待機児童問題が重要視されてから久しい今日ですが、未だに問題は解消されずにいます。それどころか、待機児童数の増加・減少の傾向が地域によって大きくばらついている現状です。
待機児童がいる都内区市町村47自治体のうち、昨年度よりも待機児童が減少したのは25自治体。逆に昨年度よりも増加したのは22自治体ということです。(平成27年4月1日の状況 東京都福祉保健局 平成27年7月23日発表)
このような現状の中、確実に保育園へ入園することを目指して育児休業から職場へ復帰しようとするママの心のうちをお聞きしました。スムーズな復職とは、そのために必要なサポート体制とはどのようなものか、について考えていきたいと思います。
「自分で決めたのだから。でも少し不安」保活中ママNさんの本音
Q.復職について、時期はいつ頃から決めましたか。
A.産む前から決めていました。理由は特にありません。「戻るもの」だと思っていましたので。
Q.保育園はどのような条件を優先して選ぼうとしていますか。
A.長期的に通う所としての理想は、家から近い、または最寄り駅に近い所ですね。
でも実際は、とりあえず通う所として近隣の市へも足を運んでいて、調布に限らず狛江や稲城市も探しています。
車を使って通うことになっても、とにかく入れれば良いので。
Q.保育園の情報はどうやって集めていますか。
A.実際自分の目で見て納得したいので、直接見学に行ってお話しを伺っています。
ネットの情報や人の意見を聞いて判断すると、後悔しそうだから。
Q.復職後の勤務形態はどのようにお考えですか。
A.勤務先の規定で、しばらくは10時から16時までの時短で働くのですが、できたら9時から17時半の定時で働きたいと思っています。
先輩に定時で仕事している方がいるので、実現はできそうですが、残業できないことが色々と不利なことになるそうだと聞いています。あと、困ってしまうのが、時短だとボーナスが出ない決まりになっているんですよね。これは困ります。
Q.復職にあたって、心配なことはありますか。
A.少し不安ですね。
産前に体調が思わしくなく、病休を取ったため2年近く社会に出ていないことが、不安感を倍増させてるんです。
仕事ができるかどうかというところも心配ですが、会社の待遇や職場の雰囲気も不安です。
早い時期から情報を集め、自分の目と耳で安心できる保育園を探そうとしているNさん。待機児童にならないために、近隣の市も視野に入れていますが、保育園の申し込みが始まる11月まで、Nさんの奮闘は続きます。
子どもとの関わり方-母として「私」自身として-
システム関係の仕事をしていたNさんにとって、情報収集はお手の物。出産や育児に関する情報は、役に立つと思えばどんどん取り入れていて、お子さんが6か月になってからは、積極的に外出してセミナーや各種の講座に参加もしています。ご自身の興味と、お子さんに良い影響を与えるものがぴったりきた時、Nさんにとって充実した良い一日を過ごせたという満足度が上がるそうです。
パートナーであるパパとの関係も良好で、子育てについてよく話し合い、自分に必要と思われるセミナーへの参加もパパの意見を聞きながら取り組んでいて、とても向上心の高い方です。
もともと能力の高いNさんにとっても、育児は想像のつかないことばかりで、日々手探りの繰り返しでした。だからこそ、職場復帰する際には安心して預けられる保育園を探したいのです。
「子育てをしながら、自分自身について考える時間を取るのは難しいことでした。でも自分が生き生きしていなければ、この子も楽しく過ごせないんだということがわかり、一緒に楽しめることを考えています。これからも、いろいろなセミナーや勉強会に参加していきたいと思っています。」
ママ・パパだけを孤立させないために―求められるサポートとは―
調布市では、子ども家庭支援センターによる「トワイライトステイ」のシステムがあります。1歳6か月を過ぎたお子さんを、保育園の後22時までお預かりするシステムです。保育園から支援センターまでは、ファミリー・サポート・センターのサポーターが送っていきます。
さらに、12の公立保育園と2つの私立保育園で育児相談を行っています。電話でも来園でも、保育園に通っていないお子さんのことでも気軽に相談できます。しかし、こういった相談窓口を積極的に利用しようとしないママがいるのも実情です。
お住まいの地域によって、行政・民間などでも様々なサービスがありますので、ぜひ、検索してみてください。
サポート体制の充実はもちろんのこと、そのシステムがあることを周知し、頼れる存在になることが求められます。
次回は、受け入れ側としての保育園にお話しを伺います。
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安藤 華子

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