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【イベントレポート】男性の育休取得はひとつの選択肢でしかない~人生100年時代の男性育休1年時代より~

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すいっちでは、男性育休取得者にインタビューを続けていますが、先日、MISAONE(ミサワホーム有志団体)主催の 「人生100年時代の男性育休1年時代」というイベントに参加してきました。さまざまな立場の5人の方のピッチをヒントに、これからの男性育休取得について考えてみたいと思います。

目次

  • 1 育児体験ではなく育児を継続するための育休を!!
  • 2 忖度しちゃいました
  • 3 制度、風土、マインドが大事
  • 4 女性には理不尽なことがいっぱい!!!
  • 5 育休を取って育児の大変さを実感してます
  • 6 男性はパパになるときに立ち止まって考えて欲しい

育児体験ではなく育児を継続するための育休を!!

最初のピッチはテルモ株式会社の小柳さん。3人のお子さんがいる小柳さんのピッチで、いきなり、本質を突くお話しが出てビックリ!!

わたくしが提案したいこととバッチリ合ってたんです!!

小柳さん「続かないような育休ならとらないほうがいいと思ってます。育休、育休と言って短期間取得して実績にしたいという風潮に違和感を感じているんですよね。短期間の育休取得をすることを批判するわけではないのですが、育休後も育児は続くじゃないですか、当たり前ですが。でも、育休を取ってそれで終わりだと思っている人が多いような気がしてしまうんです。それは育休ではなく育児体験ですよね。私の場合は、数日の育休ではなく、半年間の時短勤務をやりました。

つまり、ピークの時間(朝の保育園の送りと、夕方のお迎えや夕食の時間)に家にいる生活を半年くらい続ければ育児はまわると妻と話し合って決めたんです」

 

育休を取得した男性にインタビューをしていますが、復職後に、家事育児のタスクの振り分けが上手くできなかったり、奥さんとの話し合いで結論が出なかったり、どうしても奥さんに任せちゃいがちになるという話を聞いていました。

そういう時に、「時短勤務はできないんですか?」と聞くと、「そこまで考えてなかったですね。」という回答に出会うことが多かったので、小柳さんの働き方には非常に共感できました。

家事育児が育休後も日常になっていなくては、育休がただのイベントになっていたということなんですよね。特に、共働き家庭で育休明けに男性の働き方が元に戻ってはしょうがありません。育休後も育児は日常なんですから。

私のパパ友には、朝はママにお任せするんですが、夕方のピークをママと一緒に乗り切るために、早朝出社をして夕方は18時前には帰宅して保育園にお迎えに行くのが日課になっているパパもいます。

「男性の時短勤務」

子育て世代のパパは、時短という働き方も選択肢として加えるのもアリですよね。最後に、小柳さんのマインドセットに関する言葉。

小柳さん「私は、子どもの健康の鍵は、妻の心身の健康だと考えています。オムツ替えや掃除、洗濯は、そのための手段でしかないんですよね」

まったく、おっしゃる通りだと思いました。家事育児の分担がゴールになってしまいがちな方に送りたいメッセージです。

忖度しちゃいました

2番目は、日本郵便の光井さん。さぁ、どんな育休パパなのかと思ったら、「実は、育休取ってないんです」と。

そう言われると逆に、何を話すんだろう?と興味がわいてきちゃいました。

光井さん「わがやは四人家族なんですが、ひとり目の時にはまったく育休をとるということを考えてもいなかったんです。ただ、ふたり目が産まれてから、これは何とかしないと家庭が回らないぞと思い始めたんですよ」

 

子どもが産まれても自分の働き方を考える男性ってホントに少ないんですよね。女性は大きな変化があるというのに。これを不公平だと感じている女性は多いと思いますよ。その時点で、パパに対して「ズルい」とか「いいなぁ」って感じていると、その後の夫婦のコミュニケーションの中にも、どこかに影響が出てきちゃうのではないでしょうか。

 

光井さん「ふたり目が産まれてから、育児という方向にマインドセットができてきたので、妻が仕事に復帰するタイミングでは育休を取得しようと思っていたんです。ただ、そのタイミングでマネージャー職に昇格したんですね。そこで、私の中で忖度がありまして、結果、育休は取らなかったんですよ。」

 

仕事と家庭のバランスって、ほんとに難しいんですよね。光井さんのように育休を取ろうと思っても、タイミングが悪くて、、、、という方も多いと思います。結果的に、男性は仕事を取るという選択をしている裏で奥さんは色んなことを諦めているのだとしたら、どのように感じますか?

