育児休暇を取得した男性に聞いてみた② 育休は家族の生活リズムを作るため!


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育児休暇を取得した男性に聞いてみた②

日本の男性の育休取得率は厚生労働省「平成 29年度雇用均等基本調査」によると5.14%。
まだまだ、とっても低い数値ですよね。
「育児休暇を取得した男性に聞いてみた!」では、男性で育児休暇を取得した方とその会社を紹介していきます。
どのようにして職場の理解を得たのか?実際に育児休暇中は、どんな生活だったのか?などなど、これから育児休暇を取得しようか検討している男性のためのお役にたてるコンテンツです。

さて、第二回目は、freee株式会社の小畑孝輔さんにお話しをうかがってきました。

男性でも育児休業をとるのがスタンダードでしょ

今回、インタビューをさせていただいたのは、「クラウド会計ソフト freee」などを通じてスモールビジネスを支援するfreee株式会社の小畑孝輔さんです。

小畑さんは、会計事務所様向けにカスタマーサクセス、つまり会計事務所の先にいるユーザ様の成功をデザインするチームの企画を担当されていらっしゃいます。

まずは、育児休暇を取得した理由から聞いてみました。

斎藤「育児休暇をとった理由を教えてもらえますか?」

小畑さん「育児休暇をとるのってスタンダードではないですか?特に理由というか、、、(笑)」

斎藤「えっーー!そういう感覚なんですね。」

小畑さん「理由もちゃんとありますよ。もちろん(笑)

子供が産まれたのは2017年の11月なんですが、最初は、私の実家の兵庫で妻と赤ちゃんは過ごしていたんです。それから、今年の1月から東京で親子3人で暮らすことに決めていました。だから、親族でフォローしてくれる人がいなくなり、3人で暮らすタイミングとなる1月1日から丸1か月間の期間、育休を取得したんです。

きっと、奥さん一人だと不安に感じることも多いと思って、その不安の解消新しい生活のリズムを作りたかったというのが大きな理由ですね」

育児休暇をとるのがスタンダードだと聞いて、その感覚に驚いてしまいました。

でも、そのような感覚を抱くようになったのは、freee株式会社の社風によるものも大きいようです。

freeeっぽい働き方って


とてもオープンな社内ラウンジ

斎藤育児休暇の取得って、いつ頃、上司の方に話されましたか?」

小畑さん「それが結構直前で10月の後半くらいでした。」

斎藤「それだと、育休取得の2ヶ月前ということですね。上司の方の反応はいかがでしたか?」

小畑さん「会社的には、四半期の頭になる1月1日からというのは避けて欲しいような感じでしたが、あまり束縛するのはfreeeっぽくないんですよね。」

斎藤「freeeっぽくないというと?」

小畑さん「freeeでは働き方を社員の自主性に任せているんですよ。最適な働き方を選ぶことで、最大限のインパクトを創出しようという発想です。」

 

freeeには中途入社という小畑さん。生活の時間を自分で選択できる会社を選んだと話してました。もともと、会社の社風が育休取得にも大きく影響しているようです。

 

斎藤「育休中は、どんな生活でしたか?」

小畑さん「そうですね、常に忙しいわけではないけど、まとまった時間はとれないのが大変でしたね。自分の中でどのように折り合いをつけていくかがキーだと思ってました。」

斎藤「なるほどね。では、実際に育休の時間を過ごしてみて、事前に知っておけば良かったなぁと思うようなことはありますか?」

小畑さん「実は、事前に、かなり社内の先輩パパから話を聞いていたんですよね」

斎藤「へぇ、そうなんですね。他の社員の方と子供の話や家族の話もされるんですか?」

小畑さん「たくさんしますよ。寝かしつけのアドバイスをもらったりしてましたし、ベビーカーや抱っこひもなんかも譲ってもらったりしましたよ。」

斎藤「職場では、あまり子供や家族の話をしないという方も多いんですが、御社では、そのようなこともないんですね。」

小畑さん「そうですね、メンバー同士のコミュニケーションをとても大切にする会社なので、聞きやすい環境があると思います。あっ、そうそう、育休に入る前に便利グッズなどはもっと探しておけば良かったかなぁとは思いますね。沐浴に少し苦労をしてしまって、あとでネットで良いものを見つけたりしたので。」

 

職場の先輩パパから情報をインプットされたという小畑さん。多くの先輩パパと社内で子供の話をできる職場ってあまりありませんよね。過去に9人の男性が育休をとったというfreee株式会社は佐々木代表取締役も育休取得経験者。やはり、トップが育休を取得していると、社員も取りやすいですよね。

他にも、株式会社キッズラインと業務提携をした縁で、ベビーシッターサービスを割引で利用可能だったり、出産祝いによだれかけなどをプレゼントしているとのこと。しかも、よだれかけは今治産で社員の方にも大好評だそうです。

