に立ちます。でも、それはあくまでも“その人(時代)の場合”です。

 一般論から沢山の事例まで、幅広い引き出しからその人に合いそうな方法を提案できるのは専門家ならでは。自分たちの生活&育児スタイルに必要なものは何か、助産師にアドバイスをもらうと合理的です。

 助産師は母子保健に特化した医療専門職です。古くからある職業であるために、助産院や助産師には“お婆さん”や“前近代的”というイメージがつきまといますが、看護学からさらに学業を積んで取る国家資格です。

 東京には開業助産師が案外近くにいて、敷居低く相談に乗ってくれます。身近なプロに見守られながら赤ちゃんを迎えるって、いいと思いませんか? ご興味をもたれた方は訪問助産ステーション東京のSNSもフォローしてくださいね☆

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たかはしたかはし
東京の西寄り生まれの助産師。訪問助産ステーション東京(旧:里帰らない人応援プロジェクト)代表。NPO法人ぱぱとままになるまえに理事。助産院・病院・産前産後ケアサロン・保健センターで働くフリーランス。異文化コミュニケーション修士。多世代交流の場づくりが趣味。 訪問助産ステーション⇒https://myjosanshi.sakura.ne.jp/tokyo/