 

光井さん「昨年末に、復職も果たした妻と話し合ったんですが、妻に『復職してさ、家事育児にも向き合えたよね』と話したところ、妻から衝撃的な言葉を返されたんですね。

『向き合うだけじゃなくて、家事育児って日常じゃないの?』と。

そこで、自分がお手伝いをしていただけなんだと気づかされちゃったんですね。妻の本業である仕事、家事育児を手伝っていただけなんだと。更には、妻は仕事面で諦めていることもあるということも最近知ったんですよ」

 

大切なのは夫婦でよく話し合うこと。これが正解というものはないので、色んな選択肢を並べて、その中で何を選ぶのかを夫婦でしっかりと話し合うことが大事だと思います」

ひとり目の時から、話し合いができていたらいいんだろうけど、経験をしないと実感できないことって多いですよね。だからこそ、子育てについては個人に委ねるのではなくて、会社から問題提起してあげてもいいんじゃないかと思うんです。男性はどうしても当事者意識を持ちづらいので、子どもが産まれても何も生活を変えないとい人が多いと思います。でも、それで家庭不和になったら、仕事にだって影響があると思うんですよね。

そこを分かって実践できている企業って、どのくらいあるんでしょうかね?

制度、風土、マインドが大事

3番目は東急電鉄のダイバーシティ・キャリア開発課の西本さん。

ご本人はパパではないとのことで、人事という立場からお話しをいただきました。

西本さん「当社では育児のために休暇を取った男性は34%(2017年3月末)おります。この数値は、いわゆる育休はもちろん育児のための有給消化も含めた数値で、1か月以上休暇をとった男性も増えてきております。

個人的には、『制度』『風土』『マインド』というものが育休取得促進には必要なんじゃないかと思っているので、それについて当社の状況をお伝えしたいと思います。

まず、『制度』は比較的整っていると思っています。スライド時間勤務や1時間単位での有給取得、サテライト・在宅勤務も可能となっているんです。

そして、『風土』という点で、人事から「男性育休100%」を発信したり、育休を取っても昇進には影響しないといったことを伝えることで、子どもが産まれるときに、「いつ、育休とるの?」という会話が自然に産まれるようになってきました。

そのようにして、男性社員の育休に対する『マインド』が培われていくことが重要だと思います」

 

私も育休取得に『風土』がとっても大事だと思っています。今まで「育休を取得した男性に聞いてみた」というインタビューを通してわかったのですが、今までインタビューさせてもらった会社は、すべての会社で「ファミリーデイ」を設けていたんです。

会社の同僚や上司が自分の家族と顔見知りになる機会を作ることで社員同士の距離を近づけ、各社員のプライベートの問題も身近なこととさせる作用があるのではないかと思っています。

女性には理不尽なことがいっぱい!!!

4番目の登壇者はワーキングマザー代表として2歳のお子さんを持つハウス食品の児島さんです。

バリキャリの児島さんは、若い頃は、子どもが欲しいという思ってなかったそうですが、歳を重ね考えが変わって出産を決意。子供は可愛いし、出産して本当によかったなと思いながらも、それでも仕事はバリバリやりたい気持ちも変わりませんでした。だから、できるだけ旦那さんにも平等に子育てをして欲しいと思っていたようです。

児島さん「そもそも、肉体的に相当きついんですね。それって、出産の時だけではないんですね。お腹が大きくなる前から体調は悪くなるし、産まれた後もだるかったり、疲れやすかったり本当に大変なんです。肉体的にも精神的にもきついんです。仕事復帰後も本当にきついんです!!!

だから、育児は夫婦平等じゃなくて、男性の方がもっとやって欲しいって思うんですよ。だって、女性は出産でさんざん大変な経験をしているじゃないですか。だから、もっともっと主体性をもって育児をして欲しいと思うんですよね」

 

いきなり衝撃的な発言でスタート!でも、確かに!!という納得感のある言葉でした。今まで男性の育休インタビューだけをしてきた私も、どうしても男性目線でのメッセージになってしまうのですが、その時の奥さんの気持ちを知ることができて良かったと思ってます。出産するのも男性か女性か選択できればいいのにね。

児島さん「旦那が育休をとって良かったと思うのは、家事・育児力がアップしたのはもちろんですが、とにかく旦那の子どもに対しての愛情が強くなったという点ですね。だから、子育てをしなきゃじゃなくて、『子育てをしたい』って感じになっているんですよ。育休だけが育児ではなくて一生続くことなので、そう思えることって、旦那本人が楽なんじゃないかと思いますね。あと、育児の楽しさも辛さも共感できるようになったことが良かったですね。で、惚れ直しちゃいました。」

 

