はじめまして野口勢津子です。今月からアドラー「心理学勇気づけの子育て法」について、子育てにまつわるお悩みをもとにした対応法をお届けします。
今回は、アドラー心理学「勇気づけの子育て」を初めて聞く方のために、簡単に説明しますね。
最近、「叱らない子育て」は広く浸透するようになりました。子どもの可能性を伸ばす言葉かけとして子どもを積極的にほめることを奨励する「ほめる子育て」がいいと言われていますが、アドラー心理学「勇気づけの子育て」ではほめることも叱る事もおすすめしません。
もちろん叱ったりダメ出しばかりをするよりも、ほめたり、いいところに注目するやり方は子どもも自信がつきますし、プラスの注目を受けることにより、ますます良い行動が増えるという心理学的な効果もあります。
ところがこの「ほめる」という言葉かけは使い過ぎると悪影響を及ぼす「副作用」が潜んでいるのです。
「ほめる」と「叱る」の共通点とは?
実は、アドラー心理学では「ほめる」という行為には「叱る」ことと同じ作用があると考えます。
「ほめる」と「しかる」には共通点があるのです。一体どのような共通点があるのでしょうか。
まず、子どものやる気を引き出す動機づけには2種類あって、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」と言います。
「内発的動機づけ」とは子どもが自らやる気を感じて行動する。自分の中から湧き上がるやる気の事を指します。
対して「外発的動機づけ」とは子どものやる気を引き出そうと、外側から刺激を与えて操作的にやる気を引き出すやり方です。「刺激」とは親が望むような結果が出た時にほめたり、ごほうびを与えたり、また子どもを思うように動かそうと注意したり、叱ったり、時に罰を与えたり。いわゆる親が子どもを「アメ(ほめる)とムチ(叱る)」でやる気を出させようとする行為です。
つまり、ほめることも叱ることも「親の判断基準で子どもを評価している」という共通点があるのです。ほめることは、叱られてばかりで自信を失くしている子どもにとって、最初はよい効果がみられますが、ほめ過ぎると「親の評価を気にする子」になったり「評価してくれる人がいないと頑張らない」という子どもになる可能性が高くなります。
子どもが自分の中に判断基準を持ち、自発的に行動できるように育てるにはどうしたらいいでし
ょうか。その疑問に答えるのが「勇気づけの子育て」です。「勇気づけ」とは子どもが自分の力を信
じて行動する勇気が満たされる関わり方で、「内発的動機づけ」のひとつに入ります。
「勇気づけ」の具体的な方法
子どもの中からやる気が育つ「勇気づけの子育て」とはではどのようにすればいいでしょうか。すいっち読者のパパ・ママにオススメするのは4つの言葉を使った言葉かけです。
1「ありがとう」・・・感謝を伝える言葉かけです。
2「うれしい」・・・・喜びを伝える言葉かけです。評価ではなくパパ・ママの気持ちを伝えます。
3「助かるわ」・・・・貢献感をはぐくむ言葉かけです。
4「だいすき」・・・・愛情を伝える言葉かけです。
この4つの言葉を会話の最後に使うように心がけてみましょう。普段、お子さんに「○○しようね」と言った指示言葉や「いい子ね」といったほめ言葉を使ってきた人はこの4つを意識するだけでかなり勇気づけの態度に近づきます。
次に心掛けたいポイントは「共感」です。子どもの気持ちを代弁するような気持ちで話しかけてみましょう。例えば子どもが転んだ時、つい励まそうと「痛くないよ~」や「強いね~」など先回りした言葉をかけていませんか?子どもからしてみれば転んだら最初に出てくる気持ちは「痛い」ですよね。
共感の態度で子どもの気持ちを代弁するならばます最初は「痛いね~」となるでしょう。
共感の言葉かけで子どもに接すると、子どもにとって親は自分を応援してくれる存在に感じられ、どんどん自分の中から勇気がみなぎってくるようになります。
今回は1.ほめると叱るの共通点 2.勇気づけの具体的な方法について お届けしました。他にも勇気づけの子育て法にはまだまだ役立つ方法がいっぱい。次回を楽しみにしてくださいね!
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野口勢津子

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