これは、もう会社が子育てを応援しているというよりも、会社がひとつのファミリーになっているという印象を受けました。

育児休暇をとって感じたこと


小畑さんの赤ちゃん

斎藤「育休中は、家事も育児も何でもサポートしていたんですか?」

小畑さん「そうですね。食器洗いから掃除、洗濯はもちろん、子供の着替えやオムツ替えもやっていました。家事は子供が産まれる前からやっていましたからね」

斎藤「料理は?」

小畑さん「料理だけはやらないんです。あれだけは、どうも苦手で。あと、家事も育児も一通りやりますけど、やっぱり、奥さんの方が上手ですよ」

斎藤「なるほどね。では、育休中に気を付けていたことはありますか?」

小畑さん「そうですね。奥さんに対してすごく慎重に接していました。できるだけストレスをかけないように。やはり、初めての出産ということで何をするにも神経質になっていた感じがあります。今のうちだけだと思いますが」

斎藤「多くの女性がそうだと思いますよ」

小畑さん「だから、できるだけ奥さんをひとりにしないようにしていましたね。Eテレの「すくすく子育て」を一緒に見たり、なかなか子供が寝ない時には、声をかけて寝かしつけを変わったりしてました」

 

すごく奥さんへの気遣いがうかがえた小畑さん。女性が、出産後、神経質になるのはホルモンバランスの変化もあるので当たり前のこと。その時に、そばにいてあげようと考えた小畑さんの育休中のスタンスは、とっても素敵ですよね。

人生の生産性をあげていきたい


freeeのラウンジの随所に「ツバメ」が

斎藤「それでは、育休取得して良かったと感じていることを教えてもらえますか?」

小畑さん「ぼくにとって良かったのは、奥さんとの関係性のバランスをちゃんととれたことですかね。今後の生活を考えると非常に大切なポイントだと思っていて、そういう点で育休をとれてすごく良かったですね。

あとは、子供の変化というか成長を目にすることができたのが純粋に楽しかったです」

斎藤「わかります!日々、変化があって成長を感じることができる瞬間って楽しいんですよね~」

小畑さん「あとは、3人での生活のリズムがつかめたことも大きいですね。育休を取得してなかったら、リズムがぐちゃぐちゃなまま仕事をしていたかもしれません」

斎藤「子供が産まれると生活はガラッと変わりますからね。その準備ができて良かったということですね」

小畑さん「そうですね。あと、白紙の日本地図を買って、子供と一緒に行った都道府県に色を塗っていこうかと思っています」

斎藤「おっ、それは面白そう。ボクは、子供とふたりで旅行とか行っているんだけど、それで行った場所をふたりで白地図に色を塗っていけたら楽しいでしょうね。」

小畑さん「ふたりで旅行ですか!!それは楽しそうですね」

斎藤「では、仕事をしていて育休をとったメリットって感じることありますか?」

小畑さん「そうですね。うちの会社では売上だけでなく生産性も目標になっているんですけど、子供と過ごす時間も考えながら、会議への参加や会議の時間の効率をあげようと考えていますね。

だから、仕事の生産性だけでなく、人生の生産性もあげていきたいと考えるようになりました」

これからの家族をデザインする


この子にはきっと明るい未来が待っているでしょう

社内の先輩パパさんから事前の情報もしっかりともらっていて、会社のサポート体制もバッチリで、奥さんのケアもしっかりできている印象を受けた小畑さんに、最後に今のパパライフを採点してもらいました。

 

斎藤「今のパパとしての生活、仕事や家事育児含めてを採点すると何点ですか?」

小畑さん「100点満点ですか?そうですね、う~~~ん、70点かな」

斎藤「おー、そうですか。もっと点数が高いかなぁと感じていました。」

小畑さん「いや、少し余地を残しておきました(笑)」

斎藤「では、満点にするためには、どんな点が必要になってきますか?」

小畑さん「奥さんとの関係ですかね。悪いわけではありませんが、今子育てに対して慎重になっている奥さんとの関係をより良いものにできればと思っています。あと、子供を地方で育てたいなぁという願望もありますね」

斎藤「地方で?」

小畑さん「そうですね。やっぱり、東京で生まれたので、このまま東京で進学して就職するという流れになる可能性が高いじゃないですか?そうすると、東京しか知らないまま成長してしまうので、それって少しつまらないかなと思っているんです」

奥さんとの関係性を重視し、子育てをすごく楽しんでいる小畑さん。家族の将来のことまでもしっかりと考えているのが素晴らしいですよね。

パパがこれからの家族をデザインする

このような考えがあるからこそ、育休を取ることも当たり前だったんでしょうね。

 

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斎藤 哲

斎藤 哲

7歳の娘と4歳の息子をかかえる2児の父。 2000年にネット業界に入り、企業のウェブコミュニケーションを専門領域とする。近年はFacebookのマーケティングコンサルの実績も多い。子どもに関わる仕事をしたくて「すいっち」を立ち上げた。 著書 Facebookマーケティング 価値ある「いいね!」を集める心得と手法 http://www.grouprise.jp/