家事育児を完全に平等にすることはできないと思います。その中で、どういう風に折り合いをつけていくかは、各家庭の中で決めていけばいいことですよね。男性はどうしても当事者意識を持つまでに時間がかかると言われてますが、育休をとることで子どもに対して愛情を持つことができれば、もっともっと育児に主体的に関われるようになるんでしょうね。

育休を取って育児の大変さを実感してます

最後に、第3子の誕生に合わせて1年間の育休をとったハウス食品の豊田さん。現在、育休真っただ中で、ちょうど6か月が経過したところだということです。

豊田さん「私は1年の育休を取得中なのですが、『育休を1年間取りたい』といった時の妻の反応が『まじで!どうやってメシ食べていくの?』でした。それでも、第3子で最後だと思うので妻を説得して育休を取りました。

今は、朝、起きて食事の準備から0歳の次女の夜のミルクや寝かしつけもやっています。夜中のミルクや寝かしつけがほんとに大変で全然ゆっくり眠れず意識朦朧という状態なんですが、こんな大変なことを妻はうえのふたりの子の時にやっていたんだなと。それを体感して、ようやく辛さを理解できたんですよね。やっぱり、自分で体験することって本当に重要ですね」

 

私は、仕事でも何でも、まず自分でやってみることが大事だと思ってます。たとえ、些細な作業で他のスタッフに任せることが決まっていても、まずは自分でやるようにしています。育児でも一緒。出産とおっぱい以外は、全部自分でやりました。

きっと、豊田さんも体験することで初めてわかったこと、気づいたことがたくさんあったんでしょうね。

 

豊田さん「育休を取ってどうかと聞かれて答えることが3つあります。

ひとつは、『男性で1年育休を取った』ということがトレードマークにできているということです。私は食品会社で商品開発を行っているので、家庭のことを深く知らなければいけないはずなんです。だからデータやアンケ―トだけではなく経験からの発想を持てるかどうかというのも大事なんじゃないかと思っているんですよ。

で、ふたつめですが、『お値段以上、ユトリ』です。子どもって想像を超えて面白いです。昨日できなかったことが今日できるようになる。それをまじかで見れるのが本当に楽しい

ただし、これを楽しめるかってゆとりがあるかどうかというのがポイント。今は、私が育休をとり、妻も育休中なので生活にゆとりが産まれていて、子どもの成長を見れているのが楽しいですね。

みっつめは、育休を取るのもひとつの価値観でしかないということ。育休をとることで会社の上司や同僚は色んな反応をするかもしれませんが、そんなことを気にしていたら、育休は取れません。それは、あくまでも価値観が違うということを強く意識しないとダメなんだと思うんですよね。

私は、それぞれの人が色んな価値観をもっていると思いますが、それを実現するためにアクションを起こせている人は凄いなあと思いますね」

 

育休を1年取っている方から「育休を取るのもひとつの価値観でしかない」と言われると説得力ありますよね。

男性はパパになるときに立ち止まって考えて欲しい

今回、様々な立場の方のピッチを聞いて感じたのは、男性の育休取得は選択肢のひとつでしかないということです。

昨今の風潮で男性も育休を取るべきと感じている方もいると思いますが、仕事の状況、奥さんの考え、お金のことなど色んな条件を踏まえて、男性が真剣に考えることが重要です。

それぞれの家庭ごとに、その回答は異なって当たり前だと思います。

男性の育児休業取得率を2020年までに13%とするという目標がありますが、子どもが産まれた時に、育休を取るのか取らないのかを真剣に考える時間を取る男性を100%にしたいですよね。

その結果、育休取得をする人が13%だったというのであれば、それでいいんだと思います。

大切なことは、女性と同じように男性も子どもが産まれてからの生活をどのように送るのかを真剣に考えるということなのではないでしょうか。

本記事に掲載されている情報において、その正確性や有益性などを保証するものではありません。この記事の情報から行う全ての行動については、読者の責任によって行ってください。「すいっち」では、その責任を一切負うことはできません。また、記事に掲載される金額やサイトURLなどは時期によって異なる場合などがありますので、詳細な情報は必ずリンク先でご確認ください。

2018年7月20日 斎藤 哲 はたらく, 子育てパパ, イベント・セミナー 育休, パパ, イクメン

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斎藤 哲

斎藤 哲

代表取締役 : 株式会社グループライズ
7歳の娘と4歳の息子をかかえる2児の父。 2000年にネット業界に入り、企業のウェブコミュニケーションを専門領域とする。近年はFacebookのマーケティングコンサルの実績も多い。子どもに関わる仕事をしたくて「すいっち」を立ち上げた。 著書 Facebookマーケティング 価値ある「いいね!」を集める心得と手法 http://www.grouprise.jp